歌くらべ三羽烏
うたくらべさんばがらす

デパートの美人店員をめぐって、三人の人気歌手、小畑実、青木光一、近江俊郎の美しい友情が快く胸に流れる音楽映画娯楽篇。

デパートに勤務する俊夫と光二は一つ屋根の下に暮らす仲良しだが、貴金属売場で働く可憐な美人・あや子に関しては敵味方だった。しかし、当のあや子は俊夫の映画の誘いにも、光二の音楽会の誘いにも首を縦に振らない。そのうえ二人は、あや子が自動車会社に勤める大畑というスマートな男と親しげに歩くのを見て、すっかり落胆するのだった。一方のあや子は、大畑との楽しい時間を過ごしながらも、母親の病気が一向に快復しないことに心を暗くしていた。そんなある日、貴金属売場に王単免という外国人が宝石を買いに来た。あや子の美しさに目を見張った王は、宝石を家まで届けるよう伝えて帰った。王の豪壮な邸宅を訪れたあや子は下にも置かないもてなしを受け、さらに王は、これからつくるプロダクションのスターになれば出演料三十一万円をやると言う。あまりの突然な話に警戒心を抱きながらも、あや子は王と街へ食事に出かけた。翌日、巧みな万引女によってダイヤモンドが盗まれた。支配人から二十万円の四分の一、五万円の弁償を言い渡されたあや子は、母の病気のことも相まり、とてもそんな…と心が曇った。この一件を聞いた俊夫と光二はすっかり同情。折も折、近く開かれるのど自慢大会の賞金が五万円と聞き、喉に覚えのある二人は小躍りして喜び出場。そして、大畑も出場。結果は三人が五万円の賞金を分けることになったが、大畑もあや子のために使うことに賛成した。三人はあや子の家へ急ぐが、そうとは知らず思い余ったあや子は王の家を訪れていた…。

日本
製作:富士映画 配給:日活
1955
1955/10/5
モノクロ/9巻/2092m/76分/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】中央区(銀座四丁目)/港区(聖徳記念絵画館前いちょう並木)