海の純情
うみのじゅんじょう

ハンサムで歌の上手い捕鯨船員が鯨ならぬ女群に追いかけ回される。春日八郎のヒット曲『海の純情』をモチーフにした歌謡映画。鈴木清順が清太郎名義で撮った監督第2作で、遊び心溢れる演出が光る。

捕鯨船団の出航で賑わう港。その中にハンサムで陽気な歌の上手い春海八郎の乗る磐城丸がある。砲手を兼ねる織田船長は大鯨をカラ撃ちばかりで逃している始末だが、自分のことは棚に上げ周囲に当たり散らすので、船員たちと不仲になっていった。陸に上がった船員たちは不漁の気分直しに料亭・水月に飲みに行く。芸者の鈴菊はハンサムな八郎を見て一目惚れするが、八郎はかえって迷惑顔。というのも八郎は船長の娘・和枝の純情さに首ったけなのである。ところが酔い潰れた船長を送って行った八郎は鈴菊がつけたワイシャツの口紅を見た和枝に誤解され、追い返されてしまう。八郎はデッキで寂しくギターを弾きながら「これからは絶対女に近寄らないぞ」と決心をする。ところがその決心も束の間、身投げをしたバーの女給・由美子を救ってまた女難。会社の横山部長に助けを求めた八郎は、そこでまたまた部長の娘で東京の大学に行っているという勝気なインテリ娘・美代にも好かれてしまうのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1956
1956/6/7
モノクロ/5巻/1326m/48分/スタンダード・サイズ
日活
【神奈川県】三浦市(三崎港)