
はじめてさせていただいた仕事はオジプト砂漠の巨大な遺跡の外壁づくり。トラック2台分の資材との格闘でした。最初は終りがみえないように思え、途方にくれました。それだけに、1番想い入れのあるセットです。
デザイナーの林田さんは、実績はもちろんのこと、独自性、デザイン力、作品に対する姿勢は“スゴイ”の一言に尽きます。仕事に対しては厳しいのですが、普段はとても穏やかで、私たちとも何の隔たりもなく接して下さいました。
最初は林田さんのような実績あるデザイナーの方は、私たちのような見習いと行動をともにするとは思っていなかったので、作業を一緒にし、直接指導をしてくださることに驚きました。
また、最初に仕事に関わる際に「君たちは美術部なんだから美術ルームを自由に使っていいんだからね」と言ってくださったんです。トップに立つ方がそう言ってくださることの貴重さ、その一言で、美術部のみなさんの中にすんなりと溶け込んでくことができたのだと思います。
実際の作業も一緒に行うことも多く、わたしたちの雑談に参加してくださって、失礼な話なのですが、“スゴイ人”だということを忘れてしまう一瞬さえあったほどです。
最終日にはみんなでクランクアップを祝って乾杯しましたが、美術部8人はずっと一緒にいたので家族みたいで、日常にもどることが本当に寂しかったです。
正直、体力的にも精神的にもいっぱいいっぱいでしたが、本当にたくさんの方に助けていただき乗り切ることができました。映画は、それぞれの役割を持つパートがお互いに思いやりをもって協力し、つくりあげてくものだと身をもって実感することができました。
撮影の合間、できあがたセットに立った時、これはスゴイものができるんじゃないかってゾクッとした瞬間がありました。セットの細かい装飾も凝っていて、徹夜して飾ったりしたセットもあるので画面の隅々まで見てほしいです。