作品テーマ 2007年7月
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■PROFILE

関 実希子
Mikiko Seki


日活芸術学院 映像科1年
9月24日 餃子県生まれ

趣味は洋裁とカメラ。そしてアルバイト。
特技はひたすら寝ないこと。
世界遺産を巡りに旅に出られるくらい 経済的余裕をもつことが目標。
予定がない日はカメラを持って行き先決めずぶらぶらしたいとは思いつつも、予定がない日がないのが最近の悩み。 最近のブームは自主制作映画を撮ること。

とまあ、色々頑張ってます。多分。


コツン・・・。
バスが揺れたはずみにガラス窓に小さく頭をぶつけ、光男は眼をさました。残業続きのうえ、雨の日特有の湿った生暖かい空気が眠りを誘い、光男はいつの間にかうとうとしていたのだ。
見覚えのあるファミレスが雨でにじむ車窓を通過する。
もう少しで自分の降りる停留所だ・・・。またもや重たくなってくるまぶたと戦いながら、少しでも疲れをとろうと光男は指先をもんだ。
「ねー、たかし、薬指ってね、なんで薬指っていうか知ってる?」
光男のマッサージを見たせいなのか、向かいに座る女高生が薬指をひろげながらいきなり話し出した。
「薬をつける指だからだろ」
「うん、そうなの。この指で薬をつけるのはね、五本の指のなかでいちばん弱い指だから、薬を塗るのに慎重になれるじゃない、だから、わざと弱い指を使ってやるんだってさ。で、左手の薬指は『その人の一番弱い部分』の象徴だから、その『弱いトコロ』に生涯の伴侶となる人が強い輝きをまとわせて守る、ていう意味があるんだって」
「――りさ、お前、指輪が欲しいのか」
「違うよー!もう、最後までちゃんと聞いてよ〜。だから、運命の赤い糸っていうのは小指じゃなくて、本当は薬指についているんじゃないかな〜。運命の人はずっと守ってくれているっていう〜」
「相変わらず、夢見てんな、りさは」
彼氏が呆れたように笑うと、彼女はぷくっと頬を膨らませて叩いた。
その仕草が可愛く、彼もそれを見たさにわざと怒らせているのかとも見え、そのほほえましさに指をもむ光男の頬も思わずゆるむ。
運命の赤い糸か。久々に聞いたな、と光男は思った。昔、付き合いだした頃の真由美も同じように赤い糸を信じていた。私達には赤い糸がついているのよとあまりに真剣に言うので、本当についているんじゃないかと目を疑ったこともあった。
――次は、桜十文字、桜十文字、でございます――
アナウンスが流れた。光男の降りるバス停だ。
雨はまだ降り続いている。
いやだな、傘を持っていないのに。濡れるのを覚悟してバスのステップから雨の中に踏み出すと、目の前は見覚えのないトンネルだった。
光男はバス停を間違えたのかと思い慌てて振り返るが、後ろには黒々とした森が広がるばかりで、バス停どころか道路すら見当たらない。光男の周りだけがぽっかりと何もない空間になっている。激しい雨もやんでいた。


 
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