初姿人情鳶
はつすがたにんじょうとび
火事と喧嘩は江戸の花!咲かすか、め組の金八男花!
『三味線やくざ』に次ぐ衣笠十四三監督作品(時代劇)
ジャンとひとたび半鐘が鳴れば、炎が燃え盛るなか生命の纒を屋上にかざし、その身がただれようとも降りることの出来ないのが纒持ちの鉄則。それを守り通そうと悲壮なる覚悟で纒をふりかざす三河町藤松に、め組の鳶師達は早く降りろと叫んだが、藤松は纒をふりかざし続けた。もはや彼の生命は焦熱地獄に落ちるものと見えた時、屋根へかけ上がって藤松を助けたのは、め組の四天王の一人で、喧嘩早いためその名がついた喧嘩屋金八だった。金八はその夜、焼け跡の警戒をしていたところ、鶴乃という浪人の娘が死のうとしているのを見つけた。訳を聞くと、父が生活難から鶴乃の身を抵当に五十両の大金を借りたのだが、この火事で失ってしまったという。たった一人の父と五十両の金を失い、何の望みあって生きて行けよう...と言うのだった。根が江戸っ子魂でかたまっている金八は「よし、まかしておきねえ」と引き受け、鶴乃を家へ連れて帰った。しかし、鳶師風情に五十両はおろか、五両の金も出来ないだけでなく、あと十日のうちに五十両出来なければ、鶴乃は吉原へ売られてしまう。金八は鳶師に御法度のばくちに手を出し、破門されながらも鶴乃を教おうとあらゆる金策に廻るが-。
日本 製作:京都
日活
1938
1938/12/31
モノクロ/56分現存分数55分/スタンダード・サイズ/6巻/1529m
<ご注意>
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日活