スタッフコラム「フォーカス」へ、ようこそ!当コラムでは、日活作品や当社が関連する事業などに従業員目線で"焦点(フォーカス)を当て" 様々な切り口でその魅力をお伝えします。vol.13は、"違法動画" にフォーカス。映像作品の楽しみ方が多様化する今、あらためて「作り手の"魂"が宿った作品を、正しい形で皆様の元に届けたい」そんな切なる思いを込めて。
*本コラム公開時に掲載した動画が契約満了に伴う閉鎖で非公開状態となっておりますが、ご容赦ください。代わりに、コラム後半に新たなリンク先などをご案内しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
2020年、世界中を襲った「目に見えぬ敵」によって私たちの日常は、当たり前だった風景は、一変しました。最前線で戦う医療従事者の方々をはじめ、テレワークが成り立たない業種の方々も多数いらっしゃいますが、この危機を乗り越える対策として、行動変容、働き方の見直し、度重なる時短・休業要請、制限措置などが、今なお叫ばれています。
映画業界では、1回目の緊急事態宣言が発出された昨年4月、映画館が全国的に営業休止となり、多くの作品が公開延期。宣言解除後は感染対策を講じて営業再開されましたが、結果的に2020年の興行収入は、前年のほぼ半減(出展:一般社団法人日本映画製作者連盟)という厳しい状況に陥りました。
一方で、動画配信サービスの市場は拡大。外出自粛要請期間中や、働き方の見直しによって自宅で過ごす時間が長くなり、映像作品を自宅で楽しまれる機会が増えているようです。
時代の変化とともに、映像作品の楽しみ方の選択肢が広がるのは素晴らしいことですが、同時に、文化の発展に水を差す「違法動画」が後を絶たない状況は、映像産業において見逃せない深刻な課題です。
映画やドラマは、ときに笑い合える友人として、ときに心に寄り添ってくれるパートナーとして、ときに気づきを与えてくれる経験豊かな先輩として、人生に彩りを与えてくれます。
1912年、日本で最初の映画会社として産声をあげた日活の長い歴史のなかで、様々な作り手によって生み出されてきた魂のこもった作品が、正しい形で皆さまに届くよう、「違法動画」の何がいけないのか? 私たちの思いが伝われば幸いです。
違法動画とは?
著作権者の許諾なく、動画サイトやSNSなどインターネット上に投稿された映画やテレビ番組、楽曲使用などの動画のことです。これは、「著作権」を侵害するもので、"侵害コンテンツ" "違法コンテンツ" などと呼ばれます。
著作権に関するルールは「著作権法」に定められ、著作権を侵害すると、刑事上、民事上のペナルティが科されることがあります。
ここまで読んで「ん?自分は大丈夫かな...」と、ご自身の行為が不安になる方も、中にはいらっしゃるかもしれませんね。
では、どのような行為が問題なのか、具体的にみていきましょう。
Q. クイズ!どれがダメ?
さて、問題です。次の行為のうち、アウト!なものはどれでしょう?
正解は...
↓
↓
↓
↓
↓
全部、アウト!
すべて 「著作権法」 に違反する行為です。(4は、肖像権侵害にあたる可能性も)
もしかしたら4~6の行為は、悪気なく、ついやってしまっていた...という方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?では、これらの行為が、なぜいけないのか?
まずは、「著作権」に関するわかりやすい動画をご紹介します。
文化庁は、株式会社サンリオの「ハローキティ」を著作権広報大使に任命、「ハローキティ」が著作権とその保護の大切さを訴える著作権普及啓発動画を製作していますので、ご覧ください。
*本コラムは 2021.6.25 に公開したものですが、文化庁とハローキティの著作権広報大使の契約満了に伴い、啓発動画も閉鎖されました。コラム内の動画は非公開となりましたが、後半に文化庁「海賊版対策情報ポータルサイト」や動画「【完全版】みんなで考えよう!著作権と海賊版」をご案内いたしますので、そちらをご覧いただけますようお願いいたします。
キティちゃんからのお願いで「著作権」について、だいぶイメージできてきたのではないでしょうか?
では、「著作権法」に違反すると、どうなるのか?罰則の可能性や将来的な影響など、少し掘り下げていきましょう。
★★ご注意★★
法律上、一定の「例外的」な場合の著作権制限というものがありますが、本コラムは、悪質な投稿を対象としています。また、法人が「著作権法」に違反した場合の罰則については、省略しています。「著作権」や「著作権法」についてもっと詳しく知りたい方は、ページ後半のリンクより各サイトをご確認ください。
!)著作物の無断アップロードは、著作権の侵害。「著作権法」に違反し、刑罰の対象となる犯罪行為です。
【刑事罰(著作権法第119条第1項)】10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金。または、これを併科。
民事上では、侵害行為の差止や損害賠償、不当利得返還が請求される可能性もあります。
!)著作物の改変物の作成・提供も、著作権の侵害。「著作権法」に違反し、刑罰の対象となる犯罪行為です。
【刑事罰(著作権法第119条第1項)】10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金。または、これを併科。
民事上では、侵害行為の差止や、損害賠償、不当利得返還が請求される可能性も同じくあります。
!)違法動画が衰退しない
違法動画を観たり、「いいね」することで、法律を犯している悪質な投稿者が利用料や広告収入を得ています。著作権者の請求によってコンテンツが削除されても、観る人がいる限り何度でも彼らは違法アップロードを繰り返し、違法動画が衰退しない悪循環になっています。違法動画を観る前に、観れば観るほど、悪質な投稿者が大きな利益を得ていることを思い出しましょう!
