漕艇王
そうていおう
「未来の出世」についで内田吐夢が監督した廣瀬恒美主演のカレッジ・スポーツ物。
あらすじ ボート競技の名整調手(ストローク)として自他共に許している望月は高等学校を卒業するとすぐA大学漕艇部から招聘され、親友の林共々部員となった。A大学とL大学の対校競技のある毎に、その機密を探っては相手方に売って生活している銀座の紳士たちがいた。ふとしたことから望月は彼らを懲らしめたのが学長やその姪・美津子の信望を得るところとなったが、紳士たちは逆恨みして望月を陥れようと、美津子が望月を誘ってピクニックに出かけたところを尾行して二人の写真を撮った。対校戦前の猛練習は続き、いよいよ競争3日前の最後の練習日となったその朝、望月は美津子からまたピクニックの誘いの手紙を受け取った。大事な日なのにと思いながら約束の場所へ出向いたが、美津子は来ていなかった。一方、選手たちは望月が来ないので練習もできなかった。翌日、A大学の必勝会が挙行され宴もたけなわのその時、一通の手紙が望月の最後の練習欠席理由を報せてきた。それはある職業婦人とピクニックに行ったためであるとして入念に望月が女性と一緒の写真まで添えられてあった。居合わせた学長は直ちに望月の除名を命じた。競争の当日、代漕は林がつとめることとなったが、勝負は危ぶまれていた。その時、美津子が紳士たちの悪計を探知して学長に告げた。競争が今や開始されようとしたとき、望月は許されて出場しA大学の大勝利となった。

※ボートレースの場面は1927年5月4日、京都より東上して向島撮影所を拠点にした内田監督以下二十余名のスタッフにより、明治大学短艇部の協力のもと隅田川上流において撮影された。
日本 製作/大将軍撮影所
日活
1927
1927/6/5
モノクロ/スタンダード・サイズ/8巻/2154m/無声
<ご注意>
戦前の製作作品(1942年以前)は、資料の不足などの事情により、当HPのデータの内容が必ずしも正確なものとは限りません。
※写真2枚目は廣瀬恒美ポートレートで「漕艇王」のスチルではありません。
日活