イベントレポート

<最新一覧へ戻る

チャウ・シンチー監督が来日!最新作 『西遊記~はじまりのはじまり~』 が新レーベル "GOLDEN ASIA" の第1弾作品に!
2014年07月22日(火曜日)

日活と東宝東和がタッグを組み立ち上げた新レーベル "GOLDEN ASIA" のラインナップ発表と、その新レーベル第1弾作品となる 『西遊記~はじまりのはじまり~』 を手掛けたチャウ・シンチー監督の来日会見が、7/22(火)都内で行われました。

140722_ga00.jpg

会見は二部構成で、《第1部》 は日活と東宝東和の初タッグにより実現した新レーベル "GOLDEN ASIA" のラインナップ発表会見。

"GOLDEN ASIA" は、アジア諸国と日本の文化の架け橋として、 アジア各国の第一級作品を日本の映画ファンに提供する【アジア映画最強のレーベル】 がコンセプト。それぞれの国で興収第一位獲得や映画賞受賞など "実績ある作品" がレーベル対象作品の選定基準となります。

そして本レーベルの記念すべき 【第1弾】 作品が、あの 『少林サッカー』 や 『カンフーハッスル』 などで皆さんご存知のチャウ・シンチー監督最新作で、2013年中国映画興行記録1位、全世界で200億円超えのメガヒットを記録し、本年11月に日本公開が決定している 『西遊記 ~はじまりのはじまり~』。続く 【第2弾】 は、全世界興収も製作費もインド映画史上歴代No.1を樹立した 『チェイス!』(2014年12月公開)。【第3弾】 は、インドの実在のアスリートを描き、51もの映画賞に輝いた 『BHAAG MILKHA BHAAG(原題)』(2015年公開)であることが発表されました。

会見の 《第2部》 は、『ミラクル7号』 以来6年ぶりの来日となるチャウ・シンチー監督来日会見。今回 "GOLDEN ASIA" 第1弾作品に選ばれた 『西遊記~はじまりのはじまり~』 は、2013年に中国で公開されると、15日間で148億円の興行スピード新記録を樹立。中国の映画興行歴代2位を記録し、世界歴代中国語映画興行ランキング1位に輝いたエンタテインメント超大作です!

順番が逆になりますが、まずは皆さんお待ちかね 《第2部》 チャウ・シンチー監督来日会見の模様からお伝えします。

■■ 《第2部》 来日会見 ■■

*MCから紹介されたチャウ・シンチー監督、『Gメン'75』 のテーマ曲でご登場!*

― 監督の久々の来日を楽しみにしていました。まずは、一言お願いいたします。

日本の皆さん、こんにちは!しばらく日本に来ていませんでしたが、また皆さんにお会い出来てすごく嬉しく思います。

― 今回 "GOLDEN ASIA" 第1弾作品に 『西遊記~はじまりのはじまり~』 を選ばせていただきましたが、どのようなお気持ちですか?

皆さん中々お目が高いと思っています。この映画を選ばずに、どの映画を選びましょうか?(記者たちから拍手)

― 本作は日本でも馴染み深い 『西遊記』 の "はじまりの物語" ですが、どのように思いついて映画化に着手したのでしょう?キャスティングなどはスムーズに決められたのでしょうか?

僕自身 『西遊記』 がすごく好きで、以前から撮ってみたいと思っていました。キャスティングはすごく順調で、映画を観ていただくと分かりますが、色々な役柄の方がすごく素晴らしい演技をみせてくれています。

140722_ga1.jpg

― チャウ・シンチー監督作品と言えばキャラクターが個性的でチャーミングですが、ストーリーもオリジナリティ溢れていますね。脚本はどれくらいの期間で出来上がったのでしょうか?

脚本は、かなり前から手掛けていました。1995年に最初の 『西遊記』 を撮ったのですが、その後から 「どうすればもっと良いものが撮れるか?」 と色々考えました。『西遊記』 という物語には色々な要素が含まれていますので、脚本に関してはだいたい10年くらいかかりました。

― 今日監督が登場される時のミュージックもそうでしたが、『Gメン'75』 の曲がかかるシーンがとてもインパクトがありました。選曲にあたってエピソードなどがあれば教えてください。

日本の方々から同じような質問をいっぱい受けているのですが(笑)、まずは僕自身がGメンの大ファンであることが要因です。それから、三蔵法師が三人の弟子を連れて悪を撲滅するというストーリーにGメンがすごくあっているなと思ったのです。

― 6年ぶりの来日ということで、久しぶりの日本はいかがですか?そして日本では本作にどのような反応があると思いますか?

