母校の花形
ぼこうのはながた
「恋愛べからず読本」に次ぐ千葉泰樹監督のトーキーで明大ラグビー部出身の笠原恒彦が主演。「これも選手だ」改題
あらすじ 城西大学のラグビー部は好敵手城東大学との対校試合で常に苦杯をなめているので応援団長は一度勝たぬうちは断じて卒業せんと頑張って、毎年わざと落第して選手たちを励ましていた。しかし今年のチームは俊足の北山主将をスリークォーターに控え、部員一同秋から猛練習したおかげで良くチームワークも取れ今年こそはと張り切っていた。万年補欠の桶川も卒業するまでには一度出場したいものだと一生懸命練習するのだがどうも運動神経が鈍いのか相変わらずへたくそで北山も大弱り。「可哀そうだがオケさんにはやはり飯炊き係をしてもらおう」ということになった。北山がある日練習を終えて合宿所へ引き上げてくると妹の千代子から速達が届いていた。奉公に出ている弟の二郎が悪友にそそのかされ、店の金を百円使い込んでしまい、もし返済できない場合は弟の身が危険だとの話。ふとしたことからこの手紙を読んだ桶川は自分が預かっている合宿費の中から一時百円を借り出して北山からの使いだと言って千代子の処へ届けてやった。お金が工面できない時は自分が芸者にでもなってと腹を決めていた千代子は涙を流さんばかりに喜んだ。しかし翌日から合宿の食事は芋や大根や豆ばかりの精進料理の連続で選手たちは大憤慨。千代子からの手紙で桶川の苦心を初めて知った北山は心から感謝し、彼の好意に対してぜひ勝たなければと猛練習を続けた。何も知らない選手たちは毎日肉を食わせろと責め立てるので、桶川は近所の肉屋の御用聞きになって給料の代わりに毎日肉をもらうことに決めて選手たちを肉責めにした。一同は大喜びで張り切って練習した。かくして試合の当日がやってきた。北山の奮闘で遂に城西大学が勝利し、街で聞いていた桶川もうれし泣きに泣いてしまった。
日本 製作/多摩川撮影所
日活
1937
1937/4/1
モノクロ/スタンダード・サイズ/6巻/1494m/54分
<ご注意>
戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。
日活