!)新たなコンテンツ創出の機会、文化の発展の喪失
違法動画によって悪質な投稿者が得た報酬が、著作権者に還元されることはありません。違法動画の横行によって、著作権者が本来得るはずの適切な報酬を得られず損害が大きくなると、新たなコンテンツを生み出す機会や文化の発展の喪失に繋がります。
!)違法動画であることを知りながらダウンロードするのも「著作権法」に違反し、刑罰の対象となる犯罪行為です。
【刑事罰(著作権法第119条第3項)】2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金。または、これを併科。
民事上では、侵害行為の差止や不当利得返還、損害賠償が請求される可能性もあります。
!)リーチサイト規制を盛り込んだ著作権法の改正(2020年10月1日施行)
リーチサイトとは、侵害コンテンツを掲載したウェブサイトへの誘導サイト。リーチサイトやリーチアプリの提供も、リーチサイトやリーチアプリにおいて侵害コンテンツへのリンクを提供する行為も、刑事罰の対象となります。
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<サイト運営者やアプリ提供者>
【刑事罰(著作権法第119条第2項第4号及び第5号)】5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金。または、これを併科。
<リーチサイトやリーチアプリを利用したリンク提供者>*故意犯のみ
【刑事罰(著作権法第120条の2第3号)】3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金。または、これを併科。
民事上では、リンク情報等の削除や損害賠償が請求される可能性もあります。
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!)個人情報が盗まれる可能性も!
悪質な動画サイトは、ウイルス感染の危険もあります。動画を再生しなくても、サイト自体にウイルスが仕込まれているケースや、視聴中の偽広告をクリックすることで感染するなど、いくつかのパターンがあります。大切な個人情報が盗まれれば、その影響は自分だけの問題では済まされない場合もあることを忘れてはなりませんね。
ここでもうひとつ動画をご紹介します。
近年、海賊版による著作権の侵害が多発し、クリエイターなど作品を作った人が被害を受けています。正規品を利用することで、本当に作品を作った人を応援できるように、著作権広報大使である 「ハローキティ」 を利用した海賊版についての意識啓発動画(製作:文化庁)も、是非ご覧ください。
*本コラムは 2021.6.25 に公開したものですが、文化庁とハローキティの著作権広報大使の契約満了に伴い、啓発動画も閉鎖されました。コラム内の動画は非公開となりましたが、後半に文化庁「海賊版対策情報ポータルサイト」や動画「【完全版】みんなで考えよう!著作権と海賊版」をご案内いたしますので、そちらをご覧いただけますようお願いいたします。
さて、今回のフォーカスでは、「著作権法」に違反する行為や刑事上、民事上のペナルティの可能性などをお伝えしてきましたが、普段あまり深く考えず、何気なく行っていた行為が、実は著作権を侵害していたかも...と肝を冷やした方も、もしかすると、いらっしゃるかもしれません。
著作権侵害による被害は甚大で、CODA(コンテンツ海外流通促進機構)は悪質な投稿者の実態調査を始めています。法的措置が取られれば、著作権侵害による逮捕の可能性もあるのです。
法律についてあまり専門的なことまで踏み込んでしまうと、かえってわかりづらくなってしまう心配があるため、本コラムでは、ごく簡単な説明にとどめましたが、著作権の大切さに触れていただくことで、作り手の魂に思いを巡らせ、これからもマナーを守って作品をお楽しみいただければ嬉しいです。
「違法動画は、あげない、みない、おとさない!」
人生に彩りを与えてくれる様々な作品が、この先もずっと、皆さまに届きますように。
★★新規追加★★
非公開となってしまった動画の代わりに、文化庁の関連サイトを新規追加でご紹介します。
▼海賊版対策情報ポータルサイト
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/kaizoku/teachingMaterials.html
▼【完全版】みんなで考えよう!著作権と海賊版
(vol.13 広報担当 "S")
■■リンク■■
・著作権法一部改正の説明資料(文化庁公式サイト)
・NHKニュース7放送、「ファスト映画」取材について(CODA公式サイト)
・著作物を無断で使うと?(CRIC公式サイト)
・DVDのリッピングは違法です!(JVA公式サイト)
・不正アップロード防止キャンペーン(衛星放送協会公式サイト)
・映画作品、BD/DVD商品、最新の動画配信作品、アニメ作品は、各ページをご覧ください。
・映画・チャンネルNECO、MEN'S NECOは、各公式サイトをご覧ください。
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