次郎長遊侠伝 天城鴉
じろちょうゆうきょうでんあまぎがらす

次郎長一家が伊豆の天城で大暴れ!島破りの吃安を救う男の心意気!「秋葉の火祭り」に次ぐ次郎長遊侠伝の第2弾。

秋葉を後にした清水の次郎長一家は、伊豆の天城の山裾が、ぐっと南へ延びた処、次郎長の実の父、船頭・雲不見の三右衛門が厚く信心をした石廊崎の権現にさしかかる。これは唐人お吉も、下田港にまだ名もない頃である。別に先を急ぐでもなし、のんびりと旅を続ける次郎長一家の清水の次郎長、法印大五郎、増川の仙右衛門、森の石松の一行は、此処で岩礁に働く海女に見とれながら、楽しい旅を続けて行く。ところがこの石廊崎の街道で一行の目にとまったのが、八丈島に遠島仰せ付けとなっていた、甲州無宿、武居の安五郎、通称・吃安が囚徒五名を引き連れて脱島、島破りの重罪を犯して、当地に上陸逃亡したと書かれた高札である。安五郎は甲州で一、二を争う大親分で、黒駒の勝蔵の兄貴分にあたり、秋葉で勝蔵に煮え湯を呑ませた次郎長一家には、少なからぬ怨みを抱いていた。この高札を見て恐れ戦いたのは村人達ばかりではない。次郎長一家の石松もその一人であった。なんとなれば石松も安五郎に劣らぬ大吃りだったからである。安五郎に追手をかけた役人達は吃りの詮索に余念がないのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/5/3
モノクロ/10巻/2641m/96分/スタンダード・サイズ
日活