スチュワーデス殺しを追う私立探偵が麻薬組織と対決する。河津清三郎が私立探偵役を演じたハードボイルド・ミステリー。戦後製作を再開した日活における野口博志監督の再デビュー作で、鈴木清順(清太郎)が助監督を務めている。
香港から東京に向かう旅客機の中で、スチュワーデスの植田幾子は乗客から高額のライターを贈られる。その夜、幾子はナイトクラブ・グロリアで友人のみどりと暴漢に襲われるが、探偵・志津野一平に救われる。その翌朝、幾子がアパートの屋上から酒に酔って転落死したという記事が出る。記事を見た一平は不審に思い、みどりのアパートを訪れるが、部屋は荒らされバスルームは水に溢れ、彼女の行方はわからなかった。一平の助手・山中は幾子が可愛がっていた健坊に「幾子姉さんが殺されるのを見た」と言われるが本気にしなかった。みどりの行方を捜す一平はグロリアで京子という女と知り合った。グロリアを出た一平は怪しげな男・真田の後を追っているうち、棍棒の一撃をくらって気絶する…。