ドキュメンタリー『園子温という生きもの』公開!170時間におよぶ密着取材で大島新監督が感じた、園監督の魅力とは?
2016年05月14日(土曜日)

  

ドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』が5/14(土)公開初日を迎え、新宿シネマカリテにて初日舞台挨拶が行われました。

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鬼才・園子温という人物の生態に迫るべく、376日にわたって彼を追い続けたドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』。メガホンをとったのは、2014年にMBS「情熱大陸 映画監督・園子温」を手掛けた、故・大島渚監督の次男である大島新監督。地上波では伝えきれない"園子温"そのものの魅力や面白さを描きたいとの想いで、映画化を決断。170時間におよぶ密着取材を敢行し、改めて感じた園子温監督の魅力とは?

― まずは、ご挨拶をお願いします。

大島監督 本日は『園子温という生きもの』に足をお運びいただきまして、ありがとうございます。1年以上この珍種の生きもの(笑)を取材いたしまして中々くたびれたのですが、ここまでたどり着くことが出来て、本当に良かったと思います。ありがとうございました。

― 映画化は「情熱大陸」での密着がきっかけということですが、なぜこの作品をお撮りになったのでしょうか?

大島監督 テレビでも面白いものが出来たと思ったのですが、このオジサンは本当はもっとオモシロイだろうなというのがありました。「情熱大陸」では番組スポンサーのことを考えると、お酒を嗜んでいる姿はともかく、泥酔している姿は出せませんでした(お客様爆笑)。取材期間中に(お酒で)イイ感じになっている園さんを見ていたので、もっとはっちゃけたシーンがたくさんあるはずなのにな・・と思っていたんですね。映画で密着してみたら大暴れという感じだったので、シメシメと思いました(笑)。

― 大変なことはたくさんあったと思うのですが、特に大変だったエピソードなどございますか?

大島監督 (『ひそひそ星』の撮影現場に密着して)福島に行っていたのですが、少しピリピリしていたところもありました。映画の撮影現場にはメイキングという撮影部隊の方々がいると思うのですが、メイキングのカメラはやはり園組の一員という感じですよね。一方、我々はドキュメンタリーチームですので、一定の距離があります。さらに撮影場所(福島県の浪江町、富岡町、南相馬市など)は撮影できる時間が限られている区域で、そういった中で園組が撮影している時に、僕らが横からちょこちょこ質問することは、若干ストレスだったようです。ある日、宿で「ああいうやり方はないんじゃないか?」と、少し・・

MC 本編にも、そういった場面が少し出てきますね。

大島監督 はい。取材のやり方についての議論なども、少し映画に入ってます。もちろん「今後は気を付けます」という話はしましたが、だからといって園組の一員になること自体は違うなと思っていましたので、最後まで"ドキュメンタリーの取材者である"というスタンスは変えずにやりました。

― そういった大変なことも体験されて、改めて園子温監督の魅力というものはどういったところでしょうか?

大島監督 もの創り、表現することへの飽くなき欲望、魂の強さみたいなところですね。これは本当に頭が下がります。僕自身ものを創っている人間の端くれですが、園子温ほど生きることが表現することとイコールという人は、いま本当に貴重な存在だなと思ってますので、特に表現することを志している若い人に、この映画を観てもらいたいです。

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― 園子温監督は、この作品をどういう感じでご覧になりましたか?

大島監督 最初はとにかくイヤだったみたいで、片方の目を閉じて観ていたと仰ってました。途中で「ちょっと本当に勘弁してほしい・・・」という感じになったんです。まだ撮影が完全に終わってない時期に1回観てもらったのですが、もう僕の目も見れず、ななめ横をみて「あのシーンどうなのかな...」みたいな感じでずっとブツブツ言っていたのですが、何とかなだめつつ撮影を進めました(苦笑)。最終的に完成版を観た時は「これは自分のもの(作品)じゃないからしょうがない」と仰ってましたが、かなり懐疑的に思っていたようでした。最近久しぶりにお会いしましたら、ドキュメンタリーの話はしたくないという感じではありましたが、ポツッと「俺がイヤなシーンに限って、人が面白いって言うんだよね」と仰っていたので、それは成功したなと思いました。やはり見せたくないものも少しは映っている方が、人物ドキュメンタリーとしては見応えがあるのではないかと思います。

― ドキュメンタリー『園子温という生きもの』と同時に、園監督の『ひそひそ星』が公開されますが、現場にも密着された『ひそひそ星』をご覧になっていかがでしたか?

