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山﨑努さん「アドリブにグッときた」、樹木希林さん「憧れの人」...映画『モリのいる場所』完成披露試写会で撮影秘話披露!
2018年04月23日(月曜日)

5/19(土)よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国公開される映画『モリのいる場所』(監督・脚本:沖田修一)の完成披露試写会が4/22(日)渋谷ユーロライブで行われました。

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本作は、97歳で没するまで30年もの間ほとんど家の外へ出ることなく日々自宅の庭を探検し、いきものたちを観察し続けた伝説の画家・熊谷守一氏(通称:モリ)のエピソードを元に、妻・秀子とともに迎えた結婚52年目の"ある1日"を描いた物語。

モリを演じるのは本作で13年ぶりの主演をつとめる山﨑努さん、妻・秀子は樹木希林さんがつとめます。ともに文学座の出身で、60年以上のキャリアを持つ山﨑さんと樹木さんの共演は本作が初ですが、50年以上を共にした夫婦を見事な存在感で演じた話題作に、加瀬亮さん、吉村界人さん、光石研さん、青木崇高さん、吹越満さん、池谷のぶえさん、きたろうさん、三上博史さんら世代を超えた豪華キャストが集結しました。

完成披露試写会舞台挨拶には、山﨑努さん、樹木希林さん、吉村界人さん、青木崇高さん、池谷のぶえさん、沖田修一監督が登壇。暑い最中、昨年7月に葉山で行われた撮影秘話などを披露して頂きました。


山﨑 去年の夏に撮影を終え、近代美術館展覧会も大盛況だったそうで、ちょっとしたモリカズさんブームが起きたそうです。そのせいか取材が来て、ずっとモリカズさんと付き合っています。今日みなさんにご覧いただき、この映画は完成です。

樹木 75歳にして、この空間にいられる身を家宝と思っています。

吉村 吉村界人と申します。よろしくお願いいたします。

青木 去年の夏、暑くて暑くて、汗をたらしながら撮影しました。一緒に完成披露試写会を迎えられて、誇りに思います。

池谷 モリの1日を、みなさんと過ごせることを嬉しく思います。

沖田監督 モリカズさんの映画を作ることになって、台本を書いて、気づいたら・・・不思議な気持ちです。沢山の人に観てもらいたいです。


-監督との仕事について

山﨑 クランクイン前、2度打ち合わせしました。呑む方が主でありましたが。彼は慎重で、こちらが何か言っても...。しかし現場に入ったら一転、即断即決。いい反応をしてくれる。感覚優先で、切り替えが素晴らしかった。

樹木 私は偏屈で、好き嫌いが激しく人を認めたくないタイプですが、彼は人間を描く、人間を見てくれる。役者として嬉しいことです。映像を見る人が多い今、沖田さんは若いのに人を見ようとしてくれ、嬉しかったです。

沖田監督 嬉しいです、頑張ります。山﨑さんとは色々話し合い、見た目、中身、映画だけのモリカズさんを探しました。樹木さんとも、秀子について現場でやりとりさせてもらいました。

樹木 現場には小さくて気持ちの良い森がつくられて、控室より気持ちが良くて、いつもそこにいました。

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- 名優と共演して

吉村 緊張しました。山﨑さんには怒られました。

樹木 でも、さっきは山﨑さんの前で大欠伸してたわよねー(笑)。

吉村 役者をやっていてよかったです。監督には、自分のような未熟者にも「君ができるお芝居を見たい」と言ってもらいました。

青木 虫が多かったです。蝉がぬける白い羽を見ました。山﨑さんとのシーンでは、緊張ではなく素直にそこにいられました。楽しい夏の思い出です。

池谷 お二人とは、いきなり朝食シーンの撮影でした。ずっとここで暮らしてきた二人。自分は何を小賢しいことを考えていたのか...。ここにいよう、と思いました。ありがたかったです。


