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国内外で絶賛の嵐!『日本で一番悪い奴ら』連日トークイベント《第1弾》白石和彌監督VS警察関係者チーム
2016年07月03日(日曜日)

綾野剛さん主演、白石和彌監督待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』が全国公開中です!7/2(土)~8(金)は、白石和彌監督による《7日間連続トークイベント》を実施!第1弾となる7/2(土)には、ミスターぶっちゃけこと元兵庫県警・警察本部捜査一課刑事の飛松五男さん、元大阪府警の銃器対策課刑事の高橋功一さん、ジャーナリスト/銃器評論家の津田哲也さんをゲストにお迎えし、皆さんの実体験に基づいた、他では絶対に聞けないトークが展開されました。 

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本作は、6/22より開催中のニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品として上映。綾野剛さんが《ライジング・スター賞》を受賞し、日本公開を前に国外から絶賛。もちろん国内からも「脱帽!」「白石監督に敬意を表したい」「傑作!」など、<日本警察史上最大の不祥事>と呼ばれる実在の事件をもとに最高のエンターテイメント作品を完成させた白石和彌監督へ絶賛コメントが多数よせられています。


道警だけじゃない!兵庫県警も、大阪府警もまとめて悪い奴ら!?

本作をすでに鑑賞された飛松さんは「リアリティがあってすごいな!と思って観ました。嫁と観ましたが、観終わっても黙ってるから気に入らんのかな?と思ったら、"お父さん警察の人だけでなく、警察官の家族の人みんな観なあかんで!"と。私、機動捜査隊におったんですけど、映画の中で点数の話が出てきますよね。まさにその通りです。どの県もすべて点数で評価されています」とコメント。高橋さんは「綾野剛さんが主演、中村獅童さんが暴力団役ということで、エンターテイメントな作品かと思ってサラッと観ていたのですが、途中から鳥肌が立ちました。再現フィルムを見ているようで、私と同じことを北海道でもやっていたんだと驚きました」と、おふたりとも映画のリアリティに太鼓判を押されました。

「警察は部署によってやる仕事、手法、気風も違います。諸星が純粋で使命感に燃えていた時は飛松さんがいた機動捜査隊、薬物・拳銃の捜査をしてグレ始めた時は高橋さんがいた銃器対策課になるわけです」と、津田さんが分かりやすく解説し、「私も非常にリアリティに感心しました。さぞ、リサーチされたのでは?」と白石監督に問うと、「稲葉さんが手記を書いていて、基本的にははみ出ないようにしました。ご本人にもお話を聞き、点数や機動捜査隊などの細かい話は元警官OBの方に、当時の稲葉さんのことは稲葉さんの元Sに会いに行って聞きました。道警の方には話を聞いてなくて、埼玉県警の方や早めに退職された方に雰囲気を聞いたりしました。機動捜査隊とマル暴、銃器対策課のことは特に細かく聞きましたね」とサラッと答えるも、入念なリサーチをしたことが伺えます。

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「北海道警だけが悪かったわけではなく、当時の銃器対策は悪の温床だった」と津田さんが明かすと、原作者の稲葉氏と同期で同時期に銃器対策課にいた高橋さんが「どこまで言っていいのかな」と言いつつも、「拳銃は何が何でも日本国内押収しろと命令されていた」と話し始めます。平成6年に銃刀法を変えるということで"拳銃を警察が買いとれる"法律ができ、その翌年に銃器対策課ができ、大阪府警2万人から6人がピックアップ。その中の一人が高橋さんだったそうです。「稲葉さんは道警であることを表に出して暴力団に接触していましたが、私は秘匿捜査ということで名前を変えて、関西で有名なとある組の中に入りました。公務員の給料をもらいながら、企業舎弟としての暴力団員でした」と稲葉氏との違いを明かします。

