女人の館
にょにんのやかた

女ばかりの家を舞台に老若女人群像の今日の愛情の在り方を描く、北原三枝入社第1回主演の明朗青春篇!

大学を卒業し、無事就職した丹野夫人の息子周一郎は、許嫁の万津子のもとを去って上京してしまった。周一郎の去った丹野家は今は全く女だけの館で、婆やを含めて六人の女性達が暮らしていた。この家の持ち主、丹野夫人はただ、自分の姪丹野万津子と周一郎との結婚を本領として、近親結婚、優性、劣性遺伝などという老婆の頭脳には向かない遺伝学の研究に夢中なのである。万津子は律儀でこの女人の館の掟に固執して近くの寺、海光寺の山門に彫りこまれた「葷酒おびたるもの、山門に入るべからず」式の掟を守っていた。江木高代なる女流画家は方言まじりのシュール・レアリストで、この館の住人達にはまるで判じ物の難解な画を描いて自画自賛の悦に入っている。風巻シズはある会社に勤める女事務員で色々会社で騒動を起こした挙句の果てに、職場結婚に甘んじた。そろいもそろって、これら怪女性の中に、一人、憧れというよりむしろ、彼女等からみれば余りに女性的な南部光江は、とある大学の研究室に勤めているインテリ娘であった。この女人の館に、突然、周一郎の学校長からの話しだからといって、矢田八郎という男性が新しい住人として二ヵ月契約で住み込むことになるのであった。

日本
製作:日活 配給:日活
1954
1954/11/23
モノクロ/10巻/2764m/98分/スタンダード・サイズ
日活
【東京都】中央区(銀座)/千代田区(東京駅・丸の内口)/新宿区(聖徳記念絵画館前)/港区(赤坂離宮)
【兵庫県】神戸市(三ノ宮駅・ホーム、同・駅前、兵庫区五宮町・祥福寺境内、生田区・三本松不動附近(白川渥邸近所)、相生町、神戸港)/西宮市(甲陽園・播半(はりはん))