今週末2/23(土)公開 『横道世之介』 俳優陣が大学でトークイベント!
2013年02月20日(水曜日)

  

今週末2/23(土)より全国公開となる 『横道世之介』 のトークイベントが、映画の舞台でもある法政大学で、2/20(水)に行われました!

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『横道世之介』は、著作が次々と映画化されている吉田修一氏の同名小説が原作。不器用ながらも真っ直ぐに生きる世之介と周りの人たちを、優しさとユーモアにとんだ演出で包み込んだ作品で、メガホンをとったのは沖田修一監督。そして監督とは4本目の仕事となる高良健吾さんが主人公・世之介を演じる他、若手からベテランまで豪華キャストが顔を揃え、待望の映画化となりました。

この日のトークイベント会場である法政大学は、映画の舞台であり、昨年3月には新校舎とは対照的に昔の面影を残す校舎を使って、実際に撮影も行われました。劇中の随所で1987年当時の法政大学の雰囲気が再現されており、その頃を知る卒業生にとっては、そのあたりも本作の楽しみ方のひとつと言えそうです。そして、そんな当時の法政大学が見事に再現されていることを懐かしむ卒業生のひとり、フリーアナウンサーの小島奈津子さんがこの日のMC。彼女の呼びかけで、高良健吾さん、池松壮亮さん、綾野剛さん、沖田修一監督が姿を現すと、ホールに集まった約600名の現役法大生、OB・OGからは黄色い歓声があがりました。

― まずは、一言ずつご挨拶をお願いします。

沖田監督 僕を見に来てくださった方はいるのでしょうか(笑)?法政大学ではお世話になりました。これから公開になりますが、よろしくお願いいたします。

高良 こんにちは。横道世之介役をやらせていただきました、高良健吾です。舞台裏でみんなでケンカしていたので険悪なムードで進むかもしれませんが、よろしくお願いします(笑)。

池松 今日は、ありがとうございました。あの・・・僕もイイと思うので、綾野さんへ。

学生さん えー!!!

綾野 まあまあ(笑)。皆さん、お疲れさまです。観ていただいて、ありがとうございます。短い時間ですが、皆さんと一緒に楽しめたらと思っております。よろしくお願いします。

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― まずは沖田監督にうかがいたいのですが、87~88年当時の法政大学がちゃんと再現されていて、ディテールにものすごく拘られたのですね?

沖田監督 87年頃は僕もまだ小学校5年生くらいですから全然分からなかったのですが、周りの方にたくさん話を聞いたり、資料を見ながらではありましたが、スタッフの方が気合を入れて作ってくれました。なので僕と言うよりは、スタッフの方たちの頑張りにありがとうございますという感じです。

MC 監督も今をときめく沖田監督ですが・・・

沖田監督 はい、ときめいてます(笑)。

MC そうですよね!そして高良さん、池松さん、綾野さんという今をときめく俳優さんたちをキャスティングするのは大変だったと思いますが、"この役は、この方"という決め手はそれぞれどのあたりだったのでしょう?

沖田監督 直感と言うか「何か、いいんじゃないかな?」と思ったとしか言えないんですよね。小学校時代にやったドッヂボールなどの班分けで、ジャンケンして誰か選ぶみたいな感覚というか(笑)。

MC 高良さんとは今回で4回目のタッグと聞いていますが、世之介は高良さんというイメージがあったのですか?

沖田監督 そうですね。それに今までは主役ではなくて、いつか主役で一緒にやってみたいと思っていたので、良いタイミングだなという感じでした。

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MC 綾野さんの役も難しい役柄で、これを綾野さんに決めたポイントは?

綾野 ジャンケンの感覚で、マイノリティな役を振られたとは思いませんでしたよ(笑)。

沖田監督 いやいや、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎました(笑)。綾野さんにはゲイの役とだけ言ったんですよね。

綾野 そうですよ。最初にお会いした時に、ただゲイとだけ言われたので、一言「分かりました」と答え、その他一切演出をうけておりません(笑)。

MC 倉持役は、池松さんという感じだったのですか?

沖田監督 色んな出演作を観ていて良いなと思っていたので、倉持役を考えた時に「よさそうだな」と思いました。

― 今回事前に質問を募ったところ「恋愛観を聞いてみたい」という質問が多くありました。本作には、吉高さん演じるお嬢様の祥子、伊藤さん演じるミステリアスな大人の女性・千春、朝倉さん演じる女性としての強さを感じる唯など、色々なタイプの女性が登場します。この3人に限らず、皆さんが魅力を感じる女性はどのようなタイプでしょう?

