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山﨑努さんと樹木希林さんが出会いから56年の時を経て、映画『モリのいる場所』にて夫婦役で奇跡の初共演!
2017年10月10日(火曜日)

日本を代表する名優・山﨑努さんと現在の日本映画をけん引する沖田修一監督がタッグを組む映画『モリのいる場所』に、樹木希林さんが、山﨑さん演じるモリを支える妻・秀子役で出演することが発表されました。

唯一無二のキャリアを築き、日本を代表する名優と称される山﨑さんと樹木さん。おふたりは、樹木さんが「文学座」に入団した1961年に出会いますが、これまで共演はありませんでした。出会いから56年の時を経て、大スターと個性派女優が、夫婦役で初共演を果たします。

本作は、97歳で没するまで30年もの間ほとんど家の外へ出ることなく、ひたすら自宅の庭で動植物を観察し続け「仙人」と呼ばれた伝説の画家・熊谷守一氏(通称:モリ)のエピソードを元に、晩年(94歳)のある1日をフィクションとして描く作品。

山﨑さんは樹木さんについて「演技は圧巻。胸が熱くなった」と手放しで絶賛し、樹木さんは「私は普通の妻のように生活できました」と少女のように喜びます。まだ完成前ですが、俳優として相思相愛、尊敬し共鳴しあうおふたりの演技は、数多くの名シーンを生み出しています。

▼写真は、若い写真家の求めに応じて、縁側にてポートレートのポーズをとるモリと秀子。

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


撮影にあたって、山﨑さんと樹木さんは、ともにクランク・イン前から演技のみならず、衣装やメイク、小道具といった細部にいたるまで、知識・経験・アイデアを惜しみなく注ぎ、大いに刺激を受けた沖田監督はじめ若いスタッフとともに、猛暑の中の撮影を乗り切りました。

モリと秀子のやりとりにクスクス、夫婦愛にほろり、最後には温かな幸せな気持ちにさせてくれる『モリのいる場所』。完成は2017年秋予定です。

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


■山﨑努さん(80歳)コメント

(樹木希林さんについて)夫人役の樹木希林さんとは初めての共演だった。特別優れた才能は知っていたが、予想以上、はるかにすばらしい女性俳優だった。さり気なく庭の小さな野花を摘み、全身を弾ませて祝福するようにモリカズに投げる演技は圧巻で、見ていて胸が熱くなった。七六歳の老妻が少女になっていた。以前から体調が良くないと聞いていたので心配したのだが、とんでもない、僕より数倍も元気。真夏の暑い湘南のロケ地に自分で運転して通ってくる。アシスタントもマネージャーもいない。何もかも一人でやる。女優業はもちろん家事も好きらしい。人にやさしくて、ちょっと意地悪で、好奇心旺盛。なんと日本全国の土地の値段にまで関心を持つ。僕はこれまでの人生でこんな個性に出会ったことがない。

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


■樹木希林さん(74歳)コメント

(山﨑努先輩について)顔は恐いんです。私生活なんか聞いたらムッとされそうだから、じっと様子をうかがってるんです。私が見かけた頃の山﨑さんは『天国と地獄』の犯人役が好評で、と同時に宝塚の美しい女優さんと結婚した頃でした。光の中でオーラが歩いているようで、まともに顔など見られませんでした。あれから半世紀以上、まさか山﨑さんと仕事出来るなんて思いもしませんでした。役者として山﨑さんは、常につつましく謙虚で何より心が柔らかいんです。モリカズさんを嬉しそうに受け入れてて――。私は普通の妻のように生活できました。

(沖田修一監督について)ヨーイ、ハイ! と声がかかる。私は監督の顔を見ている。その顔を集めてつなげたら、映画の内容が解るほどだ。うれしそうな、実に楽しそうな、そして芝居をよく見てて、まことに的を射たダメ出しをする。だから私は丸投げだ。出来が悪けりゃ監督のせいだ。この人は今後も成長しつづけて、日本を代表する監督になる筈だ。――ただ、物を食べる時にも考えてるので、消化と排泄が?なので、小太りだ。私の心配は身体だ。だって若いのに、足挫いても中々治らないんだもの。(お疲れ様でした。)

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


■沖田修一監督コメント

(樹木希林さんのこと)樹木希林さんは、撮影現場の家の縁側の、風通しの一番いいところにいつも座っていらして、目を瞑るその姿を見ていると、眠っているのかわからず、迂闊に声もかけられず、しかし、いざ撮影が始まると、面白さに貪欲で、また厳しく、たくさんのアイデアを持ち、持道具を考え、あとは、縁側にいた時と同じ、まるで住人のように、スッとカメラの前に入ってこられるので、監督としてはどうかと思いますが、もう何も言う事なんてなくて、ただただ、樹木希林さんとのお仕事が楽しかったのです。魔法使いのようでした。たくさん笑いました。そもそも、自分の映画に、山﨑努さんと、樹木希林さんが出ていること自体が、奇跡みたいなものですから、僕は、この台本を撮りたいと言って見せ、あとは何もする事なんてなかったのかもしれません。

(映画のこと)熊谷守一さんの絵のような、映画を作りたいと思いました。大きくはないけれど、シンプルで、奥深く、小さな生き物の一瞬を捉えたような。熊谷守一さんの伝記ではなく、晩年の一日をモチーフにした、ある一日のお話にしようと思いました。それが、たくさんの長い時間を想像させることになるかもしれないと思ったからです。

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©2017「モリのいる場所」製作委員会


画家・熊谷守一(1880-1977年)
明治に生まれ、大正・昭和の画壇で活躍した洋画家。美術学校を首席で卒業し、若い頃から絵の才能を認められながらも、いい絵を描いて褒められようとも有名になろうとも思わず、たまに描いた絵も売れず、長いこと借家を転々として友人の援助で生きながらえる。ぽつぽつ絵が売れてようやく家族を養えるようになったのは50歳を過ぎた頃。この頃の有名なエピソードとして、作品を二科展で見た昭和天皇が「これは子どもの絵か」と尋ねたという。やがて、その風貌や言動から「画壇の仙人」としてひろく脚光をあびる。文化勲章と勲三等叙勲を辞退。その理由を「これ以上、人が訪ねて来るのと困るから」と言っていたが、本当は褒状をもらうのが嫌だったため。


映画『モリのいる場所』2018年シネスイッチ銀座ほか全国公開!


伝説の画家・熊谷守一役に山﨑努さん、彼を支える妻・秀子役に樹木希林さん。名優の奇跡の初共演が実現した、沖田修一監督・脚本のオリジナル作品『モリのいる場所』に、ご期待ください!


ストーリー
自宅の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫など、守一の描く絵のモデルとなる生き物たちが住み着いている。守一は30年以上、じっとその庭の生命たちを眺めるのを日課にしていた。普段、守一は妻の秀子と二人の生活をしているが、毎日のように来客が訪れる。守一を撮ることに情熱を燃やす若い写真家の藤田くん、看板を書いてもらいたい温泉旅館の主人、隣人の佐伯さん夫婦、郵便屋さんや画商や近所の人々、そして、得体の知れない男・・・。今日もまた、モリとモリを愛する人々の、可笑しくて温かな1日が始まる。

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映画『モリのいる場所
出演:山﨑努
監督・脚本:沖田修一
配給:日活
©2017「モリのいる場所」製作委員会
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熊谷守一氏は2017年に没後40年を迎え、12/1からは東京国立近代美術館にて200点以上の作品を集めた大回顧展が開催されます。

展覧会
東京国立近代美術館「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」12月1日より開催。
http://kumagai2017.exhn.jp/


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