薩摩藩の重税と圧政に苦しむ奄美大島の島民を救うために、快男児・耶茶坊が立ち上がる!山中貞雄の再来と言われた時代劇の名手・丸根賛太郎が『地底の歌』の名和宏を主演に迎えて撮った痛快時代活劇。
薩摩藩に征服された奄美の島民は畜馬の扱いを受けながらも、身を隠してその時を待つ耶茶を信じていた。ある夜、薩摩方に捕らえられたイマは、村人たちの計らいで耶茶と会うことになったが、猪の熊が感づき、秘かに彼女を尾行した。イマは猪の熊につかまったが、耶茶の空手で倒された。耶茶とイマは久しぶりに逢瀬を楽しんだが、二人は島民を救うために潔く別れるのだった。一方真牛は、イマの脱走を援助した疑いで拷問にあったが、彼は薩摩に忠順を誓ったため、島民の信用を益々落とし、島民の反薩意識は昂揚した。猪の熊も前非を悔い、薩摩武士を斃して自分も死んだ。島民の溜まり場からはイマがよく歌う、耶茶をしのぶ歌が流れるようになった。ある日、イマは薩摩方の策謀により、拷問され牢に閉じ込められたが、黒装束に身を包んだ真牛がイマを救おうとして代官新殿作之助らに捕らえられ、イマの前で火あぶり水責めにあった。初めて真牛の真意を知ったイマだったが、新殿の放った大蛇が二人に襲いかかろうとしたその時、短刀が蛇の眼を刺し、同時に耶茶坊があらわれた。