森蘭丸
もりらんまる

「人斬り彦斎」で好評を博した中村扇雀が、再び全国ファンの要望に応えて贈る!水も滴る前髪姿の美男小姓・森蘭丸の奇しき運命を描く、絢爛豪華時代劇巨篇。

天正十年、近江安土城に拠る織田信長の天下制覇は半ば完成していたが、未だ屈せぬ豪族もいた。しかし信長の夢は大きく、遠く海を越えて雄飛することを考えていた。信長が寵愛する小姓・森蘭丸の望みは、戦さで手柄を立て、今は明智光秀のものになっている宇佐山城を褒美に貰うことだった。十二年前、援軍として駆けつけた光秀が父を見殺しにした、忘れることの出来ない城だ。しかし蘭丸は光秀から「心の中では泣いてお父上に詫びていた」と宇佐山落城の際の話を聞く。その頃、小姓部屋では信長の蘭丸への寵愛を妬んで、彼を亡きものにしようという相談が進んでいた。信長、羽柴秀吉、光秀の列席する大広間で踊る蘭丸とおたきは、互いに惹かれていった。宴会が終わると、信長は愛妾おふじの方へ蘭丸を使いにやった。寝ずに一夜を明かした蘭丸は「おたき様は今頃上様が…」というおふじの言葉に蒼ざめた。その夜、小姓達に襲われた蘭丸はおたきの部屋にかくまわれ、互いの気持ちを確かめあった。おたきを抱きしめ「父に劣らぬ勇士となり、いつまでもおたき様と幸せに暮らします」と誓う蘭丸の顔は、いつになく晴々としていた。ところが、おたきのことを上様に話そうと決心した蘭丸の前に、おたきの侍女・渚が現れ、おたきが城を下ったと告げるのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/3/25
モノクロ/92分/スタンダード・サイズ/10巻/2514m
日活
【京都府】京都市(建仁寺)