男がよくて剣がたつ天下の若殿松平長七郎が、足の向くまま気の向くままの旅の途中で、謀反を企む天草の残党に敢然と破邪の剣を振るう痛快時代劇
勘兵衛一家とよろず屋との争いを解決した長七郎は再び旅に出ることになった。やがて、高倉の城下が見えてきた。そこにはお千代の父親、花火師の伍助がいるという。折も折、山中の道で伍助と同じ花火師の金蔵が全身火傷で倒れていた。お千代が伍助の居場所を聞こうとしたその時、銃声がして金蔵は息絶えた。長七郎は不気味なものを感じたが、ふっと小径に現れた黒装束の一団を見ると単身変装して彼等の洞窟へ―。そこは、天草の残党大田黒一角、蘭学者唐津龍斎などが、高倉城の家老渋川軍太夫などと密かに謀反の旗揚げを企む処であった…。