月夜の傘
つきよのかさ

「二十四の瞳」の壺井栄の名作を得て「警察日記」の名匠・久松静児が、善意な人々の家庭生活の機微と夫婦の愛情の美しさ、若き人々の清純さを描写する文芸大作。

東京の郊外の住宅地、赤い屋根や新緑の庭木が続く晴れた空ののどかなひととき。かね子の家にある古い井戸端には近所四世帯の主婦がふらりと集まってくる。終戦前後の時代、私たちほど青春を謳歌できなかった者はいないと不平不満をこぼし合ったのが始まりで、若い青年男女たちのダンスパーティーや読書会の催しには指をくわえて見ていたが、井戸端に二人寄れば着物を売る話になり、三人寄れば食料買い出しの相談になり、四人集まるといつの間にか笑い声が起こっている。親たちには内緒で鶏を飼おうとする子供たち、未亡人の元にきた見合い話、まだ若い奥さんにときめいてしまう大学生…。井戸端に集まる四人の主婦を中心に、それぞれの家庭での日々を描く。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/8/21
モノクロ/128分/スタンダード・サイズ/14巻/3492m
日活
【東京都】世田谷区(小田急線 梅ヶ丘駅 羽根木公園)