イベントレポート

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日本公開目前!『KILLERS/キラーズ』 完成披露試写会で披露されたインドネシア舞踊を見て、北村一輝さんが言わずにはいられなくなったこととは?
2014年01月29日(水曜日)

『冷たい熱帯魚』 『凶悪』 × 『ザ・レイド』 の製作陣がタッグを組んだ新たな衝撃 『KILLERS/キラーズ』 の日本公開を3日後に控えた1/29(水)、日本初お披露目となる完成披露試写会イベントに、主演の北村一輝さんとモー・ブラザーズのティモ・ジャヤント監督が登壇されました!

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去る1/20に【第30回サンダンス映画祭】のワールドプレミアで世界解禁され、"ヒッチコックを超えたサイコ映画!" とサンダンスの観客やメディアを熱狂させた本作ですが、今週末2/1(土)の日本公開初日を目前に、ついにそのベールを脱ぎました!

作品は、北村さん演じる "野村" の狂気が、インドネシア側のもうひとりの主演オカ・アンタラさんだけでなく、スクリーンを通して観客にも伝染しそうな衝撃作。

この日本・インドネシア初合作映画の上映を待つ熱気溢れる会場にまず登場したのは、インドネシア伝統舞踏家でジャワ島ご出身のリアントさんと奥様の川島未来さん。この後繰り広げられる 『KILLERS/キラーズ』 の国境を越えた怪演を前に、きらびやかな衣装でインドネシアの伝統舞踊を披露し、会場を一気にインドネシアムードにしてくださったところで、いよいよ北村さん、ティモ監督のご登場です。

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- まずは、一言ずつご挨拶をお願いします。

北村 今日はお忙しいなか足を運んでいただきまして、ありがとうございます。(なぜかニヤニヤしてしまっている北村さん)挨拶の言葉を考えていたのですが、ちょっと言いたくなったことがありまして(笑)。あの・・・ヒゲつけたら、顔ソックリだなとか(お客様爆笑)。映画と一緒で、このダンスも日本とインドネシアの共同制作だとお伺いしまして、僕は日本側の人間なのですが、このダンスをみたらインドネシア側かなぁなんて思ったり(笑)。すみません・・全然関係ない・・話・・で(笑)。(←ツボにはまり、中々笑いがおさまらない北村さん)

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ティモ監督 本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。監督兼脚本家のティモ・ジャヤントです。本日はお忙しい中お越しいただき、本当に嬉しいです。皆さんの前で何度も言っているのですが、日本で撮影すること、映画を作ることをとても楽しみましたので、それが画面に出ているといいなと思います。今日は楽しんで観ていただければと思います。

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MC さて、今ご披露いただいた舞踊ですが・・・(北村さんとリアントさんが並んで微笑み合う様子に、お客様がクスクス笑い)北村さんがちょっとテレていらっしゃいます(笑)。さて、インドネシアでは結婚式や式典で必ずこういった舞踊が披露されるそうです。今回の演目はふたつの王族の争いを描いたストーリーで、緊張感ある戦いのシーンが見所のひとつということで、 『KILLERS/キラーズ』 のキャッチコピーにもなっている 「もっと綺麗に殺し合おうぜ」 にピッタリと言えるのではないでしょうか。リアントさんは、オバマ大統領の就任式に招待され、大統領の前でも披露されたご経験があるそうです。北村さん、ティモ監督、いかがでしたか

北村 本当に素晴らしくて感動いたしました。(彼が)チラチラこっちを見るんですよ(笑)。

ティモ監督 とても素晴らしかったです。ふたりのダンスは皆さんの気持ちをとても上げていただいたと思うのですが、これから観る映画との差があって面白いかもしれません(笑)。リアントさんはオバマ大統領の前で踊られたということでしたので、オバマ大統領にはぜひ映画も観ていただきたいなと思っています。

MC せっかくですので、リアントさんと川島さんにも感想をうかがいたのですが。

川島さん 本日はこのような場でジャワ舞踊を披露させていただくことが出来、嬉しく思っております。インドネシアと日本は古くから深い交流がありまして、人間の気質も似ている部分があると思うんですね。ですから、今回の日本・インドネシア合作映画もきっと大変面白いものになっていると思いますので、多くの方々にご覧いただければと思います。

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リアントさん ジャワ舞踊は人間の色々な心を表現しており、例えば痛みや悲しみ、喜び、楽しさなどの感情が舞踊の中に含まれています。今回は王の戦いということで、王の権威や強さを奪い合うという意味で、この映画に通づるものを感じると思います。私たちも日本とインドネシアの架け橋として活動していますので、このように披露出来たことを嬉しく思います。それから、あとでこのヒゲを北村さんに渡しますので、ぜひつけてみてください(笑)。コラボレーション!

北村 (笑)

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- いよいよ今週末2/1(土)公開ですが、クオリティは素晴らしいものの色々と規制などもあるタイプの作品ですが、参加してみていかがでしたか?

