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8/30公開 『TOKYO TRIBE』 の 《日本外国特派員協会》 会見で、鈴木亮平さんとYOUNG DAISさんが見事な英語を披露!
2014年08月07日(木曜日)

今月末8/30(土)公開の園子温監督最新作 『TOKYO TRIBE』 の 《日本外国特派員協会》 試写会&記者会見が、8/7(木)に行われました。

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本作は、単行本シリーズ 累計250万部超を売り上げ、1990年代に一大ムーブメントを起こした井上三太氏の伝説的コミック 「TOKYO TRIBE2」 を、園子温監督が個性豊かな豪華キャストで実写映画化した作品です。

先日、第39回トロント国際映画祭【ミッドナイト・マッドネス部門】のオープニング作品として上映されることが決定した本作ですが、この日の試写会と会見は、日本在留の外国人記者さん向けのもの。トロント映画祭の上映に先駆け、外国人記者さん達の反応はいかに??

会見には、主演の鈴木亮平さんとYOUNG DAISさん、ヒロインの清野菜名さん、そしてメガホンをとられた園子温監督が登壇。記者さんが外国人の方々ということで、MCも通訳の方も外国人の方がつとめられ、英語で進行。キャスト・監督のプロフィールが一通り紹介された後、いよいよQ&Aのスタートです。

― 映画のシナリオが、最初はどのようなものだったのかをぜひ知りたいのですが。

園監督 最初は(原作の)漫画をベースにした普通のドラマだったのですが、そのままだと面白くないなということで、YOUNG DAIS のような本物のラッパーたちにたくさん来てもらいました。そんなことをやっているうちに "ラップ・ミュージカル" にすることを思いついたわけですが、最初はまったく普通の、日本のジャンルでいう青春映画でした。

― ラップ部分は、どれくらいがシナリオに入っているもので、どれくらいがアドリブだったのでしょうか?

園監督 アドリブはないですね。まずはちゃんとセリフを書き、普通のシナリオから 「ここのダイアログはラップにしてみようか?」 と分けていったところ、最初はラップ部分が少なかったのですが、どんどんダイアログをラップにしたくなってきて、最後にはミュージカルになりました。

― シナリオを書いている時、ラッパーたちからアイデアをもらったりしたのでしょうか?

園監督 オーディションで色々なラッパーにその場で歌ってもらい、それをテープにおさめたりして、それで色々と決めました。YOUNG DAIS もその中のひとりなのですが、彼は漫画の主人公にソックリだったので、彼を主役にすることに決めました。

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― すごくぶっ飛んでいる映画をありがとうございました。サイコーです!たくさんのラッパーにオーディションに来てもらったと思うのですが、どういう基準でラッパーを選んだのでしょうか?

園監督 新宿エリアは新宿のラッパー、ブクロ(池袋)は池袋、練馬は練馬・・というように、ラッパーは現実でもそれぞれのエリアで活動していて、彼らのその設定をそのまま活かして映画の中に取り入れました。YOUNG DAIS は北海道出身で、彼もずっと北海道でラップをやっているのですが、ラッパーというのはそんなふうに地域密着のようですね。YOUNG DAIS の場合は、この映画ではムサシノのラッパーということにしています。

リアルにその地域でラップをやっている連中が本作でもラップをやっていますが、ラッパーだけじゃなく、亮平みたいな本物の役者をミックスすることが面白いと思いましたし、YOUNG DAIS はお芝居もすごくうまいのですが、全員アマチュアの役者にすると失敗しそうだったので、そこは鈴木亮平が主役をやることでガッチリと固めました。

それから、この映画はアクション映画でもあります。亮平もYOUNG DAISも清野も、映画全体がスタントなしで自分でアクションをやっています。清野を選んだのは、彼女はアクション女優になろうと思ってこの世界に入ってきた人だからです。彼女のアクションは素晴らしいので、ここでも披露したらいいのに・・(記者さん&登壇者笑い)。

― 歌詞は、いつ書いたのですか?

園監督 まずはシナリオを書いて、それから 「ここにラップを入れたい」 と思って僕が書いたリリックを彼ら(ラッパー)に渡し、それを彼らなりに解釈して、彼らがもう一回作り直しました。

― 役者の皆さんにお聞きしたいのですが、園監督といえば色々な評判や噂があると思いますが、実際に一緒に仕事をしていかがでしたか?

