イベントレポート

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『さんかく』 公開記念!吉田恵輔監督×森直人(映画評論家)氏 トークイベントの模様!
2010年07月09日(金曜日)

大ヒット上映中 『さんかく』 の公開を記念し、メガホンをとられた吉田恵輔監督と映画評論家・森直人氏のトークイベントが7月7日(水)にテアトル新宿で行われました!最終上映回の上映終了後 23:10~と、かなり遅い時刻開始のイベントでしたが、吉田監督と森氏のぶっちゃけトークで、会場はおおいに盛り上がりました。

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この日の吉田監督と森氏は、ファッションからしてかなりのリラックスモード。会場を見渡して、「結構残っていますねぇ!すごいおじさん率の高さ(笑)。予想通りの嬉しい展開ですね。」(監督)、「すごいいるじゃないですか!ビックリしましたね~。」(森氏)と、遅い時間にも拘わらず予想以上にいらっしゃるお客さまの姿にニッコリ。遅い時間ならではの、爆笑ノリノリぶっちゃけトークがスタートしました。ということで、ネタバレ、ぶっちゃけ過ぎ(笑)トークが多かったため、抜粋してお伝えさせて頂きます。

森氏 公開して少したちますが、反響はどうですか?

吉田監督 意外と、思っていたより良いんですよ。

森氏 良いって、何が良いんですか(笑)?

吉田監督 今回の作品、正直キケンだなと思っていたの、オレ(笑)。実はこの映画、流れそうになったり紆余曲折あって形になったんですけど、流れるとなった時は 「ふざけるなっ」 という気持ち半分と、不安もあったので心のどこかでちょっとホッとした瞬間もあって(笑)。で、復活するとなった時は 「ヤッター!」 という気持ちと、「大丈夫か、本当に?」 という気持ちになりました。だけど、有名な監督になるためには、何本か駄作が必要だという話を聞いたことがあったので(笑)、それくらいの覚悟をもって作ったら、レビューも今までで一番高いみたいです。だから、「そういうこともあるんだ」 と思って。

森氏 大傑作だと思いますよ!全身全霊で絶賛してるんですけど、でも、例えば小野さん目当てにくると観た後ヘコむというか・・(笑)。

吉田監督 ボクは少女映画みたいなのをわりと作ってきていますが、「少女愛」 みたいなものを追求すると、最終的には 「いかにどうやって裏切られるか」 がテーマというか、そこに向かっていってます。自分のお人形みたいになることを望むんだけど、実際そうなっちゃうと大した喜びは得られないみたいな(笑)。

森氏 そりゃヒドイ話だね(笑)。まあ、分かるけど。それはそうと、ボクは田畑さんが結構今回の決め手かなと思いますが?

吉田監督 最初はそこまで考えていなかったんですけど、田畑さんと会ったら思った以上にかわいくて、そこからだんだん膨らんじゃって、クランクイン2週間前くらいにちょっと脚本書き直して、後半全然違う展開にしちゃったりして。最終的に 「また監督とやりたいですぅ」 みたいな関係性をどこかで望んでました。小野恵令奈にも好かれたいけど、田畑さんにも好かれたいみたいな(笑)。

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◆吉田恵輔監督

森氏 劇中で、田畑さんはどこかで聞いたようなセリフを言いますが、何だか覚えあるなと思って(笑)。これ、リアルですよね?

吉田監督 そうですね。わりと言われたことを書いていたりするので・・。

森氏 ですよね?完全に実体験だなと(笑)。

吉田監督 ほとんど実体験なので、だから本当に当事者の人が観にきたら怒られると思う。今までの作品もモデルがいて、バッタリ会っちゃったことがあって 「あっ!」 と言われて、何かすごい恥ずかしい思いをしました。

森氏 「オマエ、私のこと映画にして!」 みたいな?

吉田監督 そうそう。で、イヤミ言われて(笑)。だから今回の映画も 「何かごめんね。でも届け!」 って思ってるから(笑)。だけど 「愛もあるんだぞ。恨みつらみだけじゃないぜ!」 みたいなところも含めて 「届け!」 って思ってます。ま、最終的にはみんなに愛されたい。嫌われるのが怖い。そういう感じですね(笑)。

森氏 吉田さんと会うのは今日が2回目なんですが、吉田さんは以前塚本晋也監督のスタッフだったんですよね?

吉田監督 塚本さんは学生の頃からの憧れ、神様みたいな存在です。で、リアルに神様の下で何年かやっていくうちにある時気付いたのは、「これマネできないな」 と。「これはもう領域が違う」 と思ったので 「オレはオレの出来ることをやろう」 と開き直ったら、こんな感じの映画の連発です。

森氏 一作品目から女子高生ですよね?

吉田監督 女子高生、女子高生、女子高生、女子中学生。

森氏 広くなってるね(笑)。ちょっと年齢下げてもいいかなと自信つけてきた?

