栗山大膳
くりやまだいぜん
『お祭佐七』についで池田富保が監督した、大河内傳次郎主演の超特作。
江戸幕府の諸国外様大名取り潰し策など辛辣を極めた寛永年間。博多五十二万石黒田家では城主・黒田忠之の乱行が日増しに募り、家老・栗山大膳の心痛は一方でなかった。忠之は愛妾お秀の方の妖笑に溺れ、奸心毛谷主水を近づけ、諫言に及ぶものがあれば手討ちにした。幕府の隠密は城下に潜み、城主の乱行を悉く江戸表に報告した。大膳は遂に長崎に遠ざけられた。忠之はお秀の方の言を容れ軍学者有川駿河を偽り一万石船の設計図を提出させ直ちにその建造に着手させた。幕府禁制の万石船建造の報は長崎の大膳にも飛んだ。御家の一大事と早駕籠を飛ばせて駈けつけた大膳は完成に近づいた軍船を焼き払った。忠之は激怒し遂に大膳を退け毛谷主水を首席家老に直した。暗然とした大膳は一門郎党を従え城下を退転したが、苦衷の大膳は主君忠之を相手取り幕府に訴え出た。前代未聞の大珍事である。ある者は大膳を不忠と叫んだ。やがて大膳の訴えは通り、主家は安泰となった。大膳は主君を訴えたことにより流罪となったが、その顔には晴れ晴れとした色が見えていた。
日本
製作:京都撮影所 配給:日活
1936
1936/11/12
モノクロ/96分/スタンダード・サイズ/10巻/2647m

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日活