高良 つまらない答えでも良いですか?やさしい人がいいです。何と言うか・・・思いやりのある人がいいです。

MC 強い女性よりも、色々と思いやって家を守ってくれるようなということですかね?

高良 うーん・・・・。ど、どうですか?

綾野 要は、何となく良い感じのものは全部ほしい・・・ということで良いですか?

高良 はい(笑)。ごめんなさい、つまらない答えですよね・・・。

MC そんなことないですよ!池松さんは、いかがですか?

池松 ・・・・・・・・大学生が、いいです。

学生さん キャー♪

池松 ウソです。ごめんなさい、冗談です。

MC ウソって言われたら・・・(笑)。

池松 あ・・・ごめんなさい。真面目に答えると、10代だったら祥子さんで、20代だったら千春さんで、30代だったら唯さん。たぶん沖田さんがそうなんじゃないかなぁって思いました。

高良 監督の恋愛観が出てる?!

綾野 それだったら(原作者の)吉田さんなんじゃないの?

高良 そうか(笑)。

MC たしかに、原作者である吉田さんの恋愛観が出ているかもしれませんね!綾野さんはいかがでしょう?

綾野 放っといて良いなら、見ていて楽しいのは吉高さん演じる祥子ですよね。僕は、喜怒哀楽のハッキリしている気持ちの良い女性が良いですね。それ以外は、何もいらないです。

MC 感情が高ぶって思いっきりケンカするような女性でも?

綾野 どんなにケンカしようとしてきてもウンウンって聞いているだけで、こっちからは絶対に乗っていかないで「何かおいしいものでも食べる?」という感じになるので。

MC 皆さん拍手してますよ!

綾野 いやいや・・。ホントね、分かりやすい方がいいですよ。

沖田監督 僕は唯がいいですねぇ。単純に黒髪でかわいいなぁと。・・・今年36歳になるのに「かわいいなぁ」とか言って、自分なに言ってるんだろ。バカだなぁ(苦笑)。申し訳ないです。

綾野 僕も四の五の言いましたけど、女性だったら良いです(笑)。

― 「法政大学での撮影で、印象に残っていることがあれば教えてください」という質問も多いですが?

沖田監督 学生ホールにサークルの貼り紙を思いっきり貼って、時代を作り変えたのが結構面白かったなと思います。世之介と加藤が初めて話すシーンを撮影している時には、周りの雰囲気がタイムスリップしたみたいな感覚が残っていますね。

MC そのシーンに出ている缶ジュースなどが懐かしくて、細かいところにまで拘っているのがみえました!高良さんの印象に残る場面はどこでしょう?

高良 自分は法政大学での撮影で剛くんと初めて会って、その日に剛くん演じる加藤と出会うシーンを撮影しました。「初めまして」だったのですが、すごく楽しくやれたのが印象的です。

MC 昔ながらの法政大学で撮影したわけですが、入った瞬間何か感じるものはありましたか?

高良 学生ホールのセットは、その後飾りのない状態で行った時に全然違うものになっていて、ビックリしました。役になって現場に行っていた時には「セットすごいな」とは思うんですけど、普通にサーッと入っていけるくらい溶け込めるセットだったんですよね。なので、その時はあまり特別な感情は持たず、帰りに「そう言えば、あのセット凄かったよな」と思う感じでしたね。

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MC 池松さんはまもなく大学をご卒業ということで、ご自分が通われている大学とは印象が違ったと思いますが、いかがでしたか?

池松 僕(撮影では)来てないですね。今日が初めてです。

MC そうでしたか?!では、今日の印象は?

池松 イケメン、美女ぞろいだなと(笑)。それに(自分の通っている大学には)こんな広い場所はないはずです。

MC 綾野さんはいかがですか?

綾野 法政大学というと撮影した劇中のイメージしかなかったのですが、ここはでっかいビルでシネコンみたいなので今ビックリしています。それから完全に個人的な話ですが、僕は箱根駅伝が好きで、法政大学の選手は陸連に対して媚びていないというイメージがあって、実力があるのにカッコイイ。そこが僕が個人的に法政大学が大好きなところです。(学生さんたちから大きな拍手)

― 続いては「青春時代の忘れられない思い出は?」ということですが、いかがでしょうか?