昨日の夜着いたばかりでまだ外へは出ていないのですが、まずは日本の美味しいラーメンを食べたいです。この映画に関しては、もちろん日本の方々にも気に入っていただければと思っています。

― クランクインの時に監督が描いていた映画の完成イメージと、実際に完成した作品をご覧になった後の印象とでは、異なりましたか?それともイメージどおりでしたか?

撮り始めた最初の頃は、「うまく撮れるかな?」 という心配があり、すごくドキドキしていました。しかし実際に撮り終わってみると、すごく満足のいくものが出来ました。それは役者に関しても、アクションに関しても、自分が思っていた以上のものが出来たので、すごく嬉しかったです。

― 『西遊記』 が元で、日本では 「ドラゴンボール」 というアニメが出来たのですが、本作は「ドラゴンボール」の影響は受けていますか?

すごく大きな影響があります。孫悟空の変化する見た目などは、ドラゴンボールからひらめきを受けています。

― 今回は、ご出演されずに監督だけをやられた理由を教えてください。

自分にあった役柄がなかったということです。よさそうな役柄があっても出番があまりなかったので、自分では気に入らなかったのです(笑)。というのは、僕は主人公しかやりませんから。脇役はまったく興味ありません(笑)。

140722_ga2.jpg

― 主演の三蔵法師役にウェン・ジャンさんを選ばれた決め手は、どこだったのでしょうか?

キャスティングする時はだいたい自分の直感で選ぶことが多いのですが、彼の場合は見た目がこの役にあっていたということと、彼自身仏教のことをすごく勉強されていることが決め手でした。

― 中国の映画市場が飛躍的に伸びていく中、以前と比べて映像を作る環境、例えば撮影現場などに何か変化は起きているのでしょうか?

以前に比べて、今この時がすごく良い時代だと思います。中国でも映画産業がすごく発展をとげてきており、ひとつの大きな市場が出来ましたので、今が一番良い時だと思います。

― 本作には "はじまりのはじまり" という副題がついていますが、続きを作る予定はあるのでしょうか?

『西遊記』 というのはひとつのシリーズものだと僕は思っています。色々な物語があって、色々な要素が含まれているので、続編ということは僕としても既に考えています。

― 妖怪ハンター役のスー・チーさんを起用した理由をお聞かせください。

まずスー・チーさんは、女優としてすごく素晴らしいということ。そしてこの映画に出てくる役柄が彼女にピッタリだったということです。彼女はすごくセクシーでもあり、強くもあります。愛情のために自分を犠牲に出来るキャラクターということで、彼女を選びました。

― 主役のウェン・ジャンさんは日本であまり馴染みがないのですが、例えば監督の若い頃と比べてここが叶わないな・・みたいなところがありますか?

彼には潜在能力があったということと、キャスティングした頃はまだギャラが高くなかったので起用しました(笑)。ただ今は大スターになっていますから、いま彼を起用しようとするとスゴク大変です(笑)。

― (アクションもたくさんあり)かなり大変な現場だったと思うのですが、怪我をされた方はいなかったのでしょうか?

安全設備をしっかりしていましたので、怪我をした人はひとりもいませんでした。

― メインキャスト以外の方のキャスティングについても教えてください。

僕は役者を選ぶ時に、その人が別にプロの方でなくてもフィーリングで 「能力がありそうだな」 と思うと、起用したりします。元々はスタッフで、専門の役者の方ではない人もキャスティングしています。

― 孫悟空役のホアン・ボーさんとスー・チーさんがダンスするシーンがありますが、アドリブですか?それとも監督の演出ですか?

ダンスに関しては僕の演出ではありません。僕はダンスが出来ないですし。孫悟空役のホワン・ボーさんは中国ではすごく有名な役者さんで、以前は有名なダンサーだったのです。なので、あのダンスは現場でアドリブでやっています。

― 今回は "GOLDEN ASIA" 第1弾作品ということですが、今後日本のスタッフや俳優と組んで映画を撮っていきたいというお気持ちはありますか?興味ある日本の俳優やスタッフなどがいらっしゃるようでしたお聞かせください。

それは、もちろん興味があります。今までもずっとそういうチャンスがないかなと考えていました。僕は、黒澤明監督の大ファンです。

140722_ga3.jpg

『西遊記~はじまりのはじまり~』 は、2014年11月 TOHOシネマズ有楽座他、公開!

