たましい
「慈悲心鳥」に次いで渡辺邦男が監督、岡譲二・星玲子・花井蘭子が共演するギャング映画
あらすじ 巷の与太者・城木幹也は恋人の八重子や友人山田三郎の心配をよそに、今日も街のバーで数名の無頼漢相手に喧嘩をして帰って来た。ダンサーとして働いている八重子は幹也の顔を見るにつけ、たとえ月給三十円でもいいからもっと真面目な生活に入ってくれるようにと願っていた。古傷がたたり警察でしばらく過ごした幹也は迎えに来た八重子と三郎と共に門を出ると、一台の自動車が子供を轢いて走り去っていった。自動車番号によってその持ち主を知った幹也は三郎と二人で政治家・二階堂の屋敷へやって来たが思いがけない二階堂の処置に感激し、二階堂の懇望により同家の書生になる。甦生の意気に燃え真面目に働いている幹也にとってただ一つ心苦しいのは行きがかり上夜学へ通っていると嘘をついて、毎夜いやでも外出しなければならなかったことである。八重子はダンスホールで津山という嫌な客と喧嘩してからホール通いをやめ、今では真面目にお店通い、三郎も鉄工場で働き始めた。二階堂の令嬢緋紗子はよく雑誌の口絵等に出る評判の美人だったが、その許嫁があの津山と聞いて幹也は驚いた。ある日、外出先から帰った幹也は大切な坊ちゃんが暴力団に誘拐されたと知って、単身敵地に乗り込んで身に傷を負いながらも、坊ちゃんを助けることができた。緋紗子をはじめ一同の手厚い看護を受けすっかり健康を取り戻した幹也は、最早暗い過去の心の傷も去り、何もかも承知の上で彼を信用してくれる二階堂の計らいにより二階堂の会社において重要な社員として輝かしくも甦生するのであった。
日本 製作/多摩川撮影所
日活
1936
1936/8/14
モノクロ/スタンダード・サイズ/9巻/2375m/87分
<ご注意>
戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。
日活