高良 今まだ青春真っ只中だと思っているのですが、忘れられない思い出は、中学3年生の時に好きな女の子がいて、その子は別の"けんご"くんが好きだったのですが告白したら付き合ってくれたんです。でも2~3週間後に「やっぱり健吾とけんごくん、どっちが好きか分からない」と言ってフラれました。すごくイヤな思い出です(笑)。

池松 僕はそういう面白いエピソードがないんです・・・。というのも僕は高校まで福岡にいて、野球しかやっていなかったので・・・・ないですねぇ。これから何か待っていると良いですね。

綾野 31歳ですが、現在も青春真っ只中です(笑)。忘れられない思い出、何かあったかな?高校を卒業して上京したのですが、初めてスクランブル交差点に立った時に、誰も自分のことを知らないから「何て自由なんだ!」と、その瞬間に青春を感じましたね。誰も自分のことを知らないから、何だか楽だったんですよね。すごい至近距離ですれ違うのに絶対に混ざらないし、間違いなく知り合いはいないから、絶対的な自由みたいなものを10秒くらい感じましたね。10秒くらい経つと、目的があって各々スクランブル交差点を越えていくわけですが、(自分は)目的がないから「やばいな。この街って目的を持っていないと本当にどこに進んでいったらいいか分からなくなる街だな」とも思いましたね。

沖田監督 僕は大学時代寝てた思い出くらいしかないという感じですが、暇なので家の近所にあった桜の木の近くに、毎日同じ時間、同じ位置にビデオカメラを置いていました。桜が咲いてから散るまでをコマ撮りで繋いでみたら面白いんじゃないかと思って、それを毎日やっている自分って何なんだろうとか思いながら寂しくやっていましたが、繋いでみたらあっという間に咲いて、あっという間に散りました(笑)。

MC やはり当時から映像に対する想いがあったんですね?!

沖田監督 そうですね。映画はやりたかったですね。

― 「ご自身が選んだ道に進むキッカケとなったエピソードがあれば、ぜひ教えてください」ということですが?

沖田監督 今回共同で脚本を書いた前田司郎くんは中学からの同級生で、彼とビデオカメラを使って本当にくだらないものばかり撮って遊んでいたのですが、それがだんだん面白くなってきたんです。自分達の作るのは、一生懸命作っても5分くらいなもんなんですよ。なので2時間あるってすごいなと思って映画をたくさん観るようになり、自分もやってみたいなと思うようになりましたね。

高良 僕は、中学校2年生の時にやっていた「私立探偵 濱マイク」というドラマが大好きで、テレビに噛り付いてみたドラマはそれしか記憶にないのですが、そのドラマは1話ずつ違う監督が撮っているんですね。それで「この回が面白かった。監督は誰なんだろう?」と思ってメモして、その監督の作品を借りてみる・・・というのを繰り返していたら映画がすごく好きになり、こういう仕事に興味を持つようになりました。でも、興味があると言っても役者は絶対に自分には出来ないと思っていましたし、自分の中にその選択肢はありませんでした。僕は初めての芝居が小学校5年生の時の学習発表会で「滝廉太郎の生涯」という劇をやったのですが、本当に嫌だったので僕はセリフのない滝廉太郎の銅像役をやったんですよ。(会場大爆笑)それくらい喋るのが嫌だったんです。

池松 僕は、姉ちゃんが児童劇団でやっていて、オーディションの話があったんですね。でも、今もそうですが(笑)当時人前に出るのが大嫌いで全く興味がなく、親に「度胸試しで行って来い。人前で何かやって来い」と言われても「野球の試合があるんだ」と言って嫌がっていたのですが、当時すごく流行っていた300円の野球カードを「2個買ってやる」と言われて、600円なんて持っていなかったから「やってやる!」と思ってオーディションに行ったのが始まりです。

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MC 600円が運命を変えたということですね!

沖田監督 子供の頃って、カネに釣られるよね(笑)?

池松 そうですよね。夢みたいな話でした。結局買ってもらえなかったんですけどね(笑)。

MC 買ってもらえなかったんですか?!でも、600円以上の大きな価値がありましたね。

池松 そうですね。

MC 綾野さんのキッカケは?

綾野 そうですね・・・ちょっと余談いいですか?「私立探偵 濱マイク」の話がさっき出ましたが、僕18歳か19歳の頃に、青山真治監督が撮った回に実はエキストラで出ているんですよ。

高良 マジ?!

綾野 「交通費込みで6,000円出すからやらないか?」って言われて(笑)。

MC 先ほどは600円でしたが、こちらは6,000円!