北村 僕も最初に脚本をいただいた時には 「何が言いたいんだ?」 と思いました。日本で仕事をする時は、脚本を読んで感情移入が出来るか出来ないかという観点で選ぶことが多かったので、「どこに感情移入したらいいのか?」 と、監督に質問したんですね。その時に監督が、「この映画をなぜ撮るかと言ったら、僕たちアジア人の技術を示したい。ハリウッドのようにお金はかけられないが、これだけのものが撮れるんだということを示したい。それにはこういうジャンルが伝えやすいんだ」 と。それから言い方が難しいですが、いま日本では少し問題点があると、上映してはいけない、オンエアしてはいけないという状況が起こることがありますが、そうなると何も作れなくなってしまう。自分が子供の頃に観た映画には、もっと怖い映画がたくさんありましたが、観る人たちがちゃんと判断できていた時代だったと思うんですよね。映画に関わる人間のひとりとして、またそういう時代になったらいいなと思います。そういう色々な考えを含んで、この映画は難しいジャンルではありますが、ぜひやりたいなと思いました。

- 日本とは違う、かなり過激な描写もあったと思うのですが、抵抗はありませんでしたか?

北村 撮っている時には結構激しい感じもしたのですが、出来上がりをみてちょっとビックリしました。日本にも血がいっぱい出る作品はありますが、それとはまたちょっと違います。最初の5分を観ていただければ分かると思うのですが、音やテンポ、編集の仕方やカメラのアングルの違いなどで、これは日本映画ではないと感じると思います。人を殺していく作品なのですが、料理で言うと調理法が良いというか(笑)、過激というよりスタイリッシュな感じで、苦手な人もこういう感じにすれば観られるのかなと思いました。

- 監督は、先日サンダンス映画祭に参加されましたが、現地メディアやお客様の反応はいかがでしたか?

ティモ監督 とても緊張しました。なぜなら、海外の観客の方に映画を観てもらった経験はあるのですが、サンダンス映画祭の観客は日本人と同じように感情を内面に抑えるタイプなので、どうリアクションするのかまったく読めずに上映中ずっと緊張していました。そんなこともあり、ゴネて次の試写には行かなかったのですが(笑)、メールやFacebook、Twitterなどに観た方からのポジティブなコメントやレビューなどがあり、しかも 「サンダンスの観客もメディアもこの映画を応援している」 と聞いて、すごく安心しました。ただ、サンダンスの観客は 「面白かったけど怖かった」 そうです。

MC 北村さんのお芝居を絶賛する声も多くあったと聞きましたが?

ティモ監督 北村さんの感想も、サンダンスでたくさん聞いてきました。「北村さん演じる野村という男は、モンスターだ。とても嫌なヤツだ。ただ、嫌なヤツと分かっていても、そのキャラクターに見入ってしまう。そのカリスマ性に魅了されてしまう」 という感想でした。僕も撮影中に、北村さんから僕があまり答えたくないような質問をいっぱいされて大変だったのですが、それでも一緒にやりたいと思うようなカリスマ性をすごく感じていました。

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MC コアな映画ファンが多いサンダンスでそのような評価をされたことについて、北村さんはいかがですか?

北村 日本国内でどのように観ていただけるかも気になりますが、海外でどのように観てもらえるかも実はすごく気になっていましたので、すごく嬉しいです。というのは、監督やスタッフ含め、インドネシアの方はどちらかというと世界に目を向けているんです。この映画がインドネシアでもR指定になるかもしれないとなった時、監督は 「構わないよ。自分の国で思い通りの上映が難しくても、他の国で上映できれば大丈夫だ」 というようなことを言ったんです。僕たちが自分の国で撮った映画を公開できないとなったら、ものすごく考えるじゃないですか。考え方が違うんですね。それから英語のセリフがかなりあったのですが、「日本人の俳優の英語は何も分からない。やめてくれ!」と言われました(笑)。「日本人は周りの人に巧くみせるための芝居をしてしまうと。例えばRとLの発音をする時に、舌を巻けば巻くほど英語っぽく聞こえたりはするのですが、実際のところは余計わかりにくくなるので、「巧く見せようとするのではなく、伝える英語をちゃんと使ってくれ」 と、ものすごく注意されて、そのせいで何十テイクも・・・30、40、50、60テイクもやらされたりして、その時はもうみんな敵に見えるくらい大嫌いだったんですよ(笑)。でも、本当に良いものを作ろうとする熱意のお陰でこの作品は出来たと感謝していますし、良い思い出です。

MC 今のお話をうかがうと、英語でお芝居をすることは大変だったんですね・・・。

北村 大変です。もう一回言います!ほんっとうに、大っ変です!!お芝居に関しては、インドネシアで英語を使う頃には "野村" というキャラクターは出来ていたので、表現の仕方を色々考えていたのですが、「日本人のままでいてくれ」 と言われましたので、変に外人ぶる必要もなく日本人として素直に英語を喋りましたが・・・やはり大変でした。

- 日本とインドネシア両方の制作現場を経験したことによってそれぞれの良いところ、またはもうちょっと改善した方が良いかな?と思うところなどあったのではないでしょうか?

ティモ監督 日本での撮影は、僕にとって一番の経験だったと思います。日本は特に歴史も長いので、テクニカル部分のスタイルも決まっていたり、俳優の演技に関してもこうあるべきみたいなことがあったのですが、そこは尊敬する部分だと思っています。ただ、僕のアイデアはクレイジーなものが多かったので初めはちょっと心配しましたが、日本のスタッフとうまく合致したので、僕としてはとても満足しています。出来ればまた日本で撮影したいと思っています。

MC インドネシアの制作現場に日本のこういう部分を取り込んだらもっと良くなるのでは?と思うところはありますか?

ティモ監督 今回編集を担当した方はインドネシア人で、彼は日本とインドネシア両方のシーンを編集したのですが、なぜか日本のシーンの方が先にあがってきたんですね。「どうしてそんなに早くできたんだ?」 と聞いたら、日本の役者はどのシーンもどのカットもまったく同じ演技を繰り返しやれるのですが、インドネシア人はテイクによってアクションだったり演技が毎回異なってくるので、選ぶのがすごく難しかったそうです。一貫して同じ演技を何度も出来るというのは、インドネシアも学ぶべきところなのかもしれないですね。

北村 日本で撮影している時に監督がすごく喜んでいたのですが、日本は小道具などがすごく細かいんです。インドネシアの小道具は壊れやすかったり(笑)。日本人の細かさは素晴らしいと思います。カメラや照明など全ての技術において、日本は時間をかけてキッチリ作ってから、テストの点で言うと80点以上の状況を作ってからやるのですが、インドネシアは音待ちや照明待ちもなくどんどん撮っていくスタイルです。1日でたぶん日本の3倍以上の分量の撮影が出来るんですね。その分待ち時間も少ないので、テンション的にもずっと盛り上がったまま出来ますし、そこはいいなと思いました。ただ、日本の時間をかける技術も大事かなと思うこともありますし、どちらが良いということではないですね。それから、インドネシアのスタッフは海外で勉強して帰ってきた20代の方がほとんどで、全員がipadを持って次々編集されていくんですよ。本当に時間のロスがなくて早いなと。映画を観ていただければどちらも素晴らしい画になっていると思いますし、それぞれが良いところなのではないかと思います。

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- 海外の作品に参加したからこそ見える、日本映画はこれからどうなっていくとより良いのか?については、北村さんはどのようにお考えでしょうか?

北村 10、20年前と違ってインターネットなど色々なものが普及して、国同士のパイプを持つようになってきている中で、インドネシアにはインドネシア語があり、第2外国語として英語を話すのですが、ほとんどの人が完璧に話すんですよね。ところが言葉の壁という部分で、日本は合作であったり、そのための他国とのパイプというものが少ない状況です。色々な国の方たちと知り合いになればなるほどそれを感じるので、この映画を機に、1本ではなくパイプを何本も繋げていけたらいいなと思いますし、自分含め、そういうふうに映画界が広がっていけばいいなと思います。

MC 今後も、海外からオファーがきた時には参加されますか?

北村 そうですね。ぜひ頑張って・・・次はヒゲつけて(笑)。

- 最後になりますが、本作の見どころなど踏まえ、もう一言ずつお願いします。

ティモ監督 どこを観てほしいというのは制作者としては言いにくいところもあるのですが、一番誇れるものとして、役者の皆さんの演技をぜひみていただきたいと思っています。皆さん難しい役だったと思うのですが、北村さんはじめインドネシア側のオカ・アンタラさんやそれ以外のキャストの皆さんと一緒に緊張感をもって仕事できたのは、僕にとってすごく良い経験になったと思いますし、それが画面上にも出ていると思いますので、それを感じていただければと思います。

北村 今回の演出はすべて監督に細かく指示していただいたお陰で、外国から見た日本という感じがする部分もあるので、日本映画とは違うノリで観ていただけると思います。海外に向けて作るとは、こういうことなのかなと思って取り組んだ作品でありますし、どぎついシーンもあるとは思いますが、堪能していただけたらいいなと思っております。

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★世界最速の2014年2月1日(土)より、テアトル新宿ほか全国公開★

『冷たい熱帯魚』 『凶悪』 × 『ザ・レイド』 製作陣がタッグを組んだ、新たな衝撃をぜひ劇場でご覧ください!




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KILLERS/キラーズ

★2014年2月1日(土) テアトル新宿ほか全国ロードショー★

『KILLERS/キラーズ』

阿鼻叫喚の劇毒エンターテインメント!

監督:モー・ブラザーズ

出演:北村一輝 オカ・アンタラ 高梨臨  ルナ・マヤ
黒川芽以 でんでん レイ・サヘタピー

© 2013 NIKKATSU/Guerilla Merah Films



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