雄大なる阿蘇の噴煙を背に男対男の激闘!大日活が贈る柔道映画の最高篇!!
明治三十三年……古い時代から新しい時代へと移り行く日本と歩を同じくして講道館柔道は、怒涛の勢いで全国を風靡していった。しかし日本に古くから伝わる柔術が滅びてしまったのではない。古い武道である柔術の最後の城として新興講道館柔道を一歩も寄せつけぬ道場があった。南国九州は阿蘇の麓にある、岡田道場では“講道館打倒”と云う貼紙の下で、“東京遠征柔術代表者選出大会”の試合が進められている。最後の決戦である檀駿介と兄弟子海棠龍三郎との闘いが続けられているのである。海棠の胸中は兄弟子という面子のために負けられず、巧みに試合を進めている駿介に対して封じ手である“活殺必倒流斬月落し”の当て身を使い、勝利を自分のものとしたが、審判の河井源将は、海棠が封じ手を使ったことから真の勝利者として駿介を決め、代表者として駿介が東京へ行くことになった。駿介は恋人恵子の眼病を気にしながら汽車の人となった。海棠も駿介が試合に負けたら、自分が講道館の安濃利五郎を倒そうと駿介の後を追うのであった…。