■■ 《第1部》 "GOLDEN ASIA" ラインナップ発表会見 ■■

*会見に先立ち、"GOLDEN ASIA" レーベル映像とラインナップ3作品のオリジナル予告篇を上映*

MC  "GOLDEN ASIA" は、2013年にインド映画 『きっと、うまくいく』 を大ヒットさせ、2014年にインドネシアとの合作 『KILLERS/キラーズ』 を製作した "日活" と、1970年代~80年代に多くの "ブルース・リー作品"、"ジャッキー・チェン作品"、「Mr.Boo!」 シリーズ、「少林寺」 シリーズを仕掛けてブームを巻き起こし、また2008年~09年には 「レッド・クリフ」 シリーズ等、アジアを代表する香港・中国映画のヒット作を世に送り出している "東宝東和" が、本格的にタッグを組んで立ち上げた新レーベルです。まずは、新レーベル "GOLDEN ASIA" 提供・配給の日活株式会社 代表取締役社長 佐藤直樹よりご挨拶申し上げます。

佐藤社長 本日はお暑い中、大勢の方にお集まりいただき、心より御礼申し上げます。"アツイ" と言いますと、経済的にはもちろん、文化的にも今世界中の注目を集めているのがアジアです。そのアジアの選りすぐりの作品を日本のお客様にお届けするために、私共はこのレーベルを立ち上げました。

一昨年100周年を迎えた日活は、次の100年に向けて積極的に日本の外へ打って出ることで、日本の映画・映像産業に貢献出来ると考えました。そのキーワードは、国際共同製作です。重要なことは、アジアの優れた作品を通して監督や役者の優れた才能と出会う機会をさらに増やし、日本のお客様に優れたアジア映画をお伝えしていくことによって、より強い結びつきを作っていくことではないかと考えました。

アジア映画で大変な実績・歴史を持っていらっしゃる東宝東和さんとパートナーシップを組むことが出来、そして "GOLDEN ASIA" のスタート作品に、素晴らしい豪華ラインナップが組めたことを大変光栄に思っております。このラインナップを成功させることは、アジア映画全体の非常に大きな力を示すこととなり、アジア映画と日本映画の文化的な架け橋になるという意味でも、大変重要なプロジェクトであると考えております。ぜひ、ご理解を賜りまして、"GOLDEN ASIA" の応援をいただければと思います。

140722_ga4.jpg

MC 続いて、新レーベル "GOLDEN ASIA" 配給の東宝東和株式会社 代表取締役社長 松岡宏泰よりご挨拶申し上げます。

松岡社長  お忙しい中、たくさんの方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。佐藤社長にお話いただいた通り、"GOLDEN ASIA" は本当に素晴らしい主旨のプロジェクトですので、東宝東和としても賛同し、参加させていただくこととなりました。

東宝東和は、1928年に創始者の川喜多長政が 「我々は、東洋と西洋の文化の架け橋になる」 という素晴らしい理念の下に会社を作り、それから各国の作品を輸入・配給して現在に至っております。振り返ってみますと、東宝東和は 「この作品ならたくさんの方に観ていただけるだろう」 という商業性の高い映画と、「一人でも多くの方に観ていただかくては・・」 という芸術性、その両方を追い求めてきたのではないかなと思います。

"GOLDEN ASIA" は、その両方を追いかける素晴らしいプロジェクトだと思いますし、日本の映画業界のパイオニアである日活と東宝東和がガッチリとタッグを組んでこの企画を成功させることは、本当に大きな意味があると考えております。"GOLDEN ASIA" を大成功させるため、出来ることはすべてやっていくつもりです。ぜひ、ご協力・ご指導・ご鞭撻の程お願いいたします。

140722_ga5.jpg

*ここからは日活の杉原取締役も加わり、質疑応答タイム*

― このようなレーベルは日本では大変珍しいと思いますが、改めて本日のお気持ちをお聞かせ下さい。

佐藤社長 期待に胸が躍っております。ビジネスも文化も、一方通行ではダメだと思っています。多様な価値観を受け入れるのが映画だと思いますし、100年の歴史がある日活もそうやって生きてきました。ディストリビューションとして素晴らしい実績を持っていらっしゃる東宝東和さんとご一緒させていただくことによって、このレーベルが立ち上がりました。このような試みがどんどん出てくれば、より活性化出来るのではないかなと思っております。

