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映画『デイアンドナイト』監督・脚本家・プロデューサーが語る山田孝之プロデューサーとの知られざる製作の"裏側"と物語に隠された想いとは？

2019年02月10日（日曜日）

名実ともに日本を代表する俳優の山田孝之さんが完全裏方に徹し、初の全面プロデュースに挑んだ映画『デイアンドナイト』が1/26（土）に全国公開し、SNSやレビューサイトで熱い感想が飛び交うなか2/9（土）シネマート新宿にて、藤井道人監督、脚本家・小寺和久氏、山田さんとともにプロデューサーを務めた伊藤主税氏によるトークイベントが行われました。

本作は「人間の善と悪」をテーマにした完全オリジナル作品で、家族のいのちが奪われ、自らの善悪に翻弄される人々の葛藤を描き出します。

企画・原案も担当した俳優・阿部進之介さんが本作で長編映画初主演を務め、若手監督の最注目株との呼び声も高い藤井道人監督がメガホンをとり、山田プロデューサーを含めた同世代のメンバーが熱い思いをぶつけ合いながら2017/11/3にクランクインした本作は、秋田県の秋田市、鹿角市、三種町での撮影を経て完成。こころ揺さぶる人間ドラマが誕生しました。

今回のイベントでは、撮影秘話トークとともに、事前に映画公式SNSで募集した質問に、本作を裏から支え続けた3人が答える質問コーナーを実施。

500人ものオーディションからヒロイン・奈々役を射止めた清原果耶さんの「嘘だよロリコン！」という台詞は、どのように生まれたのか？という質問に対し、台詞が出来た過程を知らなかったため山田プロデューサーに問いかけたという藤井監督は「山田さんの奈々への想い入れが凄くて、『奈々はこの台詞を言います』って、断言されたんです」と、笑いながら明かしました。

さらに、奈々の10年後、20年後、30年後はどのような女性であってほしいか？との質問に藤井監督は「すれ違うたくさんの人の中に、奈々がいるんだなっていうことを、山田さんと話しました」とコメント。さらに本作で様々な考察が飛び交っている奈々と北村（安藤政信）の衝撃のシーンについての質問には「北村が背負えなかったものを描きたかった」と語りつつも「観客の皆様の考えに委ねたいと思います」と答えました。

また、北村の仲間である青柳（笠松将）と、明石の名前に含まれている"アオ"と"アカ"の対比の意図については「考えてましたと言えればいいのですが、全然考えてなくて...」との藤井監督の衝撃の告白で、会場は笑いに包まれました。

一方で、主人公の明石幸次（阿部進之介）の名前には意味があるといいます。長男であるはずの明石がなぜ"幸次"なのか。「脚本を作っていく過程で、明石には兄がいたというバックボーンをつけています」と、劇中では描かれていない裏側を披露。さらに小寺氏は、山田プロデューサーとのやりとりの中で「下の名前いらないです。逆にあると、想像の幅を狭めちゃう」と言われ、感動したエピソードを明かしました。

口コミでも評判だった秋田県の風景や、"善悪"の対比を映し出した映像美について意識したことを聞かれると、多くは言わず信頼あるカメラマンに任せていたという藤井監督は「一番は、秋田県の風土が映像に力をもたらしてくれたと感じました」とコメント。

また、これまで明かされなかった裏側を聞かれると、伊藤プロデューサーは、山田プロデューサーが仕事の都合でクランクアップに立ち会えず「いたくてもいれないんだよ！」と絶叫し、心が折れていたエピソードを披露。

さらに、実は安藤さんが1度だけ脚本に助言したことがあり、明石と三宅（田中哲司）が対峙するシーンに「彼が最後に三宅を殴るカタルシスを見てみたい」と言い、藤井監督もそれに賛同し、納得のいくシーンが撮れたと明かしました。

また会場から本作で一番難しかったシーンを聞かれると、奈々と北村の衝撃のシーンを挙げた藤井監督は「あの選択は間違っていなかったと思う」と胸を張りました。質疑応答を終え、大きな拍手に包まれながらイベントは幕を閉じました。

映画『デイアンドナイト』全国公開中！

愛する家族のいのちが奪われたとしたら、あなたなら、どうするだろうかー。
ぜひ劇場でご覧いただき、大切な人と語りあってみてください。

善と悪はどこからやってくるのか。
父が自殺し、実家へ帰った明石幸次（阿部進之介）。父は大手企業の不正を内部告発したことで死に追いやられ、家族もまた、崩壊寸前であった。そんな明石に児童養護施設のオーナーを務める男、北村（安藤政信）が手を差し伸べる。孤児を父親同然に養う傍ら、「子供たちを生かすためなら犯罪をも厭わない。」という道徳観を持ち、正義と犯罪を共存させる北村に魅せられていく明石と、そんな明石を案じる児童養護施設で生活する少女・奈々（清原果耶）。しかし明石は次第に復讐心に駆られ、善悪の境を見失っていく----。