土と兵隊
つちとへいたい

「爆音」に次ぐ田坂具隆監督作品。生々しさと迫力のある戦闘、そして根底に流れるヒューマニズムを描く。原作は文藝春秋所載の火野葦平の小説。

日没直前の陽光を受けて輸送船隊が堂々と進航していく。その船内では兵隊たちが思い思いの時を過ごしていた。身内に手紙を書く者、酒を酌み交わす者、軍歌を歌う者もある。それぞれ皆気持ちは張り詰め、敵地上陸を前に緊張を隠せなかった。玉井伍長はそんな十三名の部下たちにゆっくり休むよう伝えたが、眠りにつける者は一人もいない。やがて漆黒の闇の中、目的地の浅瀬に上陸したが、すぐさま敵の機関銃の音が響いて玉井隊は直ちに応戦の火蓋を切った。泥にまみれ、休むことの許されない戦いを続けながら玉井隊は日をかけて少しずつ前進していったが、ある日、仲間の一人が敵の弾に倒れた。

※1968年7月25日再公開時は119分。多摩川の撮影隊は百余有日にわたって中国大陸にロケーションを行なった。高品格のデビュー作(高品直吉名義)。

日本
製作:多摩川撮影所 配給:日活
1939
1939/10/14
モノクロ/155分/スタンダード・サイズ/18巻/4249m

<ご注意>
戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。

日活