綾野 それで「行く!行く!」と言ったのですが、8時間くらいイスに座っていて、大失敗したと思いました(笑)。

高良 僕、青山さんと同じ幼稚園っす。オーディションの時に○○に住んでて、○○幼稚園に通ってて・・・と言ったら「一緒だよ!」と言われて受かったんですよ(笑)。

綾野 マジで?すごいな。余談も余談じゃなくなるんだから、話してみるもんですね。で、キッカケの話ですよね?僕は高校を卒業してすぐに東京に出て来ましたが、生活するために東京にいるんじゃなくて、東京にいる理由を自分で作るためにバイトもするし、生活していかなきゃいけないという観点がありました。そこで何をしようかなと思っていた時に僕の場合はスカウトされたのですが、僕は中学や高校の演劇部を「あんな恥ずかしいことをやるのは恥だ」という思いが常にあってバカにしていたタイプだったので「芝居はしたくないです」と言っていました。今は恥だとは思っていませんが(笑)、今でも恥ずかしいですけどね。それにこうやって人前に出ることがとても不慣れで、というのも僕達はカメラの前で芝居はしていますが、役も入っていない状態で人前に出ることは少ないですから。そんな中で受かってしまったオーディションがあり、その時の監督が素人の僕に対して真剣に向き合ってくれたことが響いたんでしょうね。僕は21歳からこの仕事を始めたのですが、初めて会ったのにオーディションで怒られるし、よく分からないし、しかも当時の僕は監督に「ちょっと台本みせて」ってタメ口だったんです(苦笑)。今考えたら、カスみたいですよね。

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MC 尖がっていたんですね!

綾野 尖がっていたというより、礼節がなかったですね。そんな中でも掴んでくれたことが嬉しかったんでしょうね。だから何となく現場の階段をあがっている最中に、ふと「あ、役者やろうかな」と思って、それで10年くらい経ちました。

沖田監督 僕も、カメラがないと人前に出るのはちょっと恥ずかしいです。僕も人前に出るのが嫌で、映画は再生ボタンだけ押せばいいんじゃないかと思っていたんですけど、こんなに大勢の前で喋ることになってしまいました(笑)。

*** ここからは、学生さんとの直接のQ&Aタイム ***

― 女の子と会話が続かないのですが、どうしたら良いでしょうか?

綾野 分かります、その気持ち。そもそも僕達に聞くことじゃないかもしれないですけど(笑)、黙って隣に座っているのが一番良いですよ。(女子学生達から「かっこいいー!」の声)ただ隣に存在するだけでいいと思うので、1回ためしてみてください。

高良 目をかすめたら良いんじゃないですか?スッゴイかすめてみる。

MC 参考になりましたか?!

学生さん はい、がんばります!

― 4月から社会人になるのですが、ちゃんとやっていくにはどうしたら良いかアドバイスお願いします!

綾野 自分で考えなさい(笑)。

学生さん えー!!?(会場爆笑)

MC じゃ、続いて・・・

綾野 いやいや、真剣に質問してるんだもんね。ごめんごめん(笑)。

高良 えっと・・・人のせいにしないことかな、たぶん。僕、年の近い人にあまりアドバイスとか出来ないんですよね・・・。

綾野 でも、すごく明確なアドバイスだと思う。人のせいにしないとか、自分で考えるってね。大丈夫!僕も当時は髪の毛が青とか信号みたいな色だったりモヒカンだったりでしたけど、31歳になって今こうしてここに立っているので、まずは行きましょう!

学生さん はいっ♪

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― 映画サークルに入っていて将来仕事として映画を作っていきたいのですが、3年生になったら就職活動などどうするんだろうと不安になります。沖田監督は学生時代どのように不安を解消し、卒業後も映画を撮られているのでしょうか?

沖田監督 不安は今でも不安なのですが、学生の時に就職は一切考えなかったです。卒業しても自分で映画を撮りたいと思っていたので、就職することに意味がないと僕は思っていて、そういった活動は一切しませんでした。カメラの撮影や編集が出来、完パケまで作れるということで、バイトしながら映像の必要なところに色々と出向いて行きました。そこでわりと良いお金がもらえたので、それを貯めて自主映画を作り、作ってはみせるという行為を繰り返してきました。『横道世之介』もその一環という感じで、ずっと変わらずにやっています。学生の時は先への不安もあったかもしれませんが、それ以上に「作りたい!」と思っていたので、あまり考えないようにしていましたね。30歳くらいまでバイトしていましたし(笑)。

学生さん では、あまり考えないで30歳くらいまで作り続けます!

