雑居家族
ざっきょかぞく

毎日新聞連載で好評の壺井栄の名作を、名匠・久松が監督した涙と笑いのヒューマンドラマ!

女流作家・小森安江の家は、夫の文吉、三十才の娘・音枝、大きい息子・冬太郎、満七オの夏樹の五人暮らし。ここに、無断で田舎の家を出て来た遠縁の娘・浜子が加わった。桃の節句に近い或る日、妻と娘に出て行けと言われたと、安江の義兄・鷲兵六が何年ぶりかで訪ねて来た。兵六は六十を越しているが、お人好しで身なりも粗末だ。夏樹に友達扱いの呼び方をされても、当の兵六は無頓着。安江には、それが人なつっこい夏樹を丸めこんで長居しようとする兵六のたくらみの様にも思える。安江はこの義兄が苦手なのだが、故郷小豆島の想い出や死んだ姉に話がふれると、つい笑顔を見せて話し込んでしまうのだった。文吉と安江は夫婦揃ってお人好し。三十年前、結婚したばかりの二人の元に兵六が訪ねて来て「大切な取引先の子供だが、産んだ母親が五日目に亡くなった。赤ん坊を貰ってくれ」と言う。人のいい夫婦は顔を見合せたが、二人の生活すら苦しい。断るつもりで表へ出て、買物をすませた安江が家へ帰ると、どう話がついたのか文吉と兵六は高笑いで話し込んでいたのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1956
1956/5/3
モノクロ/110分/スタンダード・サイズ/12巻/3013m
日活
【静岡県】伊東市(宇佐美峠、大島行連絡船上)
【東京都】世田谷区(梅ヶ丘・民家のオープンセット)荒川区(日暮里駅附近の跨線橋)/台東区(谷中墓地)