まもなく公開の 『チング 永遠の絆』 は、2001年当時 『シュリ』 が持っていた動員記録を塗り替え、韓国で社会現象を巻き起こした青春ノワールの伝説的名作 『友へ チング』 から12年の時を経て、オリジナルと同じクァ・キョンテ監督によって手掛けられた待望の続編です。

本作では、ノスタルジック・ノワールとも形容された前作のテイストを継承しつつ、三世代に渡る裏社会の男たちの生き様を、より激しく、より切なく描出。ハードなアクション・シーンを随所に散りばめながら、前作では明かされなかったドンスの死をめぐる真相と共に、絆と宿命のドラマが展開。韓国では2013年11月に公開し、R指定作品史上最速で観客動員100万人を突破する新記録を樹立しました。

そんなファン待望の日本公開を目前に控えて行われた 『友へ チング』『チング 永遠の絆』 2本一挙上映は、トークイベント付！ご登壇いただいたのは、芸能界随一のアウトロー面（？）をお持ちで、数々のドラマや映画でご活躍の俳優・宇梶剛士さんと田中要次さん。映画のポスターに引けをとらないド迫力で、ビシッとブラックスーツを着こなして登場されたおふたりに、映画の見どころや男達の生き様を語っていただきました。

― スーツがきまっててカッコいいですね！では、一言ずつご挨拶と映画の感想をお願いします。

宇梶　皆さん、こんにちは。ようこそいらっしゃいました。僕は『友へ チング』を観てなかったのですが、衝撃を受けました。映画が好きでこの世界に入り、自分も役者として色々な作品に参加させていただいたり、観たりしていますが、久しぶりに映画らしい映画を観たと言いますか、知らず知らずのうちに物語の中に入りこんでいたという幸せを感じました。

田中　皆さん、こんばんは。ようこそいらっしゃいました。宇梶さんはこの映画に相応しい過去をお持ちですが（笑）、僕がこんな格好をしているのは、自分では違和感を感じています。僕はこのお話（『チング』）で言うと、4人の仲間の堅気の方ですかね。

宇梶　・・なるほどねぇ（苦笑）。そうやって俺だけヨゴレみたいなこと言うと、アナタのアノ話を皆さんにしちゃいますよ？

MC　では、お座りいただいてゆっくりお話しましょうか（笑）。

田中　映画の感想言ってなかった（笑）。

― "チング" は "友達" ですが、実際におふたりはお友達だとお伺いしています。プライベートでも今のようにじゃれ合うと言いますか、お付き合いがあるのですか？

宇梶　じゃれ合うって（笑）。歳は僕がひとつ上なのですが、心のお兄さんみたいに思っていて、深刻なことからLINEの使い方などまで分からないことがあるとすぐに聞いて、優しく教えてもらっています。そもそも友達が本当に少なくて・・

田中　そうですか？？お花見や忘年会に100人くらい集まるので、僕がそこに混ぜていただいているのですが・・。これ、この映画に全然相応しくない内容ですよ（苦笑）。宇梶さんとは番組で一緒に旅をしまして、仲良くしていただいています。

― 本作 『チング 永遠の絆』 は、『友へ チング』 から12年という歳月を経て続編として作られたのですが、この時間の流れや変化についてどのようにお感じになりましたか？

宇梶　例えば、時間が経って携帯電話があることに驚く主人公なども描かれているのですが、そういう中でうまく時が経っているな思いました。またこれは僕の勝手な想像ですが、主人公は、刑務所で規則正しい生活をしていたから肌ツヤが変わらなかったのかななどと考えて観てました（笑）。違和感なく時の流れを描いていたところも、この作品の大きな魅力ではないでしょうか。

田中　この映画は前作が12年前で、お話の中では17年後。ユ・オソンさん（主人公）は高校生の役から演じていまして、12年前は35歳くらい。僕が35歳だったら絶対に学生の役なんてまわってこなかったろうなと思うと、やはりプロの役者さんは違うなと・・

MC　プロでいらっしゃるじゃないですか（笑）！

宇梶　突っ込ませたくてわざと言ってるでしょ！

田中　いやいや、羨ましい限りですねぇ。

MC　お客様はこれからご覧になりますが、あまりに見た目が変わってないので多分驚かれると思います。

― 残酷描写などはいかがですか？

宇梶　血が流れたり、凶器が鋭利だったりと怖いところがあって苦手な人もいるかもしれませんが、この物語ではそれは怒りや執念を描くためのツールだと思います。あのように描くことによって、彼らの思いが表現されていたんだなと僕は観てました。

