六人の暗殺者
ろくにんのあんさつしゃ

幕末の血風吹き荒ぶ歴史的転換期の京洛の巷を舞台に、自由の狼火を掲げて混濁の世を斬る必殺剣!新国劇総動員の本格時代劇。

慶応三年、血なまぐさい風が吹きまくる京都の町では、通り魔の如く出没する六人の覆面姿が暗躍していた。土佐藩士・伊吹武四郎は、尊敬する坂本龍馬の隠れ家近江屋へ向かう道中、伊勢詣りの途中だという江戸の両替屋・佐吉と娘のお新に逢い、居酒屋へ入ったものの切れた鼻緒に不吉な予感がした。その頃、近江屋では龍馬と同藩の中岡が、刺客に一命を奪われてしまった。駈けつけた武四郎は、虫の息の中岡の一言で、覆面の六人組の仕業と知ったが正体は判らない。手掛かりは、新選組行きつけの料亭の庭下駄だけだった。武四郎は、形見となった短銃を握りしめ、復讐を決意した。ある日、当夜見廻り組の土屋久之助が慌ただしく江戸に立ったと聞いた武四郎は、直ぐさま後を追い、師である勝麟太郎の許で久之助に逢ったが、血曇り一つない彼の刀を見て落胆した。武四郎は、薩摩の藩士・花俣行蔵から犯人は新選組だと言われた。一方、お新の家は怪盗に襲われ、重傷を負った佐吉は死んだ。目的のために、佐吉親娘を振り切って京へと上った武四郎は、京の近くで謎の六人の中の二人に逢い、斬り捨てた。慶応四年、遂に薩長連合軍と幕軍が衝突した。薩長側に身を投じた武四郎は、新選組の頭首・近藤勇逮捕の報に接し訊問に赴いたが、当の近藤から「(龍馬暗殺は)薩摩が犯人だ」と言われ、あまりの思いがけぬことに愕然とした…。

日本
製作:東京プロ 配給:日活
1955
1955/6/5
モノクロ/108分/スタンダード・サイズ/11巻/2949m
日活