監督・プロデューサーが語る 2011年公開映画 『八日目の蝉』
2010年11月12日(金曜日)

  

第2回中央公論文芸賞を受賞した、直木賞作家・角田光代さんのベストセラー小説 「八日目の蝉」 が、ついに映画化。2011年ゴールデンウィークに全国公開されます。11月12日(金)、書店オーナー様向けのコンベンションにて、成島出監督・石田雄治プロデューサーによるトークショーが行われました。


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「八日目の蝉」は、2005年より読売新聞で連載され、2007年の単行本発売以来19万部を売り上げるヒット作となり、本年NHKでドラマ化されるや大きな反響と話題を呼んだ注目作です。

不倫相手の赤ん坊を誘拐。警察に捕まるまでの4年間、赤ん坊と共に逃亡生活を続けた女・希和子。
誘拐犯に育てられ、本当の家庭に戻っても自分の居場所を見つけられないまま大人に成長し、自分も不倫相手の子供を身ごもった娘・恵理菜。
本作は、二人の女性の痛ましい生き方 ―命とは?本当の愛とは?母性とは?― を描く、魂を揺さぶる感動の物語です。

そして、本作は遂に映画化!
小豆島を中心とした撮影も無事終え、2011年GWに全国公開となります。

TVドラマでは、誘拐する側・希和子を中心に描いていましたが、映画では、誘拐される側・恵理菜に主軸をおき、物語が展開されます。そんなドラマとは違う視点で本作を作られた成島監督、石田プロデューサーの思いをトークショーでは語って頂きました。

― まずは成島監督からご挨拶をお願いします。

成島監督 本作を監督いたしました成島です。本当に素晴らしい原作との出会いでした。初めて読んだ時から、どうしてもこれを映画にしたいと願い続け、無事クランクアップできました。キャストやスタッフなど、現場でもほとんどの人間が原作のファンという環境で作った作品です。楽しみにしていて下さい。

101112_semi1.jpg ◆成島出監督

― 続いては、『嫌われ松子の一生』、『アヒルと鴨のコインロッカー』、本年公開の大ヒット作『告白』など、話題作を次々と世に送り出している石田プロデューサーにご挨拶頂きます。

石田P 日活のプロデューサー、石田と申します。今週クランクアップしたばかりで、その時の現場の熱気みたいなものを今日は皆さんにお伝え出来ればと思っております。

101112_semi2.jpg ◆石田雄治P

― ここからは石田Pにマイクを預け、このプロジェクトの成り立ち、撮影秘話などをお話頂ければと思います。

石田P (向かい合って)改めてお話するのも恥ずかしい感じですが(笑)、46日間の撮影を終え、いかがですか?

成島監督 やはり原作の力が大きかったと思います。キャストもスタッフも“『八日目の蝉』だったら出演したい、参加したい”という声が多く、こんなにも愛されている原作があるんだなというのが印象的でした。46日間の撮影は大変ではありましたが、最初の原石のような思いをみんな大事にしてくれて無事終えることが出来ました。

井上真央さん、永作博美さん、小池栄子さん、そしてこの写真(書店限定ポスター)の子役・渡邊このみちゃん、さらには、森口瑶子さん、劇団ひとりさん、田中泯さん、田中哲司さん、風吹ジュンさんなど、僕が尊敬し、大好きなキャストの方々に参加して頂きましたが、皆さんこぞって“この映画に参加したい”と言って下さいました。そのことが監督にとってすごく大きかったですね。彼らはスクリーンに映り、僕らは送り出す側ですが、原作への思いがみんなを一つのチームにしてくれました。


石田P 井上さん、永作さん、小池さん、森口さん、4人が口を揃えて“難しい役どころだった”と演じるにあたってかなり悩んだようですね?

成島監督 今回は、良い意味でみんなで悩みました。“なぜ、今この原作を映画化するのか?なぜ、このキャストが揃ったのか?なぜ、お客様に観て頂く必要があるのか?”を考えさせられる何かがこの原作にはあったと思います。親が子を殺し、子が親を殺すという事件が起きる今の世の中にあって、“この母娘の愛を自分はどんなふうに演じれば良いのか?生半可な気持ちでは演じられない”という思いだったと思います。

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石田P このような素晴らしい原作を映画化するにあたり、監督としてはどのような点に留意しましたか?

成島監督 冒頭にもお話しましたが、誘拐された側・恵理菜に主軸をおくことです。若い世代の方に観てもらえれば分かりますが、彼らの誰もが劇的な事件に巻き込まれるということではないですが、必ずどこかに響くものがあると思います。

石田P そこが原作とは違った形のアプローチであり、構成なども原作とは変えたことによって、映画目線のドラマになりましたよね。

成島監督 はい。恵理菜に主軸を置いた大きな理由は、恵理菜が最後に美しい光、美しい緑、美しい海という“美しいものをみる”というのが、文学的に優れた表現だったので、それを何とか映像にできないかなと思ったからです。それは観る人にも、きっと “ある力” として伝わるんじゃないかなと思います。

石田P そのように色々と考えていく中でキャスティングしていったわけですが、今回のキャスティングに関してはいかがですか?

成島監督 僕が全部決めるのではなく、みんなで力を合わせてキャスティングしました。本作は20年前と現在の物語が交錯していきますが、その中で素敵な俳優さん達が個性的で素晴らしい演技をして下さっていますので、本当にキャスティングに恵まれたなと思っています。

石田P 本作のサプライズはこの子(渡邊このみちゃん)ですよね?

成島監督 この子は、全く演技経験がない子です。本作を撮るにあたっては、事務所に所属している子役の子ではうまくいかなかったんですね。ですので、オーディションで何百人にもあって、ある意味ギャンブルでもありましたが、全く演技経験のないこの子をキャスティングしました。きっと、皆さんに響くのではないかなと思っています。

石田P 僕も本当にこの原作が好きで、原作が素晴らしいだけに映画化するのは非常に難しいと思っておりましたところ、成島監督から“この作品を恵理菜目線で描きたい”との相談を受けました。それであれば原作に負けない素晴らしい映画が出来ると確信し、脚本にもかなりの時間をかけ、原作に負けない素晴らしいものとなりました。出演者の方々も、悩みながら小説のキャラクター以上のものを映画の中で演じてくれましたので、本当に原作に負けない映画が出来上がると思っています。

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◆これが書店限定ポスター!

誘拐される側・恵理菜を演じる井上真央さん。そして、誘拐する側・希和子を演じる永作博美さん。二人の実力派女優の共演をぜひ楽しみにお待ち下さい。


『八日目の蝉』

★2011年 ゴールデンウィーク 全国ロードショー!★

優しかったお母さんは
私を誘拐した人でした

出 演 : 井上真央 永作博美 小池栄子 森口瑶子 劇団ひとり 田中泯 田中哲司 風吹ジュン
原 作 : 角田光代「八日目の蝉」(中央公論新社刊)
監 督 : 成島出
脚 本 : 奥寺佐渡子
製 作 : 日活㈱
配 給 : 松竹㈱


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