弥次喜多道中記
やじきたどうちゅうき

十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」をベースに小国英雄が執筆したオリジナル脚本を、マキノ正博監督が片岡千恵蔵・杉狂児主演で映画化した痛快オペレッタ。

江戸を出て東海道を旅する遠山金四郎は、箱根の関所あたりまでくると町人姿も板についてきた。同じころ、江戸中を驚倒させた鼡小僧・治郎吉は、追手・傳七の十手から逃れるため旅に出ていた。一方のんきな旅をしていた弥次さん、喜多さんは、峠の茶屋で食物の賭事でインチキにあい、目を白黒させていた。この光景を見ていた先客の治郎吉と金四郎は江戸以来の奇遇だったが、二人ともに素性に気が付かなかった。宿の女中が弥次郎兵衛、喜多八の笠と間違えたため、同行人と思われた金四郎と次郎吉。ここに、弥次喜多が出来上がった。金四郎と次郎吉が働く芝居小屋の一座から、おつたとお雪が拉致されたが、二人は快漢によって救い出された。それは金四郎扮する弥次郎のお陰だった。死の枕にあるおつたには、会いたい願う人がいた。それは、おつたが九才の時、親子三人の危機を救ってくれた和泉屋治郎吉だというが、喜多八になりすましている治郎吉は、そのことを知らせなかった。金四郎と次郎吉は一座と別れるとき、姉妹の悲しい話を座頭から聞き、母に二人を渡してあげようとしたが、母親は居なかった。金四郎は姉妹を治郎吉に託し、お江戸日本橋の上で一年後の今月今夜の再会を硬く約束するのだった。-金四郎が南町奉行として治郎吉召取の報告を部下から聞いていたのは、再会を約束した日。さて、二人は今日会えるだろうか?

日本
製作:京都撮影所 配給:日活
1938
1938/12/1
モノクロ/97分/スタンダード・サイズ/10巻/2672m

1956年12月5日新版公開。現存96分。
<ご注意>
戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。

日活