警察日記
けいさつにっき
東北の田舎町の警察に、日々転がり込む笑いと涙の人生模様!伊藤永之介の名作を得て俊鋭・久松静児が放つ文芸巨篇。宍戸錠が若い警察官役でスクリーン・デビューを果たした人情喜劇の佳作。

東北の田舎町にある警察署。ここには頑固親爺の石割署長、金子主任、赤沼主任、人情家で子沢山の吉井巡査、純情で思いやりの深い花川巡査、剣道自慢の署長の相手・薮田巡査、倉持巡査らが勤務している。刑事部屋には、毎日様々な人物がやってくる。今日も、窃盗容疑の桃代、神社荒らし疑いの貧しい馬車屋・岩太が取調べを受けている。駅前では、五人の子を戦争で失くしてから少し変わってしまった元小学校校長・村川老人が、いつものように号令調で交通整理をしている。ある日、吉井巡査は二人の捨て子、赤ん坊と六つくらいの女の子ユキコをみつけた。どこも二人を預ってくれず、赤ん坊は料亭の内儀ヒデに、ユキコは自分が引き取った。折も折、彼の家では六人目の子が生まれ、てんやわんやの真最中。花川巡査は、もぐり周旋屋・杉田モヨに身売りされかけたアヤを家まで送り届けた。病気の母をもつ彼女は、仕度金なしではやってゆけないと言う。再びモヨにそそのかされ、町に出ようとするアヤをまたも捕まえた花川巡査は、乏しい給料から工面したお金を握らせた。署内では、御神体の窃盗で金次が赤沼主任の取調べを受け、亭主に逃げられ万引をしたセイと息子・竹雄が倉持巡査に連行されて来た。モヨの身柄を巡る、警察と労働基準監督署との奪い合いに、職業安定所も加わり争奪戦。交通安全月間の町は、帰郷した通産大臣を乗せたジープと消防自動車で大騒ぎ。そして、吉井巡査の家ではユキコの姿が見えなくなり…。

日本
製作:日活 配給:日活
1954
1955/2/3
モノクロ/111分/スタンダード・サイズ/12巻/3040m
日活
【福島県】本宮市(阿武隈川・昭台橋)/二本松市(二本松駅前)/郡山市(磐梯熱海駅)/熱海町(岩代熱海温泉)/猪苗代町(猪苗代警察署前、長瀬川船場橋附近)/北塩原町(小野川湖)/磐越西線