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今、なぜロマンポルノ!?新作を撮り下ろした豪華監督陣がそろい踏み!完成報告記者会見で白熱バトル!
2016年08月25日(木曜日)

*45th ROMAN PORNO REBOOT*

2016/11/20に、45周年を迎える日活ロマンポルノ。28年ぶりに製作した新作の公開に先駆け、監督した5人の監督による記者会見イベントが8/24(水)に行われました。

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日活代表による挨拶のあと、塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督、行定勲監督が登壇。日本映画界の第一線で活躍する監督陣が顔を揃えた会見のため、会場は国内外の報道陣で埋め尽くされ、作品について語られる初めての機会であることもあり、多くの質問が投げかけられる記者会見となりました。

- かつてのロマンポルノは観客のほとんどが男性でしたが、新作を制作するにあたり意識した観客層はありますか?

塩田監督 今撮るなら女性観客への意識は必要だと思い、そこは意識して監督しました。先日ロカルノ国際映画祭でワールドプレミアを行いましたが、20代~60代の女性が僕の作品を支持してくれました。女性からの期待に応えることができて、驚いたとともに非常に嬉しかったです。

白石監督 クラシック作品のリバイバル上映には何度も観に行ったことがあるのですが、そのたびに女性の観客が増えているのは、肌身を持って感じていました。ロマンポルノはジャンルではなく、一定のルールを設けたレーベルなので、ルールをクリアして撮りたいものを作りつつ、女性に受け入れられるものが作れたらいいなと思って撮りました。

園監督 去年は憤りを覚えることばっかりが起こり、その怒りを映画に込めたのが『アンチポルノ』です。なので観客は誰なのかと聞かれると、自分なのかもしれないと思います。

中田監督 小沼勝監督の特集上映で劇場に行った際に、山本晋也さんが「(観客が)ほぼ半分女性だね」とおっしゃっていて、そこから女性がロマンポルノを観る流れがあるんだと印象に残っていました。今回は女性のプロデューサーと一緒にレズビアンという題材を用いて脚本を作り、作家というよりも職人のような感覚で若い女性に向けて制作しました。

行定監督 僕は実は2本脚本を書いたんです。1本目は自分が本当に観たい作品として書いて...。そしたら日活からNGが出たんです(笑)。これじゃ女性が観られないと。僕の子供の頃の性の目覚めを描いた美しい作品だったのにそれが認められず、そこでやめようと思いましたが、日活ロマンポルノに憧れがあったので再挑戦しました。独りよがりなどうしようもない男を描き、女性の慈悲深さに救われる男を女性目線で描きました。そういういきさつがあるので、この作品は女性に向けて作らされた作品です(笑)。

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- 今の日本映画界は、皆さんにとってはどういった点が不自由だと思いますか?

塩田監督 そもそも監督にとって完璧に自由な環境が与えられることはありえないのと、不自由ななかでこそ監督の力量が問われるのですが...。今の映画業界では、オリジナルの企画をつくることが何よりも難しいことです。それを今回は製作条件のひとつに入れられました。俳句のように一定のルールの中で、作家性や創造性を発揮してほしいという素晴らしいプロジェクトだったので参加したいと思いました。

白石監督 塩田監督がおっしゃったとおり、日本の映画界では、原作が何万部売れて、出演者が誰かということを重要と捉えている人がいます。でもそれだけが映画じゃないと思うんです。昔の先輩方は会社を騙してでも自分の企画を通そうとしていたくらい、そういう意味で、今回クリエイティブに創れる機会を与えてもらえてとても良かったと思います。

園監督 今回日活ロマンポルノをやって、超意義があった。好きなように作れて、本当に良かった。感謝してます、日活ありがとう。

中田監督 なんでも手に入ったら人生がつまらないように、何でも許される映画を撮るのは、仮にそれができたとしても面白くないと思うんです。今の映画業界はオリジナル作品を企画しても、会社が大きければ大きいほど相手にされない傾向にあると思います。資本主義で商業的な、まるでミニハリウッドのようになっているように感じます。儲けられないなら映画を撮れない環境に悔しさを覚えます。

