自分の穴の中で
(じぶんのあなのなかで)
現代に生きる若い男女が、それぞれのエゴイズムから自分の穴の中に閉じこもりながら、人間の醜い闘争を繰り返してゆく人生の縮図を描いた、巨匠・内田吐夢が15年ぶりに古巣日活でメガフォンを取る文芸大作。
監督
内田吐夢
キャスト
志賀伸子=月丘夢路 志賀多美子=北原三枝 伊原章之介=三國連太郎/小松鉄太郎=宇野重吉 志賀順二郎=金子信雄 桂子=利根はる恵 特別演奏出演=宮城道雄/青山の叔父=滝沢修 藤田=清水将夫 保田=左ト全 青山の叔母=北林谷栄/敏子=広岡三栄子 浜田=関弘子 別荘番の老婆=相馬幸子 夜の女=高田敏江 志賀家の女中(ときちゃん)=木室郁子/バー“アベニュー”の女給A=明美京子 バー“アベニュー”の女給C=志摩桂子 バー“アベニュー”の女給D=三鈴恵子 バー“アベニュー”の女給B=芳川千鶴 看護婦=歌川まゆみ 三船明子 料理屋の仲居=若原初子/砂川町の駐在巡査=土方弘 砂川町の住人=澄川透 砂川町の住人=雪岡純 砂川町の住人=紀原耕 稲垣実 峰三平 ボーイ=光沢でんすけ (以下、主なクレジットなしの出演者)バー“アベニュー”の女性(入り口付近で客の荷物などを預かる女性)=芝あをみ 宮城道雄の演奏の観客(伊原章之介の左隣の女性)=坂井美紀子 特急“はと”の食堂車のウェイトレス(小松鉄太郎の注文を聞く女性)=明石淳子 バー“アベニュー”のウェイター=須藤孝 バー“アベニュー”の客(小松鉄太郎の後ろの席の男性)=井東柳晴
脚本
八木保太郎
音楽
芥川也寸志 
その他スタッフ
製作/岩井金男 原作/石川達三(朝日新聞連載) 撮影/峰重義 照明/三尾三郎 録音/神谷正和 美術/木村威夫 編集/辻井正則 助監督/牛原陽一 製作主任/野村耕祐 スクリプター/新関良子 特殊撮影/日活特殊撮影部
研究室でノートの整理をしながら、愛してもいない看護婦の身体を抱いている...伊原章之介は、そのような男だ。志賀伸子は、伊原と娘の多実子の結婚を望んでいるようだ。主人を失った志賀家は、40代の未亡人・伸子、義理の娘・多実子、その兄の順二郎の三人暮らし。外見は裕福そうだが、遺産生活の内実はさほど楽ではない。順二郎は長い病床生活を送り、現在は株の売買に唯一の生甲斐を見出している。しかし彼の胸中には、彼を捨て去った妻の面影が常にこびりついている。多実子が義理の母のすすめる伊原との結婚話を嫌悪するのは、母と伊原との間に忌まわしい想像を抱いているからだ。その想像はあながち間違いとも言えず、井原は多実子に愛の言葉を投げる一方で、伸子にも求愛していた。かつて志賀家の玄関番をしながら学生生活を送っていた小松鉄太郎は、多実子を愛しながら、彼女の結婚話を当然のことのように眺めている。ある日、小松は会社に辞表を提出し、関西方面へ旅に出た。志賀家の最後の財産である京都の地所を処分するため、多実子は京都へ行くことになった。見送りのために井原を呼び出した多実子は、彼の手を握りしめて離さない。二人は箱根で宿をともにした。多実子の留守中、順二郎は伊原を自宅に呼び、妹との結婚話をすすめてみた。だが伊原は、彼女の相手は小松がふさわしいと答える。「年上の女性が好きになってきたんだ」という伊原を順二郎は皮肉な微笑でみつめた。伊原は、送って出た伸子を後から抱きしめ首筋に接吻した。伸子は表情を変えなかったが心は安定を失っていた…。
製作国:日本 製作/日活
配給:日活
製作年:1955
公開年月日:1955/9/28
上映時間ほか:モノクロ/125分/スタンダード・サイズ/13巻/3419m
© 日活

ロケ地

【東京都】立川市(当時の「砂川村」)/福生市(横田基地)/新宿区(新宿駅、呑み屋横丁)/大田区(六郷の鉄橋)/▲夜の東京を走る特急「はと」
【神奈川県】横浜市(神奈川県立音楽堂)/▲箱根町(箱根の宿)/▲沼津行き電車内
【埼玉県】秩父市(秩父山脈、山道)
【静岡県】伊東市
【長野県】軽井沢町
【和歌山県】白浜町(三段壁)
【京都市】京都市(下鴨)
【三重県】四日市市(四日市旧海軍燃料廠)
▲秋荘寺、▲加茂神社

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