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大ヒット上映中『散歩する侵略者』の魅力を徹底解析!黒沢清監督は「完璧に演じてくれた」と長澤まさみさんを大絶賛!!
2017年09月19日(火曜日)

「ジャンルの枠を超えたエンターテインメント」「泣ける!」「こういう映画が観たかった!」など話題沸騰の映画『散歩する侵略者』について、あらゆる視点から《概念》を語り尽くす熱いトークセッションが、9/15(金)新宿ピカデリーにて行われました。

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国内外で常に注目を集める黒沢清監督が、劇作家・前川知大氏率いる劇団イキウメの人気舞台を映画化した『散歩する侵略者』。本作は、数日間の行方不明の後、夫が"侵略者"に乗っ取られて帰ってくるという大胆なアイディアをもとに、日常が異変に巻き込まれていく世界を描く、誰も見たことがない新たなエンターテインメントです。

夫の異変に戸惑いながらも夫婦の再生のために奔走する主人公・加瀬鳴海を長澤まさみさん、侵略者に乗っ取られた夫・加瀬真治を松田龍平さん、一家惨殺事件の取材中に侵略者と出会うジャーナリスト・桜井を長谷川博己さん、そして桜井が密着取材を申し入れる若き侵略者たち-天野を高杉真宙さん、立花あきらを恒松祐里さんが演じます。5人は黒沢組初参加、それぞれが映画初共演という新鮮な顔合わせです。

さらに、前田敦子さん、満島真之介さん、児嶋一哉さん、光石研さん、東出昌大さん、小泉今日子さん、笹野高史さんら豪華オールスターキャストの競演が実現し、9/9(土)より全国劇場で大絶賛上映中です。

この日のイベントは、絶賛の声が止まらない本作について映画の専門家による貴重なトークが聞けるということで、会場は満席。上映後の会場に、長澤まさみさん、黒沢清監督、映画監督・映画評論家の樋口尚文さんが登場すると、お客様から温かい拍手が送られました。

まずはじめに主演を務めた長澤さんが「本日は、ありがとうございます。映画は楽しんでいただけましたでしょうか?(会場拍手)短い時間ですがよろしくお願いします」と、ご挨拶。続いて黒沢監督は「普段の舞台挨拶は上映前で話せないことが多いのですが、今日は上映後ということで何を言ってもいい。"宇宙人"と言ってもいいらしいので(笑)、やっと安心して話せるなと思っています」と、ご挨拶。樋口さんは「今日は大好きな長澤まさみさんと黒沢監督の応援に来ることができて、嬉しいです。よろしくお願いします」とコメントしました。

初参加となった黒沢組での撮影について、長澤さんは「黒沢監督は撮るのが早いので、そのペースに負けないようにお芝居を準備していかないと、というプレッシャーが日々ありましたね。松田(龍平)さんから『黒沢監督の現場は一発本番らしいよ』と聞いていたのですが、それを事前に聞いておいてよかったなと、撮影が始まった初日に思いました」と苦労を明かしました。

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©2017『散歩する侵略者』製作委員会


そんな長澤さんの印象について黒沢監督は「とにかく芝居が上手い方でした」と大絶賛。「撮影前の打ち合わせの時の長澤さんは、どこか煮え切らない感じで、嫌がっているのかな?と思いましたが、煮え切らないのが長澤さんの独特の個性なんだなとだんだんわかってきて(笑)。ただ、いざ撮影となると自分がやるべきこと、物語上、何を求められているのかを瞬時に理解して、あっという間に素晴らしい演技に到達してくれました」と熱くコメントしました。黒沢監督の熱弁に長澤さんは「自分の感情を表現するのが苦手で(笑)」と照れ笑いし、黒沢監督との厚い信頼関係をうかがわせました。

役づくりに話が及ぶと、常に怒っている鳴海というキャラクターについて長澤さんは「鳴海には"女性あるある"というか、女性として共感できるところがすべて詰まっていて、理想の女性像だと思いました。怒っていたりはしますが、結局は相手に尽くしている姿を見て、特にそう思いますね」と、自身が考える理想の女性を演じることができた喜びを明かしました。

また、夫である真治との関係性を大事にして役作りしたそうで「夫婦二人いたら、どちらかが前でどちらかが後ろという構図がない限り、夫婦平等にうまくやっていけるということはないのかなと思いました。結局、平等だからと言って横に並んで進もうとするとうまく進めなくなる。そういうことが相手を受け入れるということなのではないかと思いました」と語りました。

ここで、黒沢監督作品についてさらに突っ込んだ話題に。樋口さんは、映画評論家としての観点から本作の魅力を分析。「黒沢監督の作品は、入り口はホラーだったりジャンルものだったりするのですが、物語が進むにつれてだんだんノンジャンルになることが多いんです。映画というものは本来割り切れないものなので、それが映画本来の味、コクのようなものだと思います。『散歩する侵略者』は入り口は侵略SFなのですが、その後も真っ向勝負で侵略SFを描いているように感じました。それがいつもの黒沢監督作品とは少し違っていて、そういう黒沢監督の変化も、黒沢監督がこの先にどこに向かおうとされているのか、ということまで含めて面白かったです」と語りました。

それを受けて黒沢監督は「今回、侵略SFというジャンルを忠実にやりたいと思いました。ただ、SFって日常と少し違う状況設定はあっても、その中で起こるドラマには決まりがないんですよね。ラブストーリーもあればサスペンスもあるし、コメディもある。ストーリーとしては実は確立していない"なんでもあり"なのがSFだということがわかりました」と、新たな発見があった様子でした。

ほかにも、黒沢監督特有の長回し撮影や、長澤さんを追いかけるシーンで使用された小型のカメラが話題にあがり、貴重な裏話満載なトークで会場は盛り上がりました。

最後に、長澤さんと黒沢監督からメッセージをいただきました。

長澤さん「出演できて良かったと思える作品と、今のこの年齢で出会えたことが幸運だったと思っています。とても良い映画だと思いますのでたくさんの方に観ていただきたいですし、長く愛される映画になれば良いなと思っています。今日は映画館まで来てくださり、ありがとうございました」

黒沢監督「長澤さんが演じた鳴海という役は、この映画にある愛を表現するにあたって、本当に難しい、そして途方もなく幅のある役柄でした。それを長澤さんは完璧に演じてくれました。長澤さんの最後の表情を撮れただけでも、この映画を作った甲斐があったと思っています。是非、皆さんの言葉でこの作品を伝えていただけたら嬉しいです。本日はありがとうございました」


映画 『散歩する侵略者』 大ヒット上映中!


「完璧に演じてくれた」と黒沢監督が大絶賛する長澤さんの演技をはじめ、様々な魅力に溢れる本作を、ぜひ劇場でお楽しみください!

ストーリー
数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海。夫・真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていく。一体何をしているのか...?その頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。ジャーナリストの桜井は取材中、天野という謎の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高校生・立花あきらの行方を探し始める。やがて町は静かに不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ方向へと動く。「地球を侵略しに来た」真治から衝撃の告白を受ける鳴海。当たり前の日常は、ある日突然終わりを告げる。

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©2017『散歩する侵略者』製作委員会


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『散歩する侵略者』

★2017/9/9(土)公開★

世界は終わるのかもしれない。それでも、一緒に生きたい。

監督:黒沢清

出演:長澤まさみ 松田龍平 高杉真宙 恒松祐里
前田敦子 満島真之介 児嶋一哉 光石研 東出昌大
小泉今日子 笹野高史 長谷川博己 ほか

©2017『散歩する侵略者』製作委員会



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