殺しの烙印
デジタル復元版
第79回ヴェネツィア国際映画祭
クラシック部門 最優秀復元映画賞受賞
アジア映画で初受賞の快挙
第22回釜山国際映画祭



<清順美学>が全編に緊張感と笑いを孕む異色のハードボイルド。
異才・鈴木清順監督の唯一無二の問題作!
プロの殺し屋ランキングNO.3の花田は、組織の幹部を護送する途中でNO.2とNO.4の殺し屋たちに襲撃されながらも任務を終え、殺し屋NO.2へランクを上げる。さらに上を目指す花田だったが、次の仕事で失敗すると、組織は美女・美沙子を差し向ける。惹かれ合う二人―。一方、花田は殺し屋NO.1・大類ともトップの座を賭けて対決することになり…。
クエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュ、デイミアン・チャゼル、ポン・ジュノ、ウォン・カーウァイ…、多くの海外の監督からもリスペクトされる鈴木清順のスタイリッシュな魅力にあふれる異色のアクション映画。
- 監督:
- 鈴木清順
- 出演:
- 宍戸錠 南原宏治 玉川伊佐男 真理アンヌ 小川万里子 大和屋竺
- 脚本:
- 具流八郎
- 音楽:
- 山本直純
1967年/モノクロ/91分/シネマスコープ・サイズ
『幕末太陽傳』は大好きなシャシンです。
個人的にはエヴァテレビシリーズ制作後に観たので、感動もひとしおでした。
渇いた人生観と粋な世界観にシビレます。
そしてラストシーン、撮影所の外に走り去って欲しかったと切に願います。
※『幕末太陽傳』デジタル修復版上映時(2011年)コメントより
庵野秀明(監督・プロデューサー)
大胆不敵なエンターテインメント。
スリラー、ノワール、スパイ、エロティシズムー。様々なジャンルが縦横無尽に行き来している。
復元によって素晴らしさが際立った『殺しの烙印』は今こそ再発見されるべき名作だ。
ヴィンセント・ポール=ボンクール(フランス カルロッタフィルムズ代表)
『カンゾー先生』の現場では、右も左もわからないまま馬車馬のように手伝いをさせられました。
今村監督の死後に聞いた話ですが、あの新人をこき使ってくれ、容赦なく。とお達しがあったようで。
デビュー作でとんでもない洗礼を浴びました。でも、その身に染みた体験は映画・演劇・ドラマ作りの原点となりました。
北村有起哉(俳優)
名作が並ぶ中議論は白熱しましたが、最終的には満場一致で今回の決断になりました。
『殺しの烙印』のスタイリッシュさ、そして1ショット1ショットの力強さには、
本作を選ばざるを得ないと思わされる、作品の力と説得性があったのだと思います。
今回の受賞が、本作に新たな命を与えることを祈っています。
ジュリオ・バーゼ(ヴェネツィア国際映画祭・クラシック部門審査員長)
"お米を炊いた匂いフェチの凄腕殺し屋"が主役の映画に
世界中のトップクリエイターが虜になっている!
音楽と完全にシンクロしたリズムとトリップ演出を過剰摂取できる唯一無二の劇薬映画。
『殺しの烙印』を観た後ほかの作品が刺激不足になったらゴメンなさい!!
しんのすけ(映画感想TikToker)
「なんか逆らいたい」と言う『㊙色情めす市場』の主人公には誰にも屈しない気高さがあり、丁寧に撮られた西成の町を生命力のある野良犬みたいに駆けていく。
微かな希望と確かな絶望を感じる作品で、忘れられません。
たなかみさき(イラストレーター)
『乳房よ永遠なれ』
母、妻、友、恋人、そして歌人。
多面的な人物像がプリズムの如く乱反射。
人生の豊かさへ手を伸ばし、最期まで生き切る女の濃密な時間が胸迫る。
映画の黄金時代を特等席から肌で知る絹代の演出は、端正で時に大胆だ。
林瑞絵(映画ジャーナリスト)
何故今まで話題になっていなかったのか。
我々はやっと田中絹代監督の偉大さを発見した。
クリスチャン・ジュンヌ(カンヌ国際映画祭・代表補佐)
ずば抜けてモダン、日本の至宝・山中貞雄。
現代的見やすさ、洒落たユーモア、アニメのようなケレン味。
「百萬両の壺」は軽快な人情コメディ時代劇だ。
湯浅政明(アニメ制作者)
映画を超越して神話を紡いできた唯一無二の存在、今村昌平。
人間のあらゆる業を炙り出し、我々は何者なのかと問う迫力に慄く。
もう二度と、こんな映画は創造できないと断言できる。
李相日(映画監督)
誰にも予想できない、そんな雪を降らす奇蹟を起こすことができるのは神、と言って悪ければ、
この世界と山中貞雄だけしかいない、ともう何度も確信してきた。
※『山中貞雄日活作品集 DVD-BOX』ブックレット(『河内山宗俊』)より抜粋
青山真治(映画監督)