落日の血闘
らくじつのけっとう

群狼に狙われた街道の宿場!唯一人で対決する男のスリルとサスペンスに満ちた二十四時間を描く異色時代劇。

街道に沿ったある町―。その町は熊蔵を親分とする「見てくれ一家」のために、日夜恐怖におののいていた。家業は破壊され、金持ちは脅迫される。娘手踊り一座の踊り子恵美は、熊蔵の子分手裏剣の銀次に貞操を奪われ発狂してしまう。その恋人善八も銀次に片腕を斬り落とされるというようなことが公然と繰り返される無法の町である。今日もまた熊蔵たちは娘手踊りの掛小屋に押しかけ、乱暴狼藉、暴れ放題仕放題。抗する座頭のお絹を手籠めにしようとする熊蔵の腕が、突然ひねり上げられた。意外な邪魔者に、お絹を捨てて素早く身構えた熊蔵の前に深編笠の浪人がスックと立っている。毛利安之助である。一斉にかかってくる「見てくれ一家」をビシリビシリと峰打ちで打ち据える腕の冴え。どうなることかと見守っていた町の人々は、日頃の憎悪を晴らそうと打ち据えられた一味に雪崩をうってかかっていく。お絹は鮮やかな安之助の勇姿に惚れ惚れと見入っていた。そして、役人に引かれて行く熊蔵と銀次の、安之助に向って浴びせる「覚えていやがれ、必ずお礼をしに行くからな」という怒声が気味悪く響くのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/5/24
モノクロ/10巻/2360m/86分/スタンダード・サイズ
日活
【静岡県】伊豆市(今井浜、萩の入り沼の河、下田に近い堀の内)