作品テーマ 2007年7月
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■PROFILE

神永 順一
Jyunichi kaminaga


日活芸術学院 映像科 1年
1984年 茨城県の山間の町出身。

大学では一応、文学部でした。ゼミで近代文学だったりをやってましたので小説等々は好きだったり。しかし、映画の世界へ足を踏み入れてしまうとは…。まったくもってホワイトカラーは向かない職業だと。

【特徴】
食べる物より、好きな物を買う事を優先。色々な物が増殖中。

【自分の色】
深緑のように落ち着いた人になりたい。

【まとめ】
メンドクサガリ+マイペース+シンネン=カミヒトエ



一人の男が歩いている。
彼は夏休みを利用して田舎にある母の実家へとやって来ていた。
久しぶりにやって来た町は田舎らしい田舎の姿をしていた。
朝はカラリと晴れていたため傘は持って来なかった。ポツリポツリと雨が降ってきた。
家まではまだ一時間ほどある。
「濡れると厄介だなぁ」
おそらくこれが最後のコンビニである。
コンビニといっても24時間営業ではなく9時ごろには閉まってしまうような小さなコンビニ。
寄るべきかと悩んでいるうちに通り過ぎてしまった。

そこから100メートルくらいのところで雨は強さを増した。
夕立が本降りを迎えてしまったのだ。
「マジかよ」
彼は走ってコンビニへと戻った。コンビニには店員のほかに一人の客が居た。その客の手にはこのコンビニ最後のビニル傘が握られていた。
「マジかよ」
その客はこちらを見るとニヤリと笑いレジへと向かった。
ニヤリと笑った意図を彼はまだ知ることが出来なかった。
「傘ってあります?」
店員の答えは彼を喜ばすことは出来なかった。田舎の小さなコンビニに在庫は無かった。在庫を抱えるくらいなら仕入れたりしないのである。
「よかったら傘貸しましょうか?」
店員は家にある傘を貸してくれるらしい。ありがたく傘を借りる事にした。
昔、客が忘れていった黒い傘。
「後で返しに来ます」
ついでに買った炭酸飲料を一口飲んだ。

傘を差し歩き始める。それから1キロくらいのところで、後ろから足音が聞こえてきた。
ピチャピチャというその音は人にしては軽い。
人じゃないとしたら。彼は思い切って振り向いた。
「?」
振り向いた先にいたのはさっきコンビニで傘を買っていた客…いや背格好は同じだったが顔は緑色でクチバシが…。
「河童」 思わず冷静な声で指を指しながら言ってしまった。河童は近づきながら何か言っている。
「…傘返して」
河童は傘を持っている。
さっき買ったビニル傘をしっかり握っている。
彼は一歩も動けなかった。河童に傘が必要なのか。
普通、河童は水を好む生き物のはずだ。
「傘返せって言うてるやろ」
突然のニセ関西弁に呆気に取られた。


 
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