吉田監督 違うんですよ。高校生を3作品撮って 「ロリコン監督だ」 みたいなことを言われたんですが 「待てよ?高校生ってロリコンなのか?」 と。それではロリコン業界に怒られるんじゃないかと、別に誰にも言われてないんですけど勝手に思って 「分かりました!じゃ、本気を出します!」 と。で、小野恵令奈でリアルな中学生でやろうと思ったら、撮影開始が延びて中学校を卒業しちゃって、撮った時は高校1年生になっちゃったんです!オレはそれが今でも悔いに残ってます。

森氏 メッチャ怒ってましたよね?

吉田監督 メチャメチャ怒った!「3月に撮れなくて4月になったら何が起こるか分かってんの?高校行っちゃうんだよ!それで映画が撮れんのか?!」 という感じで憤慨して帰っちゃったんです。でも、帰りの電車の中で 「待てよ。これ、怒ってるのオレだけじゃねーか?」 とやっと気付いて、冷静になろう、大人になろうと考えなおしました(笑)。ただ、若い人に限らず女優さんを撮る時に、「自分の撮りたいピーク、その瞬間を撮り逃すわけにはいかない」 と思っていて、そういう意味でちょっと不安だったの。「もしかしたら桃じゃなくなっちゃったんじゃないか?」 と。でも、間に合った感じです。

森氏 『さんかく』 はキャスティングもいいし、吉田さんがこういうジャンルに来てくれて良かったなと思うんですよ。

吉田監督 でも、「あれ?オレってすごくないの??オレってもしかして今ピラミッドの底辺にいる?」 と気付いてからも、そこにいる時間があまりにも長くて、『純喫茶 磯辺』 を撮り終わって1年くらいたつまで映画監督という自覚すらなかったというか・・

森氏 その時点で、まだ?

吉田監督 まだなかったですね。映画監督をやったことがある人くらいな感じだったんだけど、最近は 「もしかしたらオレって今映画監督なの?」 みたいな気分がやっと芽生えてきた。子供の頃から 「初めて映画撮ってグランプリとっちゃいました!」 系の人間だと自分では思っていたのに、底辺にいた時間が長すぎて天狗になることが出来なくなちゃったの(笑)。

森氏 ものすごい頭打ったわけですよね。でも、それでこっちのジャンルに来てくれて、本当に良かった(笑)。ところで、今後は何か考えているんですか?

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◆森直人氏

吉田監督 脚本だけはいっぱいあるんですよ。「傑作だ!」 と思っている脚本もいっぱいある中で、これ(『さんかく』)が一番ヤバイな、一番危険なタマだなと思っていたらわりと評価が良かったので、逆に言うとオレが傑作だと思っている脚本たちが 「本当に大丈夫なの?」 って最近不安になってきちゃって(笑)。

森氏 でも、塚本組の頃とジャンルを変えたことで、このジャンルでは吉田さんがトップに立ったんではないかという気はするんですけどね。

吉田監督 そう言ってもらえると、超気持ちいいっすね。チョ~気持ちいいっす!!そういうの、よそでガンガン言って下さいよ(笑)。

森氏 『さんかく』 の話に戻りますが、ボク、ラスト感動しましたよ。

吉田監督 クランクインの2週間前にあのシーンを追加して、最後をどうするかはほぼ空白の状況で撮影して、最後の瞬間に決めようかなと実験的にやってみたら、なんか悪くないなと。

森氏 ラスト最高だと思いますね。エピローグとかなくて良かったと思いますよ。あるじゃないですか?5年後・・みたいな。あれがあったらボク今日来てないですよ(笑)。あのラストがホント素晴らしかった。

吉田監督 でも5年後が超キョーレツだったらどうします(笑)?

森氏 それはそれで面白いね。というところで、お時間だそうです。フツーに世間話ばかりしてすみません(笑)。


楽しいぶっちゃけトークを聞くと、また新しい目線で 『さんかく』 を楽しめそうですね!既にご覧になった方も、まだご覧になっていない方も、ぜひ劇場で 『さんかく』 をお楽しみ下さい!


○でもなく、×でもない。△な人間模様。
大切な 「好き」 の気持ちを思い出す、ちょっぴり欠けてていとしい恋のお話。


『さんかく』

★2010年6月26日(土)より
ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋テアトルダイヤほか 全国順次ロードショー!★

好きになるのは、カンタン。
好きでいるのは、ムズカシイ。

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(C)2010 「さんかく」 製作委員会


監督・脚本・照明 : 吉田恵輔
キャスト : 高岡蒼甫 小野恵令奈 田畑智子 ほか
制作プロダクション:日活撮影所 ジャンゴフィルム
製作:日活 テレビ大阪 配給・宣伝:日活


★その他の日活ラインナップもご期待下さい★

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