田中　他の作品を観ていても思うのですが、韓国映画は映像の力が凄いなと。今回の作品もそういうシーンが出てくるのですが、2作目ということで、ニーズがあってバイオレンスのシーンが強化されているんですよね。僕は今日あらためて1作目をもう1回観直したのですが、この監督は、見せ方に一つのルールと言いますか、法則があるんだなと思いました。観てるとすごく驚かされるのですが、実は残酷な描写でも上品に見せてるな・・ということに気がつきました。

MC　たしかに人間関係が一番重要な要素で、究極の選択を描いた人間の感情の映画だなと思います。

― さて、新作 『チング 永遠の絆』 の見どころについて、"ここがイチオシ" というところが田中さんはございますか？

田中　先ほど言いかけてしまったのですが、僕はこの監督の時々出る俯瞰（ふかん）の映像が凄く素敵だなと思いましたね。少年時代のシーンや先ほど言ったビックリするシーンもあるのですが、今日は映画館ですから "おッ？" と思っても戻すことは出来ませんが、僕はビデオで観たので、"どうなってるんだろう？" と思って戻して観ちゃいました。すごく素晴らしいアイデアで俯瞰の映像を撮ってるなと思って感心しました。

宇梶　あの・・どうして今回（話す）順番を変えたのですか？？

MC　･･･田中さんにキメ台詞を言っていただきたかったところなのですが・・忘れちゃったみたいで（苦笑）。

田中　あ～！ゴメ～ン！！もう1回やり直していい？？

宇梶　唯一事前打ち合わせしたところなのに（笑）。

田中　あ～あ～ぁ･････････。

MC　だいぶ凹んでいらっしゃいますが・・では、田中さん。こだわりの男の生き様はございますか？

田中　（出演中ドラマの名ゼリフの感じで）あるよ。

宇梶　良かった！打ち合わせした甲斐があった！（お客様から大きな拍手）

田中　このセリフで仕事させてもらっているのですが、こちらも前回のドラマから13年後ということなので、この映画に何かシンパシーを感じています！

MC　無事にキメ台詞をクリアされて、満面の笑みですね（笑）。宇梶さんのこだわりの男の生き様は？

宇梶　曖昧なイメージがあるのですが、僕は人を殺めたことも前科もないですし、刑務所にも入ったことがないです。

田中　そうだったんだ（笑）？！

宇梶　そうですよ！未成年の時に改心しましたから（笑）。自分は恐怖で人を制圧したりビジネスすることに物凄く違和感があって、10代の頃はそういう人たちに敵意を持っていました。映画では血筋がそうだからというのもありますが、そういった違和感を持ちながらもその世界に入っていった人たちが描かれています。僕は決してそういう生き方を肯定しませんが、色々なものを背負い、一度男が決めたことを貫く悲しみや不器用さに心を揺さぶられ、この映画が本当に好きな映画になりました。

MC　不器用さといえば、日本でも 『仁義なき戦い』 の菅原文太さんなどにもありましたし、日本人にも分かりやすいお話だなと思います。

宇梶　僕は菅原さんの弟子なんですよ。18歳の時に拾われまして。そういえば、そうでしたね！おやじから集合がかかったらすぐにでも飛んでいく気持ちはいつもあるのですが、忘れてました（笑）。

MC　田中さんの考える男の生き様とは？

田中　さっき "あるよ" って言ったのに、この質問一番困っちゃうよね（笑）。（男の生き様というのは）何か背中に出てくるものかなと思ったりもしますが、それはカッコいいものばかりではないと思います。この作品は男同士の "チング" がテーマですが、友情というものは恋愛に近い感情があったりして、出会った友達に対する嫉妬や羨ましい気持ちなどがグルグルまわりながら育っているのかなと思います。出会った友達のお陰で僕はこういうところにいるのかもしれないですし、何か刺激しあってある意味戦っているのかもしれないですね。

MC　たしかに嫉妬心がないと向上もしていかないので、そういうところがあるのでしょうね。最後に、お気に入りのえげつないやり方はありましたか？

田中　話したいところですが、これから観る人にネタばらしになってしまいそうなので、僕はヒントとして先ほど俯瞰と言ったんです。本当にすごいみせ方だなぁと僕は思っていますよ。特に続編の方に出てきます。あんまりそんなこと言って、そのシーンになったら僕らの顔が出てきても困りますが（笑）。

MC　そからもうひとりの主演キム・ウビンさんは艶かしいようなお顔立ちでいらっしゃいますが、戦っているシーンでは非常に躍動感があって魅力的な表情をされていますので、彼の表情も楽しんでいただければと思います。

田中　一言で例えるならば、カミソリのような目！どうですか？

MC　うまいっ！キャッチで使わせていただきましょう。

あの伝説的名作から12年・・・新たな絆の物語が、幕を開ける！

『チング 永遠の絆』 9/6(土) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開！

待望の続編を首を長くして待っていたファンの皆さん、ご期待ください！

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