少年死刑囚
しょうねんしけいしゅう

こんなシャバに未練はない!さあ殺してくれ!壁厚き獄舎内の全貌をキャッチした日本映画初のセミ・ドキュメンタリー問題作。

少年死刑囚・垂井浩を乗せた一台の護送車が、高い塀に囲まれた東京拘置所の門内に吸い込まれていった。第一審は死刑判決、第二審は控訴中である。車を降ろされた浩は部屋で尋問を受けた。しかし浩は看守長ら大人たちに無言のまま反抗の眼差しを向け、反省している態度は微塵も見せなかった。大勢の看守たちの力で、やっと浩は一〇三号の房に投げ込まれたが、それでも机を投げたり看守に歯をむいて飛び掛かったりする始末だった。それから数日後、浩は甲府地方検察庁に呼び出された。そこで検事は浩の犯した罪について追及する。「被告人は十八歳を超えたばかりの少年ですが、祖父母ならびに叔父夫妻を殺害した凶悪犯であります。それに反省の態度も全く見られず、その犯罪の社会的影響から最高の刑が妥当であると…」途端に浩は大声で叫ぶ。「馬鹿野郎!貴様たちに何がわかるというんだ!」怒気を含んだ声で必死に抗議する浩。それにはある理由があった。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/7/3
モノクロ/12巻/2845m/104分/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】府中市(府中刑務所・全景、同・表、同・内部)
【長野県】茅野市(茅野駅、宮川の堤防、豊平の田園)/諏訪市(上諏訪)
※日本映画で初めて府中刑務所内で撮影を行った。