映画では諸星が首なし銃(被疑者なしの拳銃)をコインロッカーに入れて、警察に電話するシーンがありますが、「コインロッカーに拳銃は基本中の基本」と裏事情が明らかに。実際、拳銃の強化月間であった2月の10(銃)の日、それまで拳銃がまったく上がらなかった事態に、映画と同じように「なんとかしろ」と本部から命令があったと言います。そこで高橋さんは「とある組長を脅して拳銃を出させました。余罪のないまっさらの拳銃を用意してくれと。東京に出向き、銃を受け取り、懐にいれて大阪に戻りました。戻ってきた時に迎えにきてほしいと上司に連絡しましたが、"新大阪のコインロッカーにいれろ"と言われ、顔見知りの鑑識官員が何人か待機している中、コインロッカーに拳銃を入れ、そのあと"ヤクザやめます。コインロッカーに銃をいれました"と言って警察に通報しました」と、映画とまったく同じだった驚きの事実を暴露しました。

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続けて、大阪府警が激怒したケースが語られました。映画では道警が拳銃を大量輸入することが未遂に終わる展開がありますが、1994年9月、当時の兵庫県警は61丁の拳銃を実際に輸入してしまったと言います。これは、当時は生活安全課以前の「保安」にいた警部補が薬物密売人のSを使って、大麻20キロを運ばせ、それを捌いたお金で、拳銃61丁、500発の玉を買わせ、その拳銃を運ばせるときに兵庫県警が逮捕したという事件。ただ、兵庫県警が一つ失敗を犯します。兵庫県に卸すのではなく、大阪の泉北港に卸してしまい、縄張りを荒らすという失態を犯しました。大阪税関が怒り、Sの共犯の2人を大阪で指名手配しましたが、兵庫県警がその2人を約2年あまりの間囲っていた、というトンデモナイ事件を明かしました。

白石監督は「警察の話だけではなく、民間の組織が生まれた瞬間ってこういうことはどこにでもあって、銃をあげるにはお金が必要で、それが裏金になって、とすごく普遍的な話ではあると思います」と言い、飛松さんは「稲葉さんはエリート、いわばエースなんです。いまもエースの人はいて、組織のために頑張っている。組織がやめるべきことはやめて、考える時期にきています」と組織問題についても言及されました。

現在、一部劇場にて警察手帳割引を実施中ですが、初日に1名来場されたことが分かりました。最後に白石監督は、「全国30万人の警察官がいますので、警察官と家族の方にはぜひ観ていただきたいです」と言葉を残しました。

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©2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会


衝撃の実話にもとづく激ヤバエンターテイメント『日本で一番悪い奴ら』を、ぜひ劇場でご覧ください。


映画『日本で一番悪い奴ら』 大ヒット上映中!



日本警察史上最大の不祥事。ヤツらは何をしたのか?

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ストーリー
北海道警察の新米刑事・諸星要一(綾野剛)は、叩き上げの刑事たちの前で右往左往する毎日をおくっていた。そんな中、署内随一の敏腕刑事・村井(ピエール瀧)から教えられた刑事として認められる唯一の方法、それは【点数】を稼ぐこと。あらゆる罪状が点数別に分類され、熾烈な点数稼ぎに勝利した者だけが組織に生き残る。そのためには裏社会に飛び込み、捜査に協力するスパイ=S(エス)を仲間にし、有利な情報を手に入れろ――。
こうして、その教えに従った諸星と、彼の元に集まった3人のSたちとの狂喜と波乱に満ちた生活がはじまった。「正義の味方、悪を絶つ」の信念をもちながらも、でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸など、ありとあらゆる悪事に手を汚した北海道警察の刑事・諸星の行き着く先は!?「日本警察史上、最大の不祥事」と呼ばれる実際の事件をモチーフに、日本一ワルな警察官と裏社会のワルたちのタッグが巻き起こす"ヤバすぎる事件"の幕が切って落とされる!
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日本で一番悪い奴ら

★2016/6/25(土)全国公開★

『日本で一番悪い奴ら』

国家を守る警察官が、日本一の悪だった。

監督:白石和彌

出演:綾野剛 YOUNG DAIS 植野行雄(デニス) ピエール瀧 中村獅童

©2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会



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