鈴木 (すべて流暢な英語で喋った後、通訳の外国人の方に 「これ(僕が)日本語で言うんですかね(笑)」 と言われ、「ソレおかしいですね(笑)」 と、改めて日本語でご自身の通訳をする鈴木さん) 園さんの映画にずっと出たいと思っていたのですが、一番ビックリしたのが、園さんは現場であまり俳優の質問に答えてくれないと言いますか、常に100%の熱を込めて集中しているので、あまり話しかけられない雰囲気があります。なので、俳優と監督の無言のバトルみたいなものがあるんですよね。「自分が考えてきたものを見せてくれ」 というスタンスなので、監督が思っている以上に熱を込めたものをぶつけていかなければいけないというスリルが楽しかったです。

YOUNG DAIS スゴイなぁ・・。

鈴木 それから、監督はシーンを勝手に追加するんですよ。そこに対して、常に何を言われても監督の要望に応えなくてはいけないというスリルがすごく刺激的だった現場ですね。最後の方の僕の "あるシーン" は、園さんの思いつきで前日に 「こういうシーン撮ったらどうかな?」 と言われたので、僕は冗談かと思って 「いいですね!」 と言ったところ、次の日 「じゃ、昨日言ったシーン撮るぞ」 と言われて、「本当にそんなシーン撮るつもりだったんですか?!僕のメラの役の計算がガタガタになってしまうんですけど・・」 と思いました(苦笑)。そういうことが頻発する現場でした。・・・という話でした。(記者さんから大きな拍手)

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YOUNG DAIS (鈴木さんと同じく英語で話した後、「日本語で話します(笑)」 と、ご自身で訳すパターン) 僕は普段、ラッパーとして北海道で音楽をやっています。今回初めての映画ということで、皆さんもそうだと思いますが、初めてのことをやる時は知識もないですし、一所懸命に打ち込んで頑張ることにつきると思います。とにかく頑張るしかないなということで、毎日台本を読んで海(カイ)になることにベストを尽くしました。撮影の合間にみんなが仲良く喋っていても、僕は海になりきるために一人でいることもあるくらい役に取り組みました。

撮影も後半を迎える頃になると僕も少し慣れてきて、「このシーンでは、海はもうちょっと怒っていた方がいいんじゃないか?」 というようなアイデアが出てきたので監督に相談すると、監督は優しく 「じゃ、そのパターンもやってみよう」 とチャンスをくれたり、アドバイスをくれました。いろいろなことをやらせてくれた監督を本当に素晴らしいと思いますし、ありがたいと思いますし、幸せでした。あとは、僕が言うのもなんですが・・監督は・・ものすごくクレイジーな人だと思います(笑)。

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清野 園さんはとても怖い人だということをたくさん聞いてオーディションを受けたのですが、実際に 「おはようございます!」 とオーディションに入っていったところ、「"おはようございます" じゃないんだよ!いま何時だと思ってんだ!!」と怒られました。「やぱり怖いじゃん!」 という印象で現場に入ったところ現場では真逆で、私がアクションシーンで失敗した時に良いタイミングで 「大丈夫?ちょっと怖かったの?」 などと話しかけてくれて、園さんの言葉で私は毎回現場で励まされていたので、最初と現場に入ってからでは印象がガラッと変わって、今では "アイ ラ~ヴ ユ~" です!

園監督 サンキュ~!ミートゥ~♪ 

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(この清野さんと園監督の最後のやり取りに動揺したのか、通訳さんが日本語を日本語に訳し始め、鈴木さんに 「日本語になってますよ!」 とツッコミを入れられるハプニングがあり会場は大爆笑)

― 竹内力さんの演技が物凄くぶっ飛んでいますが、演出ですか?それとも自由に演じてもらったのでしょうか?また、あの演技は他のキャストの皆さんへの影響はなかったのでしょうか?それほどクレイジーだったもので・・。