大島監督 「情熱大陸」で密着していた時は、園さんは商業映画を撮ってたんですね。でも本当は、商業映画ではなく、オリジナルの自主映画の方が園子温のフィールドだなと思っていたので、改めて取材をしたかったというのがありました。『ひそひそ星』は、20数年間あたためていた作品で、しかもシナリオを書いた当時は当然考えてなかったわけですが、震災によって福島やその地域の方々と出会い、出来上がった奇跡の映画だと思います。賑やかさはないですし、暴力もセックスもバイオレンスも全然ないSFファンタジーなので、普段の園子温ファンの方々は少し面食らうかもしれませんが、心にグッと沁みる良い映画だなと思ってます。

― 興味のある方からよく質問されるのですが、『園子温という生きもの』を観てから『ひそひそ星』を観るのが良いのか、その逆が良いのか、監督としてはいかがですか?

大島監督 僕はドキュメンタリーを観てからの方が良いんじゃないかなと思っていたのですが、日芸で講義した際に学生さんたちは、『ひそひそ星』を観てからこっちを観た方が、より面白いんじゃないかと言ってました。

MC 今この場にいらっしゃる皆さんは順番が逆になってしまったので(笑)、『ひそひそ星』をご覧になってからまたドキュメンタリーを観ていただけたらと思います。

大島監督 そうしていただけたら嬉しいですね!

*ここからはお客様とのQ&Aを一部抜粋してご紹介*

- テレビでも出せない、映画でも出せないようなカットされたシーンはありますか?

大島監督 170時間くらい回してますので面白くないと思って出さなかったものはありますが、何かに遠慮して出さなかったというシーンはないです。

- 監督にとって、一番外せなかったシーンはどこですか?

大島監督 神楽坂さんのインタビューですね。一番好きです。ふつうにインタビューしていたのが、途中からドキュメンタリー的な瞬間になっていくという典型的なシーンだったと思います。すごく大事なシーンだと思ってますので、あえて長く使いました。

- ドキュメンタリーを撮られる前後で、園さんとの関係に何か変化がありましたか?

大島監督 すごく特殊な被写体の方で、これがあまり変わってないんです(笑)。僕はこれまで主にテレビですが色々な方を撮ってきて、だいたい距離が縮まっていくのですが、園さんとは微妙な距離感と言いますか、別に仲が悪いわけではないですが、友人関係という感じにはならないんですよね。お互い信頼関係のようなものはあると思いますが、照れくさいと言いますか・・・園さんも、いつも照れくさそうにされてます。特に我々はカメラを持ってると仕事だと思って前に出ていけるのですが、カメラがないと急に弱くなっちゃうところがあって、会うとちょっとヘンな間があります(笑)。

― 最後に、一言メッセージをお願いします。

大島監督 今日はご来場ありがとうございました。ぜひ『ひそひそ星』も楽しんでご覧いただければと思います。さらにそこで楽しめた方は、もう一度ドキュメンタリーをご覧いただけたら、本当に嬉しいです。ありがとうございました。


映画『園子温という生きもの』 新宿シネマカリテほか全国公開!


彼が作る映画だけでなく、彼自身。園子温の"いま"が面白い。
監督・大島新がみつめる園子温は、いったいどんな生きものなのか───。

園子温監督最新作『ひそひそ星』とあわせて、ぜひ劇場でお楽しみください!

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©2016「園子温という生きもの」製作委員会


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園子温という生きもの

★2016/5/14(土)公開★

『園子温という生きもの』

時間がない!生きることを出し惜しみするな。

監督:大島新

出演:園子温 染谷将太 二階堂ふみ 田野邉尚人 安岡卓治 エリイ(Chim↑Pom) 神楽坂恵

©2016「園子温という生きもの」製作委員会



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