ドリルの政こと西島政吉は模範囚として刑期短縮で出獄する。彼は金庫破りの常習犯であったが可憐な乙女、ゆきの純情により足を洗うことを決意して自首したのであった。ゆきは彼の出獄を一日千秋の思いで待っていた。彼女は、政吉の入獄中も彼を励まし続けてきたのであった。彼は刑務所の門を出ると真直ぐに彼女の下宿先へ向かった。だが、そこには笑顔で迎えてくれるはずの彼女の姿は見当たらなかった。次郎と二人で心当たりを探し回っていると、ある晩、「ゆきちゃんのことで会いたい」と見知らぬ男が使いに来た。政吉がその男と出かけ、ある銀行の裏手まで行くとそこで捕物陣に逢い、銀行襲撃の一味として連行されてしまう。彼は必死になって無実を主張するが、前科があるうえに証拠が揃い過ぎていた。が、次郎の手引きで護送の途中で脱走した政吉は、自分の手で真犯人を挙げ、無罪を証明する非常手段に訴えることを決意し、行動を開始した。