幅広い世代から愛される西加奈子氏の世界観を感動作として見事に昇華させた映画『まく子』が、テアトル新宿ほか全国絶賛公開中です。3/27(水)テアトル新宿にて、スペシャルトークイベント《第二弾》が行われました。
本作は、西加奈子さんが第152回直木賞受賞後の第一作目として書き下ろし、児童小説では異例の累計55,000部の売り上げを記録した同名小説が原作。思春期の主人公・サトシの葛藤と、不思議な魅力をもつ美少女コズエとのせつない初恋を軸に描く《再生と感動》の物語です。
公開記念スペシャルトークイベント第二弾には、「豪華な方が来てくださって浮かれてます!大ファンなんです」と、鶴岡慧子監督が興奮する相手、映画『モリのいる場所』の沖田修一監督が「応援に馳せ参じました!」と、登場。
感想を求められた沖田監督は、「子どもが主人公の映画は作りづらいのですが、ここテアトル新宿で以前、『ごめん』(富樫森監督)という映画を観て"子どもが主人公でも、こんな作品いいな"と衝撃を受けました。そして『まく子』。ズルいです。楽しくて、先の展開が気になって、スピルバーグっぽかった!」と賛辞を贈りました。
恐縮しきりの鶴岡監督は「本作も『ごめん』と同じ制作会社さんが入っていたので、とりあえず観ろと言われました」と、少年の成長を描くための参考秘話を明かしました。
両者の共通項として、地方を舞台にしつつも礼賛しているわけではない点を指摘されると、「山奥で育ったので、その景色が世界。むしろ街を撮れないコンプレックス。突き詰めると地元の人に正面から向き合って撮ってます。田舎暮らし大変ですから」と鶴岡監督。
対して沖田監督は、「すごくわかる。自分も埼玉のトトロの森の近く出身で、原風景として緑や山がある。海が怖い(笑)。『まく子』は温泉街が絵になってました。じめっとした人たちもいて面白い」と日本を描くための普遍性についても触れました。
子どもの演出について話が及ぶと、「沖田さんの『南極料理人』の主人公の娘役が印象に残ってます」と鶴岡監督。
"最近の嫌なこと"を聞くオーディションで、ずっと喋っていたことが決め手だったという沖田監督は"もともと持っているもの重視"のキャスティングから入るそう。
一方、"印象重視"という鶴岡監督は「(主人公・サトシ役の)山﨑くんはオーディションでしたが、コズエ役(新音)はオファー。不思議感を作り上げていく作業でした。二人とも高学年だったので、大人と同じように接していました」と明かしました。
イベント中は質疑応答も実施し、お客様から「出会いと別れを扱っていますが、(出会いや別れについて何か)印象に残るエピソードは?」との質問。
「3年前、地元で小学生向けの映画教室をやる時に、たまたま沖田監督が講師としていらっしゃいました。これが出会いです」と、鶴岡監督は、まず沖田監督との出会いを披露したあと、サトシの父役を好演された草彅さんとの出会いについても言及。
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)
「草彅さんとの出会いは撮影前の衣裳合わせが初でしたが、その時の印象と1年後の舞台挨拶での印象とがだいぶ違いました。撮影が終わってから舞台などでご活躍され、新たな取り組みをされて1年経ってからの公開だったので、ますますイキイキされてエネルギッシュだなと感じました。あとは、緊張してしまうので、あまり草彅さんだって考えないようにしましたね(笑)。本当スターなので!」と笑いを誘い、和やかな雰囲気でトークイベントは幕を閉じました。
映画『まく子』テアトル新宿ほか全国絶賛公開中!
忘れていた"大切なもの"を思い出し涙する―。今を生きる大人たちへ贈る、再生と感動の物語『まく子』を、ぜひ劇場でお楽しみください!
物語
ひなびた温泉街の旅館の息子・サトシは、小学5年生。自分の体の変化に悩み、女好きの父親に反感を抱いていた。ある日、美しい少女コズエが転入してくる。言動がどこか不思議なコズエに最初は困惑していたサトシだったが、次第に彼女に魅せられていく。そして「ある星から来たの。」と信じがたい秘密を打ち明けられる。枯葉や紙の花を楽しそうにまくコズエが、やがて町の人々みんなにまいたものとは...。
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)
映画『まく子』関連ニュース
*公開中スペシャルトークイベント
*公開記念舞台挨拶の模様
*未公開場面写真解禁
*メイキング映像公開
*原作者・西加奈子氏×鶴岡慧子監督トークイベントの模様
*特別番組配信決定
*主題歌「若気の至り」ストーリーフィルム公開
*鶴岡慧子監督×漫画家・羽賀翔一氏トークイベントの模様
*完成披露上映会の模様
*著名人たちから絶賛コメント到着
*予告篇解禁
*厚労省とコラボ
*ポスタービジュアル解禁
*主題歌決定
*追加キャスト解禁
*特報完成
*第1弾チラシ&場面写真解禁
*映画化決定
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★2019年3月15日(金)全国公開★
直木賞作家・西加奈子の傑作、ついに映画化
監督・脚本:鶴岡慧子
原作:西加奈子(「まく子」福音館書店刊)
出演:山﨑光 新音 須藤理彩/草彅 剛
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)