昇給酒合戦
しょうきゅうさけがっせん
「恋は雨に濡れて」に次いで千葉泰樹が監督する喜劇で、杉狂児・星玲子が若夫婦を演じ、星ひかる・吉谷久雄・見明凡太郎ら芸達者が脇を固めている
あらすじ 勤め先の天野リノリューム会社が他の会社に合併されることとなった松崎隆二は、元来気弱でくそ真面目な男で同僚の社員たちにはてんで問題にされないし、妻の房子にも尻に敷かれている。房子は夫の安月給をキリキリに詰めて貯金箱を眺めて喜んでいた。会社の整理が始まって、浅田老人が真っ先にやられた。悄然と去る浅田を追った隆二は親切に彼を慰めた。老人は眼をしばたいて隆二に副業としてヒヨコを飼えと進めて去った。会社の馘の嵐が一段落ついて今日は飲めや歌えやの大園遊会。伯父から押しが第一主義を教えられた腕を発揮するのはこの時だと隆二は同僚のあっと驚くのを尻目にあらゆる珍術を演じ、挙句の果てに社長まで散々な目に合わせた。次の日隆二は会社を馘になった。失業した隆二は職を求めて街へ出ると、そこで偶然ヒヨコを売っている浅田老人に出会った。「酒だ」と二人はそのまま待合へ繰り出して大騒ぎを始めた。同じ待合へ偶然女を連れ込んだ社長は暴力団の大熊と鷲塚の二人に発見され怒鳴り込まれ、ほうほうのていで押入れに逃げ隠れた。そんな事とは知らずいい機嫌になった隆二は伯父仕込の満州の腕を振るって、暴力団に今後絶対天野リノリューム会社へ行かぬと謝らせた挙句、ヒヨコを飼え!と教えた。その晩、一緒に飲んだ社長と隆二、勿論二人とも相手が誰だか分からぬ位グロッキーだ。酔いが醒めて次の朝帰り、房子に襟首を取られている時、ニコニコして天野社長が訪れた。その手に「社長秘書」の辞令を持って…。
日本 製作/多摩川撮影所
日活
1936
1936/7/9
モノクロ/スタンダード・サイズ/7巻/1884m/69分
<ご注意>
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日活