来月最初の週末、6月6日(土)にいよいよ初日を迎える『ウルトラミラクルラブストーリー』。
本作の舞台は青森県。セリフは全篇津軽弁。松山ケンイチの生命力あふれる存在感に、各界の著名人からは早くも絶賛の嵐!麻生久美子と共に描き出す、究極の片思いファンタジー。
公開を10日後に控えた5月26日(火)、ユーロスペースにて、松山ケンイチさん、麻生久美子さん、横浜聡子監督をお迎えして舞台挨拶付き上映会が行われました。
この前代未聞のラブストーリーを生み出したのは、前作の自主映画 『ジャーマン+雨』 で、2007年度日本映画監督協会新人賞を受賞し、数え切れないほどの賛辞を集めた青森県出身の横浜聡子監督。
同じく青森県出身で、作品ごとにまったく違う表情をみせ、本格派若手俳優として最も注目を集める松山ケンイチさんを主役に迎え、彼の新たな魅力を引き出しました。また、数々の出演作公開を控え、実力派女優としての地位を着実に築く麻生久美子さんが、様々な要素が内包する難しい役どころをしなやかに演じています。
子役はすべて青森でのオーディションで決定!大人も地元俳優を多数起用するなど、青森という土地と津軽弁のリアリティに徹底的にこだわり、横浜監督ならではの独特の世界観を登場するすべての俳優が完璧に体現している点も、注目です。
キャストの登場を今か今かと待ち望むお客様の前に、いよいよお三方が姿を現すと、会場は大きな歓声と拍手の渦に包まれました。
― まずは一言ずつご挨拶をお願いします。
松山 今日は有料上映会ですが、来て頂いて本当に嬉しく思っています。
麻生 この作品は、観ると “スゴイものを観たな” と思って頂ける作品になっていると思います。今日は楽しんでいってください。
横浜監督 自分にとって初めての商業映画で、松山さん、麻生さんとご一緒させて頂き、自分が思っていた以上の映画が出来上がり、やっと皆さんにおみせ出来るのが嬉しいです。
― 松山さんがこの映画に出演を決めた“決め手”をお聞かせ下さい。
松山 監督も僕も青森出身で、青森という土地で撮れるというのは中々ない巡り合わせで、すごくやりたいと思いました。また、監督の持っている世界観は、ジャンルに縛られていないというか、枠にはまっていない自由さや新しさがあったので、そこに挑戦してみたい気持ちもありました。
◆松山さんのシャツにタイトルが!気付きました?
― 実際、監督の演出は変わったリクエストがあったと聞いていますが・・・?
松山 具体的に陽人はこういう気持ちで・・というような細かい話は現場ではせずに、まずやってみる。それから監督に演出してもらうという流れでしたが、監督は “後ろ向きに走って下さい”“壁に張り付いて下さい” と。最初は “何で?どういうことなんだろう?” と考えてしまったんですが、途中で “考えたら負けだ” と実感しました。なぜなら、陽人は考えながら何かをやっているわけではなく、動きそのものに意味を持たないのが彼のキャラクターで一番重要なことでした。考えながら演技すると動きが小さくなってしまい、それを監督が修正してくれたのですが、出来上がりを観ると “こういうことだったんだ” と理解でき、改めて監督ってスゴイと思いました。
― そんな陽人の相手役が麻生さんですが、松山さんとの共演はいかがでしたか?
麻生 色んな意味ですごく面白い俳優さんで、撮影中はもう陽人にしかみえなかったです。スタートの声が掛かった時の切り替えも素晴らしいですし、キャラクターが自分のものになる、あの感じは今までで一番驚いたことですね。一瞬で顔が変わるスゴイ役者さん!ご一緒出来て良かったです。
MC 麻生さんが受けられたリクエストで、ビックリした監督の演出はありましたか?
麻生 私が台本から受けるイメージとは、わりと逆というか “こうかな” と思って出すイメージとは逆のことを要求されることが多かったです。最後の方のシーンでは、すごく驚く演出がありました。それから “すっとんきょうな声を出して下さい” と言われて、色々やってみたんですが、そんなに出てなかったかな・・(MCより“十分出てました”との声)・・では、何箇所かそういうところがみられると思います(笑)
◆お客様にニッコリ応える麻生さん
― 続いて、監督がこういうストーリーの作品を作ろうと思ったキッカケをお聞かせ下さい。
横浜監督 今年30歳になりますが、今まで恋のお話をやったことがなかったのでやってみようと思ったのが、キッカケでした。が、普通の恋の物語は苦手なので、ちょっと変わった、まったく違う他人がぶつかりあうというお話が出来ました。
MC そして、松山さん、麻生さんのご出演ということですが、監督からご覧になったお二人はどんな役者さんですか?
横浜監督 松山さんは、色んな個性的な役を演じて来られたのを拝見していますが、私の中ではまったくイメージのついていない役者さんだなと思っていて、白紙の状態に色んな色を付けていき、その映画のその役の色になるという印象をもちました。
麻生さんは、ご自分の中に何百色も色んな色があって、それを瞬時に選び出して表現されるという印象をもちました。
麻生 初めて聞きました!
◆少々緊張気味の横浜監督
― さて、見どころがいっぱいの本作ですが、最後に “ここは見逃さないで” というところをお一人ずつお聞かせ下さい。
横浜監督 見逃さないで欲しいところは・・全部なんですが(笑)、東京の方にとっては分かりづらい津軽弁が冒頭から出てきますので、そこで諦めないでじっと耳を澄ましてこの映画に喰いついて頂きたいです。それから、一般の人とは一味違った陽人という生命力溢れる人間の生き様や、町子の変化していく様、どんどん解放されていく様、二人の人間的な成長をじっくりみて頂きたいです。
松山 この作品はラブストーリーという名前がついていますが、恋愛映画とはちょっと違って、陽人の周りにいるたくさんの人たちが、それぞれ持っている陽人に対する感情がラブストーリーなんじゃないかなと思います。陽人と町子だけのラブストーリーではない、そんなところもみて欲しいです。
それから、撮影で改めて青森をみるととてもキレイで、この作品は青森でしか成り立たなかったんだなと、自信を持って皆さんに青森をおみせ出来ると思っています。
麻生 まず子ども達のお芝居と、陽人がひとりで道路を歩くシーンでの松山さんの素晴らしいアドリブをぜひお見逃しなく!
◆青森県観光連盟様よりご提供のキャベツで、キャベツ畑を再現!
★6月6日(土)より、ユーロスペース、シネカノン有楽町2丁目、シネマート新宿ほか
全国ロードショー!★
町子先生に好かれたい。町子先生と一緒にいたい。
だからぼくは、脳みそなくても心臓止まっても死なない!
(c)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」 製作委員会
監督・脚本 : 横浜聡子
キャスト : 松山ケンイチ 麻生久美子
ノゾエ征爾 ARATA 藤田弓子 原田芳雄 渡辺美佐子
配給 :リトルモア 配給協力 : 日活