松岡社長 私も期待で胸がいっぱい・・と言いたいところですが、やはりこれだけのプロジェクトですので正直期待と不安の両方がございます。しかし、日活さんと組ませていただくわけですし、本当に素晴らしい出来の作品を世の中に出しますので、何とか結実させたいと思っております。

140722_ga8.jpg

― パートナーを組むに至った経緯やメリットなどをもう少しお伺いしたいと思います。

佐藤社長 昨年 『きっと、うまくいく』 というインド映画が大変高い評価をいただくと同時にビジネス的にも成功をおさめることが出来、日活にとって非常に大きな転機となった作品でした。日活は作って売る会社です。先ほど 「一方通行はダメ」 と申し上げましたが、これから私どもが海外へ打って出るためにも、アジアの優れたクリエーター達とのネットワークを強化する意味で、とても重要なことになるというのが当社のメリットかと思います。

松岡社長 私たち配給会社は、良い映画があれば飛びつきたい。そんな時に日活さんからお声掛けいただきました。最近東宝東和は、ユニバーサル作品の配給やハリウッド作品への投資など、どちらかというとアメリカ寄りになっているかと思います。アジアのことをリアルタイムで察知することは中々難しいのですが、日活さんは共同製作などを通じてアジアに素晴らしいネットワークをお持ちなので、その中からあがってくる作品をご一緒させていただけることが、最大のメリットだと思っております。

― アジアとのネットワークというお話がありましたが、今後このレーベルから新作を作る可能性があるのでしょうか?

佐藤社長 あります。私共は世界で、国際共同製作を積極的に進めていこうと考えております。東宝東和さんのお眼鏡に適うようなしっかりとした作品を海外の監督や役者さんと一緒に作っていきたいと考えています。

― このレーベルを立ち上げるにあたり、今アジアの国々の状況がどうなっているのかと、国内では90年代と比べて香港映画はかなり減っており、産業も停滞している中でアジア映画がどれくらい通じるとお考えでしょうか?

杉原取締役 たしかに日本国内は経済も再生途上ですし、震災からの復興に時間がかかっているといった面もございます。ところがアジアでは、中国は世界の冠たる映画市場のひとつとなっており、市場として大きくなると、その中から大きな才能もいっぱい生まれてきています。日本では最近韓国映画は厳しくなっていますが、実は素晴らしい映画が着々と作られています。インドでは年間1,300本以上も映画が作られており、ハリウッドよりもはるかに多く制作している映画の先進国なんですね。このインドでは、世界市場に向けて映画を作ろうという動きが数年前から進められています。他のASEANの国々も、「映像エンタテインメントビジネスを大きくしていこう」 と活気があります。こういった活気あるアジアの面白い映画を目の肥えている日本人に紹介したいと思っておりますし、勝機は十分にあると思っています。

140722_ga6.jpg


アジア映画最強レーベル "GOLDEN ASIA" 2014年7月始動!

"GOLDEN ASIA" 公式サイトも立ち上がりましたので、ぜひご覧ください!!

『西遊記~はじまりのはじまり~』【STORY】
ここは妖怪によって人間が言葉を奪われた世界。「大いなるものに己を差し出す」 の信念を持った若き妖怪ハンター・三蔵法師は自身を危険にさらしながらも水の妖怪、豚の妖怪、そして妖怪の大王・孫悟空を倒す。敵を弟子として温かく受け入れたことで三蔵法師は 「愛」 の本当の意味を知る。罪を償い人々を助けるために、彼ら4人は天竺への旅に乗り出すのである。それが、西遊記の始まりであった。シンチー節爆発の誰もが知っている 「西遊記」、でもだれもが知らなかった 「西遊記」 を描く、妖怪とんでもねェーンターテインメント!

140722_ga7.jpg



★★日活公式TwitterとFacebookもやってます★★

twitter-bird-light-bgs.jpg asset_f_logo_lg.jpg

西遊記~はじまりのはじまり~

★2014年11月 TOHOシネマズ有楽座他全国公開★

『西遊記~はじまりのはじまり~』

本家、中国で興行成績第1位!
妖怪娯楽バトルエンターテインメント開幕

製作・脚本・監督: チャウ・シンチー

出演:スー・チー(妖怪ハンター)/ホアン・ボー(孫悟空)/ウェン・ジャン(三蔵法師)/ショウ・ルオ(空虚王子)

©2013 Bingo Movie Development Limited



saiyu_1.jpg


★現在公開中の日活ラインナップもご期待下さい★
過去のイベントレポート

新着イベントレポート

PRESENT STAFF
INTERVIEW