行定監督 そもそも自由にやっていいよと言われたのに、1本目の脚本がボツになっているのですが...(笑)。監督に信用がないんでしょうね。こいつらは目を盗んで何か企んでいるんじゃないかと。今回日活ロマンポルノで、2本目の脚本で完成させたのもいい経験だったと思います。おそらく行定組史上もっとも送りのタクシーを出さない作品だと思います。このスピードで撮れたのは何故だったのか、不思議です。そういう意味では、得るものがあったのかと思います。

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©2016日活


ロマンポルノ新作の各タイトルと主演については、これまで塩田明彦監督、中田秀夫監督、園子温監督、白石和彌監督の順に発表されてきましたが、本会見にて行定勲監督作品タイトル『ジムノペディに乱れる』と板尾創路さんが主演をつとめることが発表され、これをもって5作品全ての新作情報が解禁されました。

また、これまで発表された国際映画祭への参加に加え、新たに【第21回釜山国際映画祭】ミッドナイト部門に、『風に濡れた女』『ホワイトリリー』『ジムノペディに乱れる』の3作品が正式招待されたことが発表されました!

会見当日には、ロマンポルノ・リブート・プロジェクト公式サイトもオープン!

各作品詳細は、公式サイトにてご覧いただけます。ロマンポルノ・リブート・プロジェクト公式サイトは、日活ロマンポルノ公式サイト経由で年齢認証後お入りください。※18歳未満閲覧禁止


ロマンポルノ新作、2016年11月中旬より新宿武蔵野館ほか全国順次公開!


2016/11/20に45周年を迎えるロマンポルノとは?
「日活ロマンポルノ」は、日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベルです。 1971/11/20『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎監督/白川和子主演)と、『色暦大奥秘話』(林功監督/小川節子主演)の2作品が初めて公開。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、チャンスを与えられた若手監督たちは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦できました。また、通常3本立ての公開を維持するため量産体制を敷いたことにより若い人材の育成を促進。中平康、鈴木清順、齊藤武市、今村昌平らのもと助監督として経験を積み、ロマンポルノの中で作家性を発揮した監督として、神代辰巳、小沼勝、加藤彰、田中登、曽根中生といった才能が生まれ、あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、男性向けに作られながらも、女性とその生き様を深く美しく描くことを極めていきました。このほか、ロマンポルノから出発した監督として、村川透、根岸吉太郎、金子修介、石井隆といった方々がいます。製作終了した1988年までの17年間に約1,100本もの作品を継続して公開し続けた結果、映画史において最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されています。

ロマンポルノリブートプロジェクト について
2012年、日活創立100周年記念と銘うったロマンポルノ特集上映は、映画作品として新しい価値を訴求し、古いイメージを払拭することを目指し実施しました。そして、これをきっかけに、若い世代や女性層など、これまでロマンポルノに触れる機会がなかった新しい観客を開拓できました。最近では、俳優・女優をはじめとした若い世代の方々が、ロマンポルノ作品に対する興奮と興味を伝えてくれています。こういった再評価の機運にのり、ロマンポルノリブートプロジェクトをスタートしました。新作製作のプロジェクトにおいては、映画監督へ新しい映画表現の場を提供します。さらにロマンポルノのクラシック作品群の上映を行い、ロマンポルノの"早すぎた映像表現"を鑑賞する土壌を世代、地域ともに広げていきます。45周年をきっかけにした新作と旧作の活性化が、ロマンポルノリブートプロジェクトの主な目的です。

新作製作 powered by BSスカパー!
2016年ロマンポルノが生誕45周年を迎えるにあたり、これまでロマンポルノ作品を監督していない第一線の監督たちによる完全オリジナルの新作ロマンポルノを、BSスカパー!をパートナーとして製作開始しました。さらに、新作の劇場公開に併せて、BSスカパー!(BS241/プレミアムサービスCS585)にてR15+版の放映を行います。


日活ロマンポルノ公式サイトはコチラ
※18歳未満閲覧禁止


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