園監督 亮平が演じたメラのステップファザーの役なのですが、竹内力という人は、元々が基本的にはナチュラルでモンスターな感じ(笑)。でも、彼の中でも今回は人間じゃないところまでなった方が良いなというのがあって、人間を超えたMAXまで芝居してくれたんです。それは自然にというか、僕もそう願っていたし、彼も同じようにMAXモンスターで演技すべきだと思ってくれて、クレイジーな感じになりました。

鈴木 すごく難しかったのですが、僕は力さんの演技になるべく影響されないようにしました。というのは、僕らふたり(鈴木さんとYOUNG DAISさん)はストーリーを引っ張らなくてはいけない主役という立場上、あまりに印象的だったり、トリッキーなのではなく、なるべく直球をふたりで投げ合っていこうと。そうすれば周りのひとたちのトリッキーな演技が引き立ちますし、そこを目指した感じです。力さんは普段はとても優しい人で、いろいろとアクションのアドバイスをくれたりする方なので、どうぞ誤解しないでください(笑)。

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― ラップ・アクション・オペラ(※実際はバトル・ラップ・ミュージカル)として、大好きでした。『TOKYO TRIBE』 は、『BAD FILM』(※園監督作品)の20年後の物語のように感じましたが、そういう意図はありましたか?

園監督 『BAD FILM』 とちょっと違うのは、僕は 『TOKYO TRIBE』 は、子供からお年寄りまで、ポップコーン片手にビールやコーラを飲みながら楽しく観られる映画を目指したので(記者さん爆笑)、過激な表現はちょっと避けていきました。だからアニメのサザエさん一家が観にいっても、別に問題ないと思います(笑)。

― 園監督に聞きたいのですが、ここ数年日本のエンタテインメントの中でヤンキー文化が復活しているように思いますが、なぜそうなっているのでしょうか?

園監督 少年コミックでヤンキーの漫画がいっぱい出てきているので、そこからの影響は大きいと思いますね。そういう漫画のヤンキーに憧れて日本の若者はヤンキーになる人も多いけど、ヤンキーとストリートは若干違うと思います。そのへんは、僕は詳しいことはよく分からないですが。

― まずお礼を言いたいです。とても楽しい映画でした。ありがとうございます。園監督にお聞きしたいのですが、何故この原作を映画にしたいと思うようになったのでしょうか?原作のどういう要素に惹かれたのでしょうか?

園監督 これはプロデューサーが持ってきた企画で、僕はその後監督に決ったわけで、僕の企画ではないのです・・。と言ってもやる気がないわけじゃないですよ!ただ最初のキッカケはプロデューサーです。(ここでMCの呼びかけで、会場後方にいた千葉プロデューサーが紹介され、会場から大きな拍手) あそこにいるMr.千葉が企んだ企画です。ところで、もしそろそろ時間なら、僕だったら彼女(清野さん)にアクションの構えとか見せてほしいなー。(会場から大きな拍手)大丈夫だろ?

清野 (監督の無茶振りにも気持ちをパッと切り替え) バク転やりますッ!(立ち上がって)ヨッシャー!!

そしてカッコいい型をキメてくれた後、見事バク転を披露してくださいました!!(記者さんたちから惜しみない拍手)

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最後に、MCから本作が第39回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門のオープニング作品に決定したことが紹介され、記者会見は無事終了しました。

鈴木亮平さんとYOUNG DAISさんの通訳を介さない見事な英語とご自身での通訳、監督の突然のリクエストにミニのドレスを着ていたにも拘わらず男前に応えてくれた清野菜名さんのパフォーマンスなど、外国人記者さんたちも満足の楽しい会見となりました。

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『TOKYO TRIBE』 は、8/30(土) 新宿バルト9ほか全国公開

公開まで、あと3週間。皆さん、お楽しみに!!


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TOKYO TRIBE

★2014年8月30日(土) 新宿バルト9ほか全国公開!★

『TOKYO TRIBE』

90年代ストリートカルチャーを牽引した伝説的コミックの映画化!

監督・脚本:園子温

出演:鈴木亮平 YOUNG DAIS 清野菜名 佐藤隆太 染谷将太 でんでん 窪塚洋介 竹内力 他

©2014INOUE SANTA/"TOKYO TRIBE" FILM PARTNERS



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