- 現場での監督の演出について

樹木 監督の顔が、役者と同じ顔になっていました。とてもいい。芝居を見ている監督は少ないです。

山﨑 スピーディ。OK、もう一度、返事がすぐに返ってくる。「迷ってます。お時間ください」というアナウンスも感じが良かった。

樹木 年を取ると、即断即決が好きです。


- 山﨑さん、樹木さん、実は初共演

樹木 夫を差し置いて話しますが、山﨑さんは文学座で黒澤明監督映画に出ていまして、私たちの憧れの的でした。まったく遠い人。同じ画面で芝居したことがなかった。山﨑さんは王道、私はバラエティー、出会うわけがない。今回75歳になって妻役をやらせていただき、ありがたいです。

山﨑 かあちゃんの存在は大事だ、と考えていました。現場で樹木さんを見て、モリカズさんが30年間外に出ない生活ができたのは、かあちゃんの力。モリに花を摘むシーンは、脚本になかったこと。アドリブだったけど、グっときました。(樹木さん、照れたご様子)

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ベテランのおふたりが演じるモリと秀子を中心に、彼らを囲む様々な人々との"ある1日"を描く『モリのいる場所』に、ご期待ください!

画家・熊谷守一(1880-1977年)
明治に生まれ、大正・昭和の画壇で活躍した洋画家。美術学校を首席で卒業し、若い頃から絵の才能を認められながらも、いい絵を描いて褒められようとも有名になろうとも思わず、たまに描いた絵も売れず、長いこと借家を転々として友人の援助で生きながらえる。ぽつぽつ絵が売れてようやく家族を養えるようになったのは50歳を過ぎた頃。この頃の有名なエピソードとして、作品を二科展で見た昭和天皇が「これは子どもの絵か」と尋ねたという。やがて、その風貌や言動から「画壇の仙人」としてひろく脚光をあびる。文化勲章と勲三等叙勲を辞退。その理由を「これ以上、人が訪ねて来るのと困るから」と言っていたが、本当は褒状をもらうのが嫌だったため。晩年は、家の外へ出ることなく、ひたすら自宅の庭で動植物を観察し続けた。


映画『モリのいる場所』2018/5/19(土)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国公開!


書籍発売予定
ノベライズ「モリのいる場所」小林雄次 著(朝日文庫)発売中
「モリカズさんと私」藤森武/山﨑努/沖田修一/田村祥蔵(文藝春秋)発売中
「コロナ・ブックス「熊谷守一」」(平凡社)発売予定

ストーリー
昭和49年の東京。30年間自宅のちっちゃな庭を探検し、生きものたちを飽きもせずに観察し、時に絵に描く画家モリ(94歳)と、その妻・秀子(76歳)。時を経て味わいを増した生活道具に囲まれて暮らすふたりの日課は、ルール無視の碁。暮らし上手な夫婦の毎日は、呼んでもいないのになぜか人がひっきりなしにやってきて大忙し。そんな二人の生活にマンション建設の危機が忍び寄る。陽がささなくなれば生き物たちは行き場を失う。慈しんできた大切な庭を守るため、モリと秀子が選択したこととは・・・。
画商や近所の人でにぎわう茶の間、大勢でたべる夕ご飯。ちゃぶ台、縁側、黒電話。人と人との距離が今よりも近く感じられる昭和の暮らしと、50年以上をともに過ごしてきた老夫婦の絆、心豊かに充足した人生のある夏の1日を描く。


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©2017「モリのいる場所」製作委員会


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『モリのいる場所』

★2018年5月公開★

名優・山﨑努が「僕のアイドル」と敬愛する画家・熊谷守一氏(通称:モリ)を演じる!

監督脚本:沖田修一

出演:山﨑努 樹木希林 加瀬亮 吉村界人 光石研 青木崇高 吹越満 池谷のぶえ きたろう 三上博史

©2017「モリのいる場所」製作委員会



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