坊っちゃん記者
ぼっちゃんきしゃ
自動車ギャングは背負い投げ!柔道五段の駆け出し記者も恋のウィンクには足払い!痛快無比の青春明朗篇

早朝の東都新聞社の電話機はあっちを向いたり、こっちを向いたりして大変ゴタゴタしている。その一つがけたたましく鳴り、その音に眼がさめた恭助がデスクの蔭から寝ぼけ眼をこすりこすりその電話を取ると、また一方が鳴り出す。そしてまたもう一つが鳴る…。その三つを一人でかわるがわる応答して、受話器を置くとさあ大変、特ダネニュースである。社旗をひるがえして、恭助は一路目的の現場へ—。ところが前方をライバルの新報タイムスの純平の車が走っている。猛然、ファイトを起こした恭助はフル・スピードで新報の自動車を引き離した。心中者の写真を貰って、現場から意気揚々と引き揚げた恭助は、金丸写真部長の所に写真を持っていくと、その写真を見ながら部長は大喝一声、「この馬鹿野郎!」と怒鳴った。それも道理、心中者の幼少の頃のものだったからである。恭助がデスクに戻るとまた電話、今度は自動車強盗である。とるものもとりあえず、出かけようとすると、部長の「一人前の顔をするな」という言葉は、気負い立つ恭助の心を挫くのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/3/4
モノクロ/10巻/2641m/96分/スタンダード・サイズ
日活
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