人口増加を憂い、人口抑制を主張する厚生大臣。だがその言葉とは裏腹に一家には次々と赤ちゃんができてしまう。川島雄三監督の日活移籍第一作で、戦後のベビーブームを皮肉った風刺喜劇。
戦後ベビーブーム。人口の増加を食い止めようと考えていた、時の厚生大臣・新木錠三郎は「受胎調節相談所設置法案」の施策を講じる。ところが厚生委員議会で人口軽減に関する大演説を行っていた頃、48歳になる蘭子夫人が産婦人科で妊娠を告げられていた!そればかりか新木家の長男・錠太郎は、かねてから秘かに恋愛中だった、父・錠三郎の秘書・五代冴子から愛のお荷物が出来たらしいと打明けられていた。その日から新木家には、てんやわんやの騒動が繰り広げられる。嫁入りして6年、いまだ子宝に恵まれない錠三郎の長女・和子は喜び「ママも錠太郎も遠慮いらないわ。私のところは赤ちゃんが欲しくて困っているのよ。赤ちゃんは私が育ててあげるから」と言ったものの、結婚式を控えた末娘さくらも、結婚が待ち切れず許婚の出羽小路亀之助との間に愛のお荷物が出来てしまっていた!しかも新木家の御隠居・八十歳になる錠造翁までもが、若い茶飲み友達との間に愛のお荷物ができかねない状況に。そんな中、京都へ遊説に行った錠三郎は、かつての恋人・貝田そめに訪問され、彼女との間に出来た子供の存在を知らされて愕然となる。新木家の人口は一躍倍以上にはね上ることになり、新木家の御婦人たちは一斉にお芽出たの日を待つばかりとなったが、日本の人口問題はどうなることやら・・・。