沓掛時次郎
くつかけときじろう

戦後製作を再開した日活が『国定忠治』に次いで公開した股旅時代劇。長谷川伸の名作を新国劇スター総出演で映画化し、辰巳柳太郎と並ぶ新国劇の大スター、島田正吾が当たり役を演じている。

一宿一飯のヤクザの義理から、何の恨みもない六ツ田の三蔵を斬った沓掛時次郎。彼は息も絶え絶えの三蔵の口から、身重の妻・おきぬと子供の太郎吉のことを頼まれ、二人を無事、おきぬの実家へ送り届けることを約束する。仇同士の3人の旅は不思議な矛盾と共に続けられた。おきぬは時次郎が憎かったが、太郎吉は優しくしてくれる時次郎が好きだった。義理を超え、親身になって二人を労わる時次郎の姿に接するうちに、いつしかおきぬの心に愛情が芽生えていく。

日本
製作:日活 配給:日活
1954
1954/7/27
モノクロ/99分/スタンダード・サイズ/11巻/2721m
日活