からたちの花
からたちのはな

日本が生んだ最大の詩人・北原白秋の少年期から青年期にいたる詩情に満ちた半生を描いた青春抒情篇。

北原隆吉(白秋)の家は、九州・柳川で酒造、海産物の古問屋として手広く商売をしていた。隆吉には、両親が勝手に決めた許婚の雪枝というお寺の娘がいたが、彼は時子という女学生が好きだった。ある日、学校からの帰途、時子に逢った隆吉は学校が面白くないと不満をぶちまけた。というのも、隆吉にとって信用できる人格を持った先生がいないからで、殊に時子の家によく出入りする英語の長部先生などその一人であった。そうした折、隆吉は小島先生の数学の時間に「みだれ髪」を読んでいるのを見つけられ、文弱の徒と激しく罵られたうえ、本を地面に叩きつけられた。これに憤慨した隆吉は、清介、松尾など学友のなだめも聞かず家に帰ってしまった。彼にとって最大の生命である詩が汚されたことが我慢できなかったからである。一ヶ月の停学になった隆吉は、父の長太郎からも激しく怒られたが、停学になっても真の人間の値打ちに変わりはないと優しくいたわってくれる母親のしげだけが、自分の詩人になりたいという気持ちを判ってもらえるような気がして心強かった。

日本
製作:日活 配給:日活
1954
1954/10/26
モノクロ/10巻/2537m/92分/スタンダード・サイズ
日活
【静岡県】伊豆市(長岡温泉)
【福岡県】柳川市(柳川掘割、高畑公園、沖ノ端町、三明橋、沖ノ端漁港、鋤崎土居、筑紫橋、曙町、白秋詩碑、三柱神社、六騎、椿原町、新町水門、檀平橋、川尻、真勝寺、水産橋、両開水天宮、沖端水天宮、三橋町・吉開食品の味噌蔵前、矢留小学校、白秋道路、西浦町 他)
【長崎県】島原市(島原城跡)/雲仙