沖田監督 はい。

― 最後に、もう一言ずつメッセージをお願いします。

沖田監督 映画をご覧いただいた方と面と向かってお話する機会は中々ないので、撮影した法政大学でこういったイベントをやっていただけることを嬉しく思っています。また、監督としてはこの3人と舞台にあがれることも中々ないので、本当に今日は楽しくてソワソワしていました。この映画はこれから公開されますが、末永く誰かの1本になれる作品なんじゃないかと思いながら作りましたので、皆さんの中で末永く思っていてくれたら嬉しいなと思います。今日はありがとうございました。

高良 この4人で話すのが初めてで楽しくて、最初ちょっとふざけちゃいました。ケンカしてないっす。ウソです。ごめんなさい。でも、楽しかったです。横道世之介という役をやらせていただいた僕は、どんな役者さんよりもきっと得したんだと思っています。今回は横道世之介にスポットが当たっているから彼の人生が輝いてみえたと思いますが、普通の日常でも世之介は目の前にいる人や出来事にちゃんと反応しているんですね。世之介は"普通の学生"と言われますが、僕は普通とは思っていなくて、普通じゃないこともすごく普通にみせていたりするんです。つまらないなとか平凡だなと思うことは僕もありますが、でもちゃんと自分にスポットライトを当てると言うか、自分にフォーカスをあわせたら、自分の人生にだってちゃんとドラマはあるし、面白いことってたくさんあって、自分も人に影響を与えているし、影響を与えられている。『横道世之介』は、そういう映画だと僕は思っています。上映時間は2時間40分と長いですが、観終わった後に映画のことを考えたり、皆さんの中で育っていったりする、2時間40分以上の映画なんですよね。それってすごい映画だなと思っています。僕は毎回言っているのですが、『横道世之介』という映画はこの世に存在していますが、観ない人にとっては"無いもの"なんですね。それはどんな映画にしてもそうですが、この世には存在しているけれども、観ない人たちにとっては"無い"んです。映画は観てもらって"在るもの"になり、観た方の中で育っていきます。僕はこの『横道世之介』という映画が大好きですし、出ているみんなも素敵で、スタッフも監督も大好きなので、多くの人にとって"在るもの"になってほしいと思っています。この場所からいろんな人に広がっていき、多くの人に『横道世之介』を"在るもの"にしていっていただけたら幸せです。自分が大学生の人達に「こうした方がいいよ」とは何も言えませんが、"人のせいにしない"ということは自分の中で決めています。つまらないなと思うこともありますが、自分の心の構え方で楽しくなりますし、楽しむという気持ちだけは忘れずにいて自分は良かったと思うので、皆さんも楽しんでください。本当に、今日はありがとうございました。

池松 本当に楽しかったです。ありがとうございます。僕らも楽しかったですが、入ってきた瞬間みなさんがちょっと良い顔しているように見えて、すごく嬉しかったです。このホールの扉を出た瞬間、1週間でも、1日だけでも、今日だけでも良いのですが、この映画を観たことによって何かがキラキラ見える瞬間があったら、僕らは幸せだなと思います。僕も3月に大学を卒業しますが、大学生って今、夢や目標など色々と言われる時期だと思いますが、夢とか目標は絶対に持たなきゃいけないものではない気が僕はしていて、僕は楽しいことを見つけるのが一番だと思っているので、一緒に楽しいこと見つけましょう。今日はありがとうございました。

綾野 『横道世之介』という作品に出会おうとしてくれて、ありがとうございました。短い時間でしたが、関係者の皆様も含め、みなさんとこの時間を共有できたことが、今後の自分にとっても糧になると思っていますので、それに対してもありがとうございます。映画については、今お三方が数ある答えの中から振り絞って言ってくれたと思っているので、それとはちょっと違った観点でお話したいと思います。「人に見つめられて、初めて自分の存在が明確になる」と思うんですよね。その人がそこに立っている存在意義を証明できる瞬間というのは、誰かに見つめられてから始まると思っています。自分の目でしっかりと見るという作業をし、時には自分の肉眼を疑い感覚に頼る瞬間があっても良いと思います。そういう時間を重ね、体感し、自分の血や肉に変えていってほしいなと思っています。僕は遠回りをして今この場に立っていますが、大学生くらいの年齢でそんな話を聞いていたら、もっと早い段階でこの場にいたかもしれません。だから、皆さんに今日この言葉を届けます。今日はありがとうございました。

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横道世之介

★2013年2月23日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー!★

『横道世之介』

なんでもないと思っていた日々が、どうしてこんなにも愛おしいんだろう―。

監督:沖田修一

出演:高良健吾 吉高由里子 池松壮亮 伊藤歩 綾野剛/井浦新 國村隼/きたろう 余貴美子

© 2013